コーチ「先生、さすがにひきます」
先生 「なんでやねん。こんなに強かったらおかしくなりそうになって当然やろ」
コーチ「いや、だからといって、スペンサーの下敷き抱きしめるのはやめてください。気持ち悪いです」
先生 「ええやないか、嬉しいときは思いっきり喜んだらええんや」
コーチ「・・・」
先生 「矢野かてそうやって喜ぶやろ?」
コーチ「喜び方に問題があるんです」
先生 「ザザザー!アニキの盗塁!」
コーチ「やめて下さい。コンビニで盗塁すんのは」
先生 「ウイリアムスのスライダー」
コーチ「中学生やないんですから」
先生 「ヤマザキの高級あんぱん」
コーチ「買うんですか?」
(コンビニの前 あんぱんとコーヒー牛乳の先生)
先生 「せやけどコーチな、スペンサーはほんまにええなぁ」
コーチ「昨日も大活躍でしたもんね」
先生 「しかもな、ちゃんと“脇役外国人”の存在感を保ったままの大活躍や」
コーチ「こだわりますねぇ」
先生 「そらそうや、スペンサーが脇役であるところが阪神の強いところやからな」
コーチ「まぁ、この間もその話してましたね」
先生 「でな、今日はその続きやねんけど」
コーチ「はい」
先生 「オレ、脇役と主役の見分け方を考えてたんやけどな」
コーチ「また、妙なこと考えますねぇ」
先生 「大事なことなんや」
コーチ「はい」
先生 「丘の上の木の下で考えたんや」
コーチ「カントみたいですね」
先生 「やろ」
コーチ「で、脇役と主役の見分け方ってなんですの?」
先生 「名前の前につく修飾語がな」
コーチ「はい」
先生 「“さすが”やったら主役や」
コーチ「と、言いますと?」
先生 「金本がヒーローの試合はな」
コーチ「はい」
先生 「さすがアニキ!ってなるやろ?」
コーチ「まぁ、そうですね」
先生 「じゃあ今岡が主役の試合はどや?」
コーチ「さすが今岡・・・ですよね?」
先生 「せや。ほなな」
コーチ「はい」
先生 「スペンサーがサヨナラホームラン打ったとして、その試合はどや?」
コーチ「さすが、スペンサー・・・にはなりませんねぇ」
先生 「せやねん。スペンサーはもう“さすが”にはなりえへん」
コーチ「さすがスペンサーって、響きちょっとオモロイですもんね」
先生 「せやろ」
コーチ「そういうキャラクターで定着してるってことなんですね」
先生 「ひとまず分類しとくとな、さすが系は赤星、金本、今岡、矢野、藤川、ウイリアムス、あとレギュラーじゃないけど浜中もそうやな。シーツと鳥谷は微妙なとこや」
コーチ「なるほど、よう分かりますわ。井川はどうなんですか?」
先生 「井川はな、“さすが”に準ずる言葉の“やっぱり”が一番しっくりくると思う」
コーチ「やっぱり井川、あ、なるほどなぁ」
先生 「あとの福原と安藤あたりも“さすが”候補やな」
コーチ「なるほど、ほな問題のスペンサーはどうなんですか?」
先生 「スペンサーはやな」
コーチ「はい」
先生 「よくやったスペンサー、や」
コーチ「あ、そうですね」
先生 「あと、藤本と久保田も“よくやった”に分類されると思う」
コーチ「確かに確かに」
先生 「もしくは、エライ!や。久保田エライ!」
コーチ「分かります分かります」
先生 「でな、チームを構成する上でこの“さすが”と“よくやった”のバランスがうまく取れてるチームは強いと思うねん」
コーチ「ほう」
先生 「そういう意味で、スペンサーが“よくやった”に定着していることは非常に意味がある」
コーチ「なるほど。でもまだちょっとイメージ沸きにくいんで、もう少し詳しく言うてもらえますやろか?」
先生 「例えば、今の巨人は“さすが”ばっかりやねん」
コーチ「さすが清水、さすが仁志、さすが清原、さすがローズ、さすが小久保、さすが由伸、さすが阿部、さすが二岡、さすが上原・・・ほんまや」
先生 「1番から9番まで全部“さすが”のチームはやっぱしんどいで」
コーチ「はぁ」
先生 「やっぱり堀内、って悪い意味で“やっぱり”やからな」
コーチ「ほな、何で“さすが”と“よくやった”が混ざってる方がええんですかね?」
先生 「そんなもん、簡単や」
コーチ「はい」
先生 「その方が盛り上がるからや」
コーチ「盛り上がるから、ですか?」
先生 「せや。チームの勢いとかはバカにできひん、勝敗の決定要素や」
コーチ「まぁ、そうですね」
先生 「昨日でもそうやろ。アニキの盗塁は、さすがアニキやねん。で、その後のタイムリーはよくやったスペンサーや。“さすが”と“よくやった”のお共同作業で得点しとるわけ」
コーチ「はい」
先生 「ベンチの雰囲気むっちゃよかったやろ?」
コーチ「そうですね」
先生 「これがな、スペンサーのとこがウッズやってみ。おんなじ一点でも一点とったことでつく勢いが違うねや。“よくやった”の選手が絡むと、なんかすごい楽しくて嬉しい一点になるねん」
コーチ「よう分かりますわ」
先生 「たまに、藤本がホームラン打ったりするやろ」
コーチ「はい」
先生 「そのときの金本とか矢野の顔、分かるやろ?」
コーチ「すごい嬉しそうですもんね」
先生 「巨人にはない雰囲気や」
コーチ「確かに」
先生 「ほんで、昨日なんかはスペンサーは3回も“よくやった”思わせてるからな」
コーチ「タイムリーと、ファインプレーと進塁打ですよね」
先生 「その通りや。その一つ一つのプレーで加速する勢いってもの凄いやろ?」
コーチ「スペンサーあのライトフライ取ったとき、これで勝つ思いましたもんね」
先生 「で、“さすが”揃いの投手陣の中で」
コーチ「よくやった久保田」
先生 「最後に久保田が出てくるだけで、勢いが増すんや」
コーチ「磐石ですな」
先生 「せやねん。見事な方程式やねん」
コーチ「なるほど」
先生 「でな、このちょうどええくらいの“よくやった”を見つけるのはほんまに難しいと思うねん」
コーチ「打ちすぎてもあかんし、打たなさすぎてもあかん」
先生 「さらに人柄もあるしな」
コーチ「はい」
先生 「その中で、スペンサー、藤本、久保田って見事なまでに“よくやった”の選手やねんな」
コーチ「その通りや思います」
先生 「その一翼を、外国人が担ってくれるのは本当にでかい」
コーチ「ほんまですな」
先生 「スペンサーは、ほんまは物凄い貢献度なんやと思うんや」
コーチ「数字に表れない部分ですよね」
先生 「せや。だからスペンサーにはずっと脇役でおってもらいたい」
コーチ「なるほど。そしたら改めて、2005年阪神の名脇役スペンサーに」
先生 「心の底から」
コーチ「よくやった!!」
先生 「そして、乾杯!!」
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