コーチ 「苦しいのは分かりますけど、苦しみながら、“29”って書くのやめてください」
先生 「にじゅう、きゅうぅぅぅ」
コーチ 「まぁ、分からんでもないですけど」
先生 「にじゅう、きゅうぅぅぅ」
コーチ 「気持ちは分かりますけど先生、指でぼくの体に“29”書くのやめてください」
先生 「にじゅうぅぅ」
コーチ 「先生!!」
先生 「キュー!!」
コーチ 「う」
先生 「ここ乳首やろ?」
コーチ 「先生、ほんま勘弁してください。世間に誤解されます」
先生 「せやけどな、コーチ」
コーチ 「はい」
先生 「オレ、もう気持ちのやり場に困ってしまって、しんどい」
コーチ 「確かにね、気持ちは分かります」
先生 「オレ試合見ながらな」
コーチ 「はい」
先生 「いっそのこと、“井川遥が投げてるって思おう”って、そんなことも考えたんや」
コーチ 「そんなこと考えたんですか!?」
先生 「せやねん。だって井川遥が投げて、ドラゴンズ打線を4点に抑えてたら、もの凄いやろ?」
コーチ 「そら、確かにもの凄いですけど、投げてるのは井川遥じゃないですから」
先生 「どっちも唇、分厚いで」
コーチ 「分厚さの種類が違います」
先生 「なんかなぁ、日本シリーズの伊良部を思い出してんなぁ・・・」
コーチ 「あのときの伊良部。。似てますね」
先生 「ダイエーのスコアラーに完全に丸裸にされてもうてたやん」
コーチ 「分かってな、そこまで振られへんやろ、ってそんなスイングでしたもんね」
先生 「井川はクセを見抜かれてる、ってちょっと前そんな報道あったやろ?」
コーチ 「ありましたね」
先生 「あれ、どうにも修正できひんかってんな、たぶん」
コーチ 「分かってな、あそこまで完璧なホームラン打てないですよね」
先生 「森野のホームランも、福留のホームランも、あまりにも完璧すぎた」
コーチ 「前回の甲子園で福留に打たれたホームランもそうでしたね」
先生 「対策は打ったんやろうけど」
コーチ 「まだ、ドラゴンズが一枚、大きな情報を握っている感じがします」
先生 「それを踏まえての、矢野のリードは良かったけどな」
コーチ 「球種が分かってても、打てない球を投げて来い。打てないコースに投げて来い」
先生 「井川のポテンシャルを信用しての、メジャーリーグ配球」
コーチ 「でも、打たれてしまいました」
先生 「それも、あまりにも完璧にや」
コーチ 「伊良部は、日本シリーズ以降、まったくどうしようもない状態に陥って、引退に追い込まれてしまいました」
先生 「一つ大きく歯車が狂うと、どうしようもなくなってしまうんやでな」
コーチ 「“どうしていいのかほんまに分からない状態”になってしまうんですよね、きっと」
先生 「ほんで、今までできていたことすら、自分からできなくしていってしまう」
コーチ 「常にピンチを招いているかのような精神状態で投球を続けなければならない感じやと思います」
先生 「そら、ふつう難しいよなぁ」
コーチ 「ぼくもブログで、“コーチやったらどうせこんな感じで書くんでしょ”とか、先に予想されて、それがあまりにビンゴやって、しかもそれがちょっと自信のある感じのことやったのに、あまりにズバリ見抜かれてしまったら、その先ちょっと書けないですよね。書けてたはずのことが書けなくなっていくと思います。いつでも、見抜かれてないか、気になってしまう感じで、あれもあかんのちゃうか、これもあかんのちゃうか、自分からつぶれてしまいそうで、怖いです」
先生 「井川はどうなるんやろか?何とかポテンシャルだけで、4点に抑えたって感じやったけど」
コーチ 「相当、苦しい状態ってことには違いないでしょうね」
先生 「バレてるって分かってても、それに完全な対策を打ちきれてないって分かってても」
コーチ 「井川は投げさせるしかないですもんね」
先生 「せやねん。一度ビッグネームになってしまった選手は、もう後戻りできひん」
コーチ 「そうですよね。清原も江藤も、ああいう状態になってから蘇生することはなかったです」
先生 「だから、井川はどんだけ苦しい状況でも、投げ続けなあかんねん」
コーチ 「苦しいです」
先生 「苦しいけど、そこにしか活路は見出せへん」
コーチ 「走り続ける中で、カムバックを果たす」
先生 「それ以外では、カムバックできひん」
コーチ 「球史に名を刻む左腕になるか」
先生 「志半ばのまま、早くもフェードアウトしてしまうのか」
コーチ 「日本シリーズを含めた、残り数試合」
先生 「ほんまに瀬戸際や」
コーチ 「ただ、ぼくたちの願いは一つです」
先生 「球史に名を刻む左腕になってほしい」
コーチ 「日本でもアメリカでも、場所はどこでもいいですからね」
先生 「オレたちが忘れられへん井川のあの姿を、もう一度観てみたいし、できれば長く観ていたい」
コーチ 「そのための残り数試合」
先生 「岡田さんは使ってくれる人やでな」
コーチ 「そう、信じてます」
先生 「人、一人の人生がかかってるわけやから」
コーチ 「球史に名を刻む人生にもう一度戻ってほしい」
先生 「次回はジャイアンツ戦」
コーチ 「おそらくは、ほんまに佳境です」
先生 「井川慶、人生をかけたマウンド」
コーチ 「祈るだけです」
コーチです。
井川に対しては、多くの方が様々な感情を抱いていると思います。
そのうちの一人。
ぼくの思いは
「終わってほしくない」
終わってほしくないから、応援します。
初回、荒木と井端を簡単に打ち取ったときの、監督の笑顔。
とても印象的でした。
ぼくもあんな顔になりました。
「頑張れ井川」
「這い上がれ井川」
その気持ちしか、ありません。
井川、頑張れ!!
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