コーチ「ちょっと先生、危ないです!やめてください!やめてください!」
先生 「ブーン!ブーン!ブーン!」
コーチ「アホなこと考えるの辞めてください!まだ死にたくありません!」
先生 「アホ!時速160km、生で見たんやぞ!その興奮を自分も体感することは、その場に居合わせた者の義務やろ!ブーン!」
コーチ「だからと言って、車で体感すんのは間違いです!てか、そんなもん義務でもなんでもないです!!勘弁してください!スピード緩めてー!!」
先生 「コーチは細かいことにうるさいなぁ」
コーチ「これは細かくないでしょ!アクセル緩めて!!」
先生 「158km!これが久保田かー!!」
コーチ「ちゃいます!ちゃいます!ただのスピード違反です!」
先生 「もう少しやー!!161km!!これやー!!」
コーチ「これやけどー!!」
先生 「クルーン!!クルーン!!クルーン!!」
コーチ「もう、分かりましたから!!」
先生 「クルーンやー!!よっしゃ、コーチ」
コーチ「な、何ですか!?」
先生 「ちょっと、飛び降りて、打とうとしてみて」
コーチ「何言うてるんですか!無理に決まってるでしょ!」
先生 「やっぱ160kmが速すぎるからかー!!」
コーチ「ちゃいます、車に乗ってるからです!!」
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(パーキングエリアにて)
コーチ「ほんま、先生はむちゃしすぎです」
先生 「160kmがいかに速いか分かったなぁ」
コーチ「何言うてるんですか!車で120km超えたら何キロでもむちゃくちゃ速いです」
先生 「まぁ、クルーンはさておき、今日の試合やけど」
コーチ「ちょっと、何、勝手に落ち着いてるんですか、盛り上がるだけ盛り上がっといて」
先生 「まぁ、ええやないか。好きな選手ほとんど全員見れたことやし」
コーチ「まぁ、そうですけど・・・」
先生 「ほんま1対1、ロースコアの引き分けやったけど、盛りだくさんやったなぁ」
コーチ「そうですねぇ。井川対三浦」
先生 「時代にそぐわない髪型対決」
コーチ「いや、もっといいタイトルの対決にしてください」
先生 「だって、二人とも偏ったこだわりありそうやから」
コーチ「そんなことみんな知ってます。だからわざわざそんな対決にする必要ないんです。ふつうにエース対決でええやないですか」
先生 「じゃあエースヘアー対決」
コーチ「もう、何でもいいです」
先生 「いやでもな、実際、三浦と井川投球、1回の表裏見た時点で、今日は負けかな思ったな。コーチも言うてたけど」
コーチ「そうですね。井川がいまいちノリがないのに対して、三浦は引き続き追悼モードでしたから」
先生 「せやねんな。やっぱ、三浦って番長て呼ばれるだけあって、友達が亡くなった時とかの(プロレスラーの橋本真也さんのことです。念のため)思い入れっていうか、気持ちの入り方が凄いんよな」
コーチ「情に熱いっていうかね、好きな選手なだけに、頑張ってほしいなという反面、やっぱりタイガースに肩入れしてしまう自分がいてちょっと複雑でしたね」
先生 「まぁでも、序盤のピッチングに点数つけるなら三浦は100点。井川は30点くらいの内容やった」
コーチ「追悼ムードでパリっとしてた三浦、寝起きでテンション低いままマウンドに立ってた感じの井川」
先生 「でも眠そうな井川がところどころ、目覚まして、抑えるねんな」
コーチ「スタンドから、起きろ、起きろ井川!ってずっとお願いしてましたもんね」
先生 「そしたら何とかしてたもんな」
コーチ「ワイルドピッチで一点与えたけど、その後大崩れしなかったし」
コーチ「7回1失点、今日の状態やったら、文句なしの結果ですよね」
先生 「眠たそうやったけど、よう頑張った」
コーチ「昨晩はきっと眠れないほど大変なことがあったんですよ。きっと」
先生 「まぁ、そういうことにしとこ(笑)」
コーチ「で、5回までは完璧やった番長が、6回から微妙にキレがなくなるんですよね」
先生 「気持ち入れすぎたんやな、たぶん」
コーチ「ほんで7回、押し出して同点に追いついたわけやけど」
先生 「その伏線が」
コーチ「スペンサーでした」
先生 「今日も大活躍やったな」
コーチ「あれ、スペンサーが怒らなかったら1点なかった思います」
先生 「あんな怒ったとこ初めてみたな」
コーチ「ベンチも一瞬面食らってましたもん」
先生 「ベンチから人が出てくるまで一瞬、間があったもんな」
コーチ「スペンサーがあんなに怒るわけないって、みんな思ってたんですよね」
先生 「そのスペンサーが大激怒して、退場(際どい判定で見逃し三振になった場面スペンサー主審に詰め寄り猛抗議)」
コーチ「人一倍責任感の強い、真面目な男なんですよね。ほんまに必死やったんやと思います。あんだけ怒るんやから、絶対ボールや思ったんでしょうね。今のどこがストライクやねん!完全に外れてるやろが!スペンサーの気持ちが届きました」
先生 「その気持ちが甲子園に響いたんや」
コーチ「何が何でも、一塁の今岡を進めようとしてましたもんね」
先生 「100点はライト前ヒットっていう、意識が凄く出た打席やった」
コーチ「そして、自分のエラーが絡んで1点を献上した藤本の」
先生 「見事なポテンヒット」
コーチ「よう、繋ぎました」
先生 「そして、誰もが待ちかねていた」
コーチ「代打アツ片岡」
先生 「そしてアツが、我慢のフォアボール」
コーチ「ぼくもうこの辺で、だいぶ泣いてました」
先生 「そして、赤星の押し出し」
コーチ「スペンサーが取らせた貴重な貴重な一点でした」
先生 「そして8回、ピッチャー藤川」
コーチ「ほんま球場の空気が一変しました」
先生 「それまで、井川を5万人で心配してた空気が」
コーチ「藤川が出てくるだけで、5万人の安心に変わったんですよね」
先生 「球場全体の空気が、一瞬にして軽くなった。タイガースに点が入りそうな空気が出るんやな」
コーチ「守ってる時間やのに」
先生 「藤川が最近醸し出してた空気はこれやったんやって実感したなぁ」
コーチ「5万人の安心」
先生 「もうむっちゃ安心ってことやからな。一人残らず、球児は打たれないと思っている」
コーチ「そして、打たれない」
先生 「球場行って良かったってほんまに思った場面やった」
コーチ「そして、後もう一つのハイライトは10回ですよね」
先生 「せや、赤星の盗塁」
コーチ「もう、打席の鳥谷、マウンドの川村、味方のベンチ相手のベンチ、そして5万人全てが“赤星が走る場面”と思ってる初球でした」
先生 「赤星走ったもんな」
コーチ「あんなもん、予告盗塁と同じですからね」
先生 「スタンドも、鳥谷じゃなくて赤星のほうばっかり見てた」
コーチ「そして、成功させた」
先生 「正直、勝った思ったけどな」
コーチ「その後のアニキの打球を村田がよう止めました」
先生 「横浜はやっぱ強いなぁ、思ったな」
コーチ「あとは、久保田」
先生 「3回ともかわいいまま投げてたな」
コーチ「マウンドからいっぱいハートが飛び出てましたもん」
先生 「久保田が投げると、なんかピンク色のもやがかかるっていうかな」
コーチ「やっぱり、愛が溢れるんですよね」
先生 「ほんでおまけは、クルーンの161km」
コーチ「ええもん見れましたよね」
先生 「やけど、赤星も鳥谷もファールにしてるんよな」
コーチ「スピードガンは手元を離れた瞬間ですからね」
先生 「だから、ホームベース上ではたぶん藤川の球のほうが速いんやろな」
コーチ「バッターがストレート待ってて、ほんでストレートで空振り取れるのは、今、藤川だけです」
先生 「実際見て思ったけど、クルーンよりも球児が完全に格上やな」
コーチ「ぼくもそない思いました」
先生 「いやいやほんでも、今日は内容的には完全に負けパターンやったからな」
コーチ「7対3で横浜って感じでした」
先生 「限りなく勝ちに等しい引き分けや」
コーチ「そうですねぼくも観戦できで大満足でした」
先生 「ほんま岡田采配、一本筋が通ってて気持ちがええ」
コーチ「そうですねぇ、スタメンのスペンサーから、代打のアツ片岡、桧山、藤川の使い方に、久保田3イニングス。ほんま気持ちが良かったです」
先生 「打線は決して調子よくない。でも、勝ち越しを続けている」
コーチ「今日は福原です。なんとか勝ち星をつけてやりたい」
先生 「ほなそろそろ」
コーチ「はい」
先生 「強い横浜に主導権を握られながらも、なんとか凌いだ負けないタイガースと」
コーチ「個人的に、あの場面でよくぞ怒ってくれた、本当は優しいスペンサーに」
先生 「乾杯!!」
スペンサーはチャンスを広げたかっただけだ。その気持ちがとても強かっただけなんだ。そしてその気持ちが1点を呼んだ
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