コーチ 「21点ですねぇ・・・」
先生 「21世紀やから、21点やな」
コーチ 「いや、21世紀になってからもうだいぶ経つんで、全然うまくもなんともないですよ」
先生 「ミレニアム打線」
コーチ 「やめてください」
先生 「せやけどコーチな」
コーチ 「なんです?」
先生 「忘れたらあかんのは」
コーチ 「はい」
先生 「逆転勝ちってことや」
コーチ 「確かにそうですね。終わってみれば記録的な大勝ですけど、2回に先制されてますもんね」
先生 「序盤の安藤、決して調子よくなかったしな」
コーチ 「2回なんて1点取られて、倉にデッドボール出して、大島に送りバント決められて」
先生 「2アウト2、3塁で緒方」
コーチ 「もう、気絶しそうなピンチでしたもんね」
先生 「また緒方って、甲子園でよく打つイメージあるねん」
コーチ 「タイガースが弱かった頃ほんまによくやられましたもんね」
先生 「あとは、引退したけど巨人の村田真一」
コーチ 「ハハハ。いやな記憶いっぱいありますね」
先生 「だから、オレはもう緒方が打席立つだけで、左中間にボカーンいかれるんやないかってすごい心配になってしまう」
コーチ 「わかります」
先生 「で、その緒方に、あの2、3塁の場面でセンター前にでもいかれてたら」
コーチ 「少なくとも大勝ではなかったですね」
先生 「3点差になって、この間手こずってる大島やからな」
コーチ 「勝てたかどうかもあやしい」
先生 「ほんま昨日の福原見てても思ったけども、タイガースの投手は、“ここ”っていう時に、ほんまに粘れるようになったなぁ」
コーチ 「“ここぞ”という場面で、最高の球を投げれるんですよね」
先生 「緒方を三振に打ち取ったスライダーも、見事なもんやったな」
コーチ 「で、ピンチを脱したその裏、逆転します」
先生 「なんか昨日は、野球の格言がいっぱい詰まったゲームやったでな」
コーチ 「ピンチの後にチャンスが来ましたし」
先生 「先頭バッターにフォアボール出したら、点取られる」
コーチ 「エラーしても点取られる」
先生 「ほんで、安仁屋に怒られる(笑)」
コーチ 「もう、広池なんか、投げるたびにベンチのほう見てましたもんね」
先生 「怖いんやろなぁ、安仁屋」
コーチ 「でまぁ、安仁屋が怖いことはおいといて」
先生 「安仁屋が変なサングラスしてるってことやろ」
コーチ 「違います」
先生 「ほな、スペンサーが活躍したこと?」
コーチ 「そうです。どういう二者択一なんですか?」
先生 「まぁ、スペンサーええ働きしてたよな」
コーチ 「そうなんですよ。7回に取った8点は、もうカープがむちゃくちゃになってたんで度外視して、それ以外の13点」
先生 「スペンサーが随分絡んでるんよな」
コーチ 「2回ウラの攻撃からなんですけど、まず今岡が四球で出て」
先生 「得点とった直後のイニングの先頭打者、しかもストレートの四球」
コーチ 「完全に点が入りやすいイニングになったわけなんですが、ここでスペンサー」
先生 「三振するんやけども」
コーチ 「きっちりボールを見ていってるんですよね」
先生 「ナウの四球を見た感じで、“大島は見られたほうがイヤ”っていう判断やったんやろな」
コーチ 「結果的に2−3までいって、三振」
先生 「で、それに続いた矢野も」
コーチ 「2−2まで4球見逃して三振なんですよね」
先生 「で、大島と倉のバッテリーが“見られるなぁ”と単純に思ったかどうかは分からないけども」
コーチ 「1−1から簡単にストライク取りにいった変化球を、関本が2塁打」
先生 「スペンサー、矢野、関本の時の並びの狙いそのものやでな」
コーチ 「現状の下位打線で“決める”という役割で最も期待できるのが関本ですから、スペと矢野で打ちやすくして」
先生 「関本が決める」
コーチ 「同点においついた1点。実に完璧でした」
先生 「で、この完璧さが流れを呼ぶんやろな」
コーチ 「安藤まで打つし、赤星も打つし」
先生 「一気に3点」
コーチ 「それを呼んだ、スペンサー、矢野の“見ていく”と思わせたイメージ付け」
先生 「下位打線でできる完璧な得点やったな」
コーチ 「これで安藤が息を吹き返しました」
3回表
2番 山崎 カウント1−2からのストレート、センターフライ
3番 嶋 カウント1−3からのストレート、セカンドゴロ
4番ラロッカ 初球のストレートをショートゴロ
先生 「全部ストレートを打たれるけども」
コーチ 「球の勢いが増したんですよね」
先生 「狙って打ちにいったストレートで全て凡打」
コーチ 「これで完全にタイガースペースになりました」
先生 「守りからリズム」
コーチ 「よう言われることですけど、ほんまのことですよね」
先生 「で、3回ウラ」
コーチ 「事実上、決着のついた3回のウラでした」
先生 「大島がまた、先頭のシーツに四球やったよな」
コーチ 「はい。ほんで、アニキにも連続でフォアボールだしてしまいます」
先生 「シーツの四球は、最初にデッドボール当ててるから、当てたくなかたんかな?」
コーチ 「ほとんど外に投げてましたね」
先生 「ほんでアニキは警戒しすぎの四球」
コーチ 「当然、弱気になったら負けなんですよね」
先生 「でも、ナウはセンターフライで、ワンアウト1、2塁でスペンサーにまわったんよな」
コーチ 「“見てくる”イメージだったスペンサー」
先生 「ストレートで簡単にストライクを取りに来た2球目をセンター前に」
コーチ 「スペンサーが、主導権握ってた感じですね」
先生 「ただたんにアウトにならへんタイプやからな。スペ太郎は」
コーチ 「最初の打席の三振を、その回の関本にも活かし」
先生 「次の回の自分の打席にも活かした」
コーチ 「この4点目で、ほとんど勝負ありでしたからね。事実上の決勝点でした」
先生 「せやな、3点差になった時点で」
コーチ 「7回、8回、9回に出てくるピッチャーを考えると、攻撃は残り3イニング」
先生 「さらに安藤が調子が上がってきたところで、3イニングであと4点」
コーチ 「厳しい状況になりました」
先生 「でまぁ、また見てくるイメージだった矢野が」
コーチ 「これまた2球目のスライダーをホームラン」
先生 「7点入って、ジ・エンドやったわな」
コーチ 「序盤の印象付けが見事に成功したゲームだったってことですよね」
先生 「せやな。で、大差がついた以降大事なこともスペ太郎、しっかりしとった」
コーチ 「ほんまに雑にならないんですよね、あの人」
先生 「あんだけ、どんどん点が入る中な」
コーチ 「スペンサーは、次の打席も、その次の打席も四球で出塁するんですよね」
先生 「5打席で、3打数1安打1打点」
コーチ 「二四球、一エラー出塁」
先生 「さらに三振した打席も活かしたバッティング」
コーチ 「4打席出塁してますからね」
先生 「なんか、記録見てると井端みたいやな(笑)」
コーチ 「影の2番打者ってことですよ、冗談ぬきで」
先生 「中日も井端があかんようになったここ二試合、めっきり得点できひんからな」
コーチ 「二番が活躍したら点が入るんです」
先生 「でも、今日の鳥谷まったくあかんかった、けども」
コーチ 「影の2番が大活躍」
先生 「結果21点」
コーチ 「ナイススペンサーのゲームでした」
先生 「ほんで、ディフェンス面では、大差の空気に惑わされず、フォアボールを出さない。エラーしない」
コーチ 「言うのは簡単なんですけど、相手があんだけ崩れると実際難しいもんだと思います」
先生 「ところが」
7回 橋本 無四球 3者凡退
8回 江草 無四球 3者凡退
9回 桟原 無四球 3者凡退
コーチ 「ほれぼれする内容なんですよね」
先生 「ほんまに立派なリリーフばっかりやなぁ」
コーチ 「もう、頭が下がります」
先生 「で、その結果や!!」
コーチ 「はい!!」
先生 「いよいよ出たな、マジック!!」
コーチ 「まだ勝率だけですけど、出ましたマジック!!」
先生 「コーチがこの間言ってたけども」
コーチ 「何でしょう?」
先生 「プレーオフでもかまへんねやでな」
コーチ 「そうなんですよ。自分たちのやることをきっちりやって、ドラゴンズも勝ったらそれはそれで仕方ないって感じで」
先生 「ほんまそんな感じやもんな」
コーチ 「焦って、シーズン中に決めに行く必要は全然ないと思います」
先生 「首尾一貫して、この姿勢」
コーチ 「その先に生まれたものが、21点っていう記録的な試合でもありますし」
先生 「東京ドームで工藤先輩と死闘を演じたその結果が活きた、東京ドーム中日巨人戦」
コーチ 「6番7番8番での得点の仕方」
先生 「JFKはもちろんのこと、それ以外のリリーファーの意識の高さ」
コーチ 「ほんま全てが結実した状態での、マジック点灯」
先生 「ほんま、まっすぐにのびた道が見えるなぁ」
コーチ 「その道を着実に歩を進めるタイガースに」
先生 「改めて」
コーチ 「久しぶりですね(笑)」
先生 「乾杯!!!!」
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