2005年09月20日

事実上、マジック1

かすかではあるが、まだプレーオフの望みがある現在。

1年間、必死で戦ってきたことは、ドラゴンズの選手とて同じことである。
「絶対、勝つ」
必然的に、気持ちは強く、そしてその気持ちは強く表に溢れ出てくる。

対して、杉山。
こたつでみかんを食べている時と、マウンドでピッチングをしている時の差が、
一般レベルに比べて極端に少ないと思われる杉山。

「何がなんでも負けるわけにはいかない」

半ば喧嘩腰の目をした戦闘集団に、
少したじろいでしまったか。

家でリラックスしている時に喧嘩を売られたら、誰だって困る。
だいたいいつも家でリラックスしている状態に近い杉山。
そしてそのメンタリティの中から活路を見出し、ローテーションをしっかり守ってきた今年。

ノックアウトされてしまったが、売られた喧嘩を買うよりは良かったと思う。
せっかく熟成しかけている、マウンドでの気持ちの持ちよう。
相手にあわせて変えることはいいことではない。
打たれたときは、「自分に腹を立ててイライラする」のではなく、
「シュンとなって落ち込む」それが、杉山が活路を見出してきたことの結果である。
「シュンとなって落ち込む状態」で投げているからこそ、
ピンチになっても、丁寧に丁寧にリズムを崩さずに投げることができるのだ。
ここ一番という場面で、矢野が構えるミットに気持ちよくすいこまれたストレート。
何球も見た。

昨日は、ドラゴンズの「必死」に飲み込まれた。
そういう結果を、受け入れて、
「どうすれば必死に飲み込まれなくてすむか」
そのことを考えて、今年一年培ってきたことを土台に、また次に頑張ればいい。


アツのことが気になる。
やはり「3番」に困っているように見える。
とにかく、なんとかチームに貢献したい。
でも、気持ちを入れて一生懸命やろうとすればするほど、
体がぎこちなく動き出してしまう。
「決めてきた人」が「繋ぐ人」へ。
やはり、そう簡単にいくものではないのだろう。
ドラゴンズは、おそらく中田が投げてくるだろうから、
そのままいけば今日もスタメンはアツだ。
スタメンで出た2試合をふまえて、今日、何かきっかけを掴んでもらえたらと思う。
2試合は両方とも大差で負けてしまっているので、
アツにとっても酷なゲームだったと思う。
「赤星と金本の間を打つというのは、こういうことか」
そのきっかけを今日、掴んでほしい。


ドラゴンズはとにかく戦闘モードである。
失うものはもう何もない。そういう玉砕戦でやってきている。

戦に赴く武士のごとく。

そして、そんな気持ちで攻め込んでいる時に、
目の前に、どう足掻いても太刀打ちできない大きな障壁があったなら、
馬にまたがり剣を抜き、決死の覚悟で乗り込んだ相手軍が、
驚くほど高い壁をこしらえて、待ち構えていたなら、
その時、武士ははどう思うか?

無論、攻め入りながらも、諦めるのである。
「わぁぁぁ!!!」と雄叫びを上げながら、相手軍に攻め入るも、
家族のこと、
これまでの人生のことを思い、
自分自身の総まとめを始めるのだ。


さぁ全員で、その壁を完成させよう。
よいしょよいしょと、大きな壁を。
どうしても上りきれない、その大きな壁を。
守って打って。走って投げて。
その大きな壁を完成させよう。


そして、息巻く竜軍が、これまでいとも簡単に突破してきた、
虎軍大将井川。

突破できるはずの相手の大将。
それが最後の砦になったとすれば、
間違いなく戦は終わる。

終戦。

数々の「今年」を背負った井川が、戦を終わらせてほしい。

井川が投げる今日の試合。
ドラゴンズは負ければ終戦である。
他のどの投手でもない、井川だからこそ、
今日で全てが終わってしまうのである。

今日、井川がドラゴンズを封じた上で勝利したならば、
今日、胴上げしてもいいくらいだ。

事実上のマジック1。
数々の傷を背負ったエースが投げる試合だからこそ、
事実上マジックは1となる。

優勝決定戦の大一番。

甲子園のマウンドは、
エースの帰りを静かに待っているところだ。


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posted by コーチ at 07:22| Comment(3) | TrackBack(3) | □ 井川 慶 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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