コーチです。
昨日、仕事前に大急ぎで書いた内容を、少し、丁寧に。
タイガースとドラゴンズの選手を並べて、一人だけずば抜けて格上の選手がいます。
無論、ドラゴンズの井端。
くどいほど、彼の凄さを語ってきましたが、
それでも足りないほどに彼は凄いです。
「世界一の2番」って冗談じゃないですよ、ほんまに思ってます。
対するは、国内の、一チームの、エースと言われ続けて、それが怪しくなってきた投手。
でも、必死。だから、好き。
井端vs井川。
完全に井端が格上です。残念ながら。悔しいけど素晴らしい。
現状の井川では100点満点の完璧なピッチングをしたことを前提にして、
打たれるか打たれないかというラインでしょう。
完璧に投げても打たれるかも知れない。
たとえば、
チャンピオンにまで上り詰めたボクサーの彼。
何も考える必要なく、ただただ次々と向かってくる敵を倒し続けた。
しかし、そんな彼、ある時恋に落ち、家族ができる。子どもができ、彼はとても家族を愛するようになった。
彼の職業、殴り合い。
家族を守るために、敵を倒さなければならない。
でも
彼に一瞬の逡巡。
「もし自分が大怪我をしてしまったら・・・」
愛する家族ができたゆえ、うまれた臆病。
一瞬の臆病によって、彼は殴られ、殴られ、殴られ、そして大怪我を負った。
そんな彼を、責められまい。
彼は、愛を手にして、瞬間的に弱くなってしまう。
でも、愛を手にしたことによって、以前とは違った強さを身につけようと必死にもがいている。
その先に見えてくる強さこそ、本物だと信じて。
井川は、
井川はまさに、この途上だと思います。
井川が手にした愛は「チーム」。
彼は本当にチームが好きになったんだろうと思います。
マウンドでの表情を見ていて、とてもそれを感じる。
自分に自信が持ちきれない今、
対するは、世界一の2番井端以下ドラゴンズ打線。
初回。荒木には全てストレートで、なんとか凌ぐ。
井端用にチェンジアップを残しておきたかったのだろう。
打席に完成された世界一の2番を迎える、新しい自分を見つける途中の井川。
初球、裏をかいたストレートで、ストライク。
2球目、おそらく待たれてないスライダーが外れる。
3球目、待ってても打ちにくいと信じてチェンジアップ。ボール。
4球目、またチェンジアップ。ボール。ワンスリー。
5球目、この球しかないから、チェンジアップ。ストライクでツースリー。
6球目、こうなったらとにかくチェンジアップだろうと思われた場面、裏をかいてストレート。
ライト前ヒット。
どうしても抑えたかった初回の井端。
矢野のリード、井川の投球。
凄く気持ちが現れていると思う。
でも、井端が格上だった。
世界一の2番を必死に抑えにいったあとの立浪。
スライダーをレフト前に。
そしてランナー井端、立浪。
ダブルスチール。
ウッズには必死にインコースを攻めるも四球。
守りたいものができた人。
ピンチに立たされる。
臆病になる。筋肉が緊張する。硬直する。
福留に押し出し。
でも、井川。
なんとか持ち直して、アレックスのインコース攻めきる。
この打席以降が抑えやすくなる、矢野のナイスリード。
そして森野はふつうに打ち取る。
現状でも森野は井川が格上。
2回。
ようやくチェンジアップが決まる。
谷繁、中田、
そして荒木もストレートとチェンジアップのコンビネーションで抑えきる。
明るい兆し。
3回。
明るい兆しも、井端から。
いきなりピンチ。
初球、インコースに外れるストレート。変化球待ちの雰囲気。0−1
2球目、真ん中ストレート、見逃し。1−1
3球目、外にストレート、見逃し。2−1。やはりチェンジアップ狙いか。
4球目、真ん中にチェンジアップ。ファール。2−1
5球目、膝元にスライダー。ボール。2−2
6球目、もう一球膝元にスライダー。いいコース。裏をかくも。ファール。2−2
7球目、低めにストレート。決めに行くも、ファール。2−2
8球目、井端の目が低めにいきやすくなったところで、外の高めにストレート。でも、ファール。2−2
9球目、外にチェンジアップ。
サードライナー!!
世界一の2番をアウトにする!!
本当によくアウトにした。
直後。
立浪のホームラン。
2球目、甘く入ったチェンジアップ。
得点は、打った人だけでしたものではない。
おおむね、打ちやすくした人がいる。
象徴的なシーンだった。
もちろん打った立浪は凄いが、
この場面に限っては、それだけ消耗させた井端が物凄い。
2点取られる。
守りたいものができた人。
動揺している場面。
優勝したくなっている、ウッズ。
初球をレフト前に。1アウトランナー1塁。
福留。
投げたいボールは対角線のストレート。
しかし、それがうまく決まったり決まらなかったり。
結果、四球。1アウト1、2塁。
アレックス。
デッドボールになるのを怖がってしまったか。
ストレートが甘く入る、レフト前。満塁。
もうここで、どうしようもなく大変なことになると思った。
全ては回の先頭井端がなかなかアウトになってくれなかったこと。
追加点も取られ、体が思うように動かない。
しかしここから、
森野、谷繁をしっかり打ち取る。
よくぞ、踏ん張った。まだ2点。ここから抑えればなんとかなる点差。
4回。
9番、中田をしっかり打ち取る。
なんとしても、荒木をアウトにしてツーアウトランナーなしで井端を迎えたかった場面。
しかし、荒木を出塁させてしまう。
批判すべきポイントがあるとすればここ一点。
荒木は決して格上ではない。
100点の投球をすれば抑えられる相手。甘く入ってしまったストレート。
もう一粘り、もう一粘りできる精神力を。新しい強さを。
身につけてくれたとき、ぼくは泣く。
1アウトランナー1塁で井端。
1球目から7球目まで、全てストレート。
小細工しても打たれる。
もう、何もない。とにかく思いっきり投げろ。
矢野のメッセージだったか。
しかし井端。
7球目のストレートをものの見事にレフト線2塁打。
1塁から荒木、一気に生還。
ずばぬけて格上の打者。
井端一人にやられてしまった。
ワンアウト2塁で立浪。ライトフライで、井端進塁。
ツーアウト3塁でウッズ。ストレートをセンターに運ばれるも、少し詰まらせ、アウト。
なんとか1点で凌ぐ。
5回。
福留。二打席連続で四球を与えていた福留。
前回完璧なホームランを打たれていることもあり、投げにくかったことだろう。
しかし、真っ向勝負。ストレートで3球3振。
アレックス。チェンジアップが甘く入り、2塁打。
思っていたところに投げていれば抑えれていた配球。
ここは悔いの残る場面。
森野をセカンドゴロ。でアレックス3塁進塁。
2アウト3塁で、谷繁。敬遠。定石どおり。
で、中田を抑えて、無失点。
これが井川の全投球。
井川が悪いのではなくて、井端が凄い。
井川を責めるポイントはあまりない。
どうしたって抑えれない2番がいるチームと対戦しているんだ。
どうにもならないこともある。
井川の次の登板に光明を見た登板。
よくぞ3点に抑えた、と言いたい。
井川のドラゴンズ戦の課題。
無論、井端。
右打ちしようとしてくるタイミングで、インコースにストレート。
キレイにライト前と思ったあたりがシーツのところに飛べば、
井川は完封できる。
井端がヒットにできない球はウッズには打てない。
自信を持って、最高のストレートを投げることができる準備を。
井川のストレートが井端の描いたそれを上回れば、必然的に勝てる。
もう、背信なんて言われない。
世界一の2番。
ご存知のように、
昨日は結局、桟原の代わったイニングに、
ダメ押し点となるホームランまで打っている。
当然、今日の鍵も、2番をどう抑えるかが握っている。
対策はない。
以前も書いたけど、
「う!」って思わせられるかどうかだ。
井端の想定の範囲外の投球ができるかいなか。
下柳先輩。
もっとも適任なんだ。
なんとか、球児につないでほしい。
なぜなら球児、世界一のセットアッパー。
井端vs球児。
この対決は5分。
もしくは、むちゃくちゃ打ったら勝てるけど(笑)
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