2007年09月09日

仕事

お知らせ。
仕事の都合で更新、少し遅れます。
明日の昼くらいには。

現在江草がホームラン打たれて、同点。
だけど、阪神ペースだなぁ、と思いながら見ております。

このまま橋本ージェフでつないで、勝てたらすごいけど。

では、仕事行ってきます。


コーチ
posted by コーチ at 21:30| Comment(4) | TrackBack(1) | ◎管理人より | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

矢野の中腰


先生  「なぁ、コーチ」
コーチ 「はい」
先生  「今から、オレはコーチの目の前まで行って、大声で『こんにちは!!』と言います」
コーチ 「え?」
先生  「その時に、最も自然な受け答えをしてください」
コーチ 「なぜかは聞かない方がいいんですよね?」
先生  「せやな」
コーチ 「先生、なんか自信ありげやし、いいですよ。いつでもきてください」
先生  「では行きます」
コーチ 「はい」

(先生、三歩近づいてコーチの前へ。顔を間近につける)
先生  「こんにちは!!!!!」
コーチ 「・・こ、こんにちは、ってちょっと恥ずかしいですわ(苦笑)」
先生  「今の自然な受け答えか?」
コーチ 「自然、、じゃない気がします」
先生  「じゃあもう一回行きます」
コーチ 「はい」

(先生、三歩後ろに下がって回れ右。そして、もう一度三歩近づいてコーチの前へ。顔を間近につける)
先生  「こんにちは!!!!!」
コーチ 「・・こ、んにちは」
先生  「どやった?」
コーチ 「恥ずかしがったらあかんって思いすぎて今のも自然じゃないですねぇ。難しいですわ」
先生  「ほんなら次で最後な」
コーチ 「はい」

(先生、再度、三歩後ろに下がって回れ右。そして、もう一度三歩近づいてコーチの前へ。顔を間近につける)
先生  「こんにちは!!!!!」
コーチ 「こんにちは!!!!!」
先生  「なるほど」
コーチ 「思いっきりいってみたんですけど」
先生  「それはどやった?」
コーチ 「これもちゃいますねぇ。力んだ時点で自然な受け答えじゃないです。で、これで何が分かるんですか?」
先生  「ほな、帰るわ」
コーチ 「ちょっと先生、待ってください。答え、答え教えてもらわんと」
先生  「ほなまたそのうち」
コーチ 「え? ほんまに帰ってもうた」


(5分後。コーチの携帯電話がなる)

コーチ 「あ、先生から電話や。もしもし、ちょっと先生」
先生  「こんにちは!!!!!」
コーチ 「え?」
先生  「それやで、自然は今の『え?』やで!!」
コーチ 「どういうことですか。先生はいったい何の話をしてるんですか!!」
先生  「電話代もったいないからもう一回行くわ。家の前おるし」
コーチ 「はよ、来てください」

(先生、戻ってくる)

先生  「昨日の8回9回の話やわ」
コーチ 「野球の話なんですね」
先生  「せや、オレは野球の話か、面白いと思った話しかせん。あと、酒を飲んだら少し下ネタも言う」
コーチ 「そんなこと、今、正直に言わなくていいです」
先生  「阪神の矢野がな」
コーチ 「はい」
先生  「ここ一番の時に、分かりやすくインコースの高目に中腰で構えてたやろ?」
コーチ 「あれ、ちょこちょこやりますよね」
先生  「少年野球のキャッチャーとかああいう風に指導したりもするやん」
コーチ 「そうですね。ピッチャーがストライク投げること自体が難しいですから。できるだけ分かりやすく構えよう、みたいな感じで」
先生  「せやけど、久保田と球児は当然少年野球のレベルやない」
コーチ 「そらそうですよね(笑)日本を代表するクローザーですもん」
先生  「矢野はある面で少年かも知れんけど、捕手の技術は当然一流なわけや」
コーチ 「確かに、ある面では少年ですね(笑)でも、一流の捕手です」
先生  「で、相手の打者も久保田の時は谷。球児の時はヨシノブ、小笠原、二岡。そうそうたる顔ぶれや」
コーチ 「はい」
先生  「その時に、なんであんなに早くから構えて『次インハイのまっすぐ行きますよ』ということを、相手のバッターに知らせるのかについて考えてたんや」
コーチ 「なるほど。それはとても興味があります」
先生  「さっき『こんにちは!!!』って大声で言うたやろ」
コーチ 「はい」
先生  「『いくでー、いくでー、来たー』って感じやなかった?」
コーチ 「そうですね。先に『大声でこんにちは、って言うでって宣言されてるから、先生がこっちに一歩ずつ近づいてきている時からなんか身構えてしまいましたね。あ、そうか・・・」
先生  「何か気づいた?」
コーチ 「先生、さすがですねぇ」
先生  「でも、酒飲んだら下ネタ言うで。少しやけど」
コーチ 「恥ずかしがらんでいいですよ。あぁ、なるほどようできてますわ」
先生  「やろ」
コーチ 「一回目の時、ぼく先生の顔面が近くにあってそこから挨拶されることに、向き合えなかったんですよ。恥ずかしくて逃げてしまった」
先生  「うん」
コーチ 「で、二回目はそれじゃあかん、自然やない、って思って、恥ずかしがらんとこうとする余り、かたくなってしもうたんですよね」
先生  「うん、うん」
コーチ 「ほんで三回目は、もうよう分からんしとにかく思いっきりいこうって思って、思いっきりいったけどうまくいかなかった」

先生  「これで空振り三振やろ」
コーチ 「理にかなってると思います」
先生  「『いくでー!』『はい、来たー!』って感じは、さっきのこんにちはで言うと『ふつうのこんにちは』やったらもちろん逆効果で、コーチは難なく対応してくると思うねん」
コーチ 「はい」
先生  「やけど、顔面の間近で、さらに大声ってなると様相は一変する」
コーチ 「久保田や球児のインハイの速球ってことですよね」
先生  「『いくでー』が物凄い効果的なわけや」
コーチ 「昨日で言うと、久保田から谷が打ち上げたフライは『かたくなってしまった』ですよね」
先生  「せや、プラス久保田の球の力」
コーチ 「で、球児対ヨシノブの三振、球児対小笠原のキャッチャーフライは『思いっきりいこうとしすぎてしまった』」
先生  「プラス、球の力」
コーチ 「なるほどなぁ」
先生  「で、最後に電話して、コーチ『え?』ってなったやろ」
コーチ 「はい」
先生  「あれがほんまは一番自然やと思うねん」
コーチ 「ですねぇ。予期してませんでしたから」
先生  「予期してなかったけど、それがあることは知ってたから瞬時に心のどこかがそれに対応してるやろ?」
コーチ 「ですね。その大声の挨拶と調和を図れる場所に心を落ち着かせようとしてたような気はします」
先生  「巨人のバッターほとんど超一流なわけでそれが怖いんやでな」
コーチ 「『え?』って反応して自然と出したバットに当たった。飛んでいった、みたいな感じですよね?」
先生  「せやせや。それが怖いんやけど、『次インハイですよ』って中腰で構えた時点で」
コーチ 「絶対にバッター身構えてしまいますもんね」
先生  「以上、矢野の中腰は、けっこう理にかなっているんやないかという考察でした」
コーチ 「うん、凄いですよ先生」
先生  「そんなことあらへん。たまに下ネタも言うで」


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posted by コーチ at 14:49| Comment(3) | TrackBack(0) | □ 矢野 輝弘 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月08日

笑顔の奪首

大激戦明けの天王山第二戦。

前夜とは打って変わって緊迫した投手戦。その投手戦を呼んだキーワードは「混乱」だった。

ジャイアンツの先発投手は、久保か福田だろうというところで久保。ある程度予想された中での久保だった。対してタイガースの先発投手は、安藤。予想された下柳先輩用のオーダーを組んできたジャイアンツ。まず一つ目の混乱が、全く準備をしてない中での「対安藤」であったと思う。

なんとなく落ち着かないムードの中、プレイボール。

逆転首位への狼煙が鳥谷の初球ホームランで上げられる。
いつものように足を上げてタイミングを取る鳥谷。
「あ、早い」少しタイミングがズレたと反応する鳥谷。瞬時にもう一度足を上げ直す。

ジャイアンツバッテリーとしては確かに不用意な入り方だったかも知れない。甘く入ったカットボールだった。
しかし、細胞レベルで反応した鳥谷の見事なホームラン。

そうだ難しく考えることは何もない。やってきたことを信じて、それに反応するだけ。

初回からタイガースに「いける」というムードが充満する。しかし、ここに落とし穴があることにこの時点では気づくことができない。

動揺を隠せない久保は明らかに制球を乱していた。

2アウトからアニキが一塁線を破る二塁打で続き、「もう一点取れば一気にノックアウトだ」という場面で桜井。
決め球のフォークボールが素晴らしかった。桜井、これを空振りで三振。あれだけ不安定だった立ち上がり、いきなり訪れた「ここ一番」の場面。最高のフォークボールを投げることに成功した久保。あそこでずるずる行かないのがジャイアンツがここまで踏ん張ってきた強さなのだろうと再確認する。


ジャイアンツの「混乱」は、「先発が安藤」というだけではなかった。「安藤のフォークボール」。小笠原や谷はほとんど対戦がなかっただろうし、今シーズンは全ての選手が初対戦となる安藤。ナゴヤドームで延長を戦い、その翌日大激戦。明日はおそらく下柳というところで、安藤に対する準備をする余裕はなかっただろうと思う。

イメージで判断するしかない中で、イメージの中には出てこない「フォークボール」。そしてそのフォークボールをガンガン投げさせる矢野。前日強烈な打球をいとも簡単に飛ばし続けたジャイアンツ打線はこの二重の混乱に苦しめられた。さらに輪をかけて序盤から、厳しくインコースを攻める安藤と矢野。

何度か左打者のいい当たりが葛城のところへ飛んだ。二重の混乱、インコースのストレートの残像による僅かな躊躇、それがいい打球をヒットコースへ飛ばさなかった要因だと感じた。

しかし、タイガースにも予期せぬ混乱が訪れるのだった。
それは久保の急激な復調。
1回、2回の久保は「非常に悪い」という位置づけで判断されるような内容だった。桜井へのフォークボールは良かったが、葛城へのデッドボールや、追い込んでから矢野に投じた抜けたスライダー。あってはならないボールを随所に投げていた。しかし、2回表2アウト2塁3塁で鳥谷という場面。鳥谷が高目のストレートを打ち上げてしまう。この当たりから久保が自信を取り戻したように見えた。

「非常に悪い」から「かなり良い」への急激な変化。

一度「非常に悪い」でインプットしてしまったものを、「かなり良い」へ変更することは容易ではない。感覚に対して意図を働かせる必要があり、それはたとえば「面白くないけど、必要だから作った笑顔」のような不自然さを体内の中へ産み出させる。「作り笑い」のまま打撃を繰り返したタイガース打線。3回から6回までの4イニング。一人のランナーを出すこともできなかった。

タイミングを取り直して反応で打った初球ホームランが大爆笑だとすれば、大爆笑できるはずだったのに作り笑いを強いられる状況に追い込まれてしまったわけで、それは本当に、なんとも表現しがたい「やるせなさ」を産む久保の投球だった。

それに対して、安藤も疾走する。
5回までパーフェクトピッチング。ジャイアンツの混乱は続いていた。

5回表、久保対鳥谷。カウント0−3から打ちにいってほぼピッチャーの真上に打ち上げるサードフライ。
5回裏、安藤対小笠原。カウント0−2から打ちにいって、サードファールフライ。

非常に似た内容で両投手が投げ合っていく。
打者から見てともに「とらえた」と思うボールが内野フライになる。
球児のボールだと、それが空振りかファールになる。
しかし、久保や安藤のボールは一球でアウトになるような強すぎず
弱すぎないボール。ゲームは小康状態のまま6回裏を迎えていた。

問題は、ノーヒットのままでも安藤を降板させるかどうかだった。
いくら混乱を招いているとはいえ、これだけのジャイアンツ打線相手にパーフェクトやノーヒットノーランなど奇跡に近い。故障明けの安藤、完封もまた相当にしんどいだろう。しかも球場が球場なわけだ。必ずどこかでヒットは打たれ、ピンチは招くだろう。リードは一点。ジェフがいない。どこでノーヒットのままで代えるのはそれはそれで何か不穏な空気を招きかねない。だけど最長でも7イニングで代えて、久保田から球児へ繋ぐほうが勝利の可能性は高まるはずだ。

6回裏。スンヨプからだった。正直スンヨプにヒット打たれてホリンズをダブルプレーが理想だとか、そんなことを考えていた。

スンヨプに初ヒットを打たれた。だけど、ホームランだった。
同点。同点になったが、不思議とヒットを打たれたことに安堵した。これで勝てる、漠然とそんな気持ちになった。

そしてホームランを打たれた後の、ホリンズ、久保、谷をしっかりおさえ込む安藤。昨日の久保田もそうだった。打たれた後に踏ん張れる。安藤、ナイスピッチング!!
同点に追いつかれて、そのまま自然に流れをタイガースに呼び込んだ。逆流しているようでいて自然な流れ。


7回表。

真面目に頑張る人が活躍する。
野球の神様は東京ドームで一泊したのかな。

昨夜の桧山と同じようにフォークボールだった。
葛城育郎。
快進撃の船出となったナゴヤでの三連勝。当時は厳しい立場の中、代打で出ては四球を選び勝利へ貢献した。
浜中の復活劇では、代打の代打で引っ込む役だった。

葛城がホームランを打った。

桧山と同じ打ち方だった。何がどうしてそうなるのか分からないものがきっと体を反応させた。月並みだけど、一生懸命頑張ってたらきっといいことがある。それを信じて頑張るだけ。
ずっといい顔で野球をしている葛城に勝利の女神が微笑んだ。

一塁を回ったところ。強く拳を握りガッツポーズで女神に微笑み返す葛城。


その後、小笠原や矢野に攻守があって、西村豊田でジャイアンツは追加点を与えない。

タイガースはジェフ不在のため、江草と渡辺で7回を問題なく凌ぎ、久保田が前日のモヤモヤを吹き飛ばす。「分かってるけど打てないインハイのストレート」で谷を打ち取った。

9回は先頭の矢野が球児の唯一といっていい、「高めに投げようとした球が低くいってしまい通常よりも球威のないまっすぐになる」というコントロールミスを逃さずツーベース。しかし、ノーアウト二塁で高橋、小笠原、二岡と続く一点差の局面をピンチと感じない。今日の球児はまっすぐがとても良かった。

「混乱」が渦舞いた第二戦。
最後は分かっていても打てないストレートを投げる男がマウンドに君臨し、そしてタイガースは、とうとう首位に立った。

もちろん、まだ終わったわけではない。
しかし、逆転してしまった。12ゲーム差。

さぁあと一つ、一気に行ってしまおう。
今年は金本イヤーなんだ。
アニキを胴上げするために、まだまだ感謝したりないじゃないか。

ゲームセットの後、アニキは球児に満面の笑みで近づいて、球児もそれに笑い返す。葛城のホームランの後、本当に嬉しそうな顔をしていた赤星の姿が印象的だった。

勝っているから、そうなのではない。
そうだから勝てるのだと思う。

笑顔の中での首位奪取。
6回までの「作り笑い」はそこにはなかった。
呪縛を説いたのは葛城。
葛城は大ピンチの場面でも自然に笑える人なんだ。


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posted by コーチ at 23:34| Comment(2) | TrackBack(3) | □ 葛城 育郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

天王山

あぁ、そうだった。
今日は、そうだ。今日はそうだよ。


ゲーム差1.5で迎えた「天王山」
タイガース、ジャイアンツともに今日の試合をするために一年間やってきたのだと感じた。
一年間繰り返し積み重ねた鍛錬をフルスロットルでぶつけあう激しい応酬に、
ぼくはゲームの終盤、ずっと涙が止まらなかった。
そうだ、これが「野球」なんだ。

7連勝でこの日を迎えたタイガースは今、確かに強い。
登場する全ての打者が迷いなくバットを振ることができ、
走者である時の全ての野手は、迷いなくスタートを切り次の塁を狙う。
さらに全ての投手が思い切り腕を振り投げ込む。
とてつもなくシンプルだがしかし、これこそ最も強い。
選手を信じるベンチが信じた選手は、ベンチを信じ、そして己を信じる。
その鍛錬を、ずっとやってきたのだ。

対してジャイアンツ。
これがもしも意図的に行われているのだとしたら原野球は、凄まじい。
岡田野球とはまた異なる新しい野球だ。
上位争いが混沌としてきてから特に、原采配はその細かさが際立っていた。
阿部でも二岡でもイスンヨプでも「送らせるところは送らせる」。
その『超スモールベースボール』ぶりに、選手たちは戸惑っているのではないか、
外野のぼくは勝手にそう思っていた。
しかし、それは間違いだった。

ジャイアンツにおける鍛錬は(意図的であったとしてもそうでなくても)その「策」の中で「己」を保つことを繰り返したこと。
打席の中でエンドランが出てもしっかり振れる鍛錬であり、
「初球待て」のサインが出て、その球がとても甘い球だったとしても、次の球をしっかり振っていける鍛錬。
その鍛錬を積んだ結果「打つだけ」の場面を非常にラクに感じることができる。

タイガースは今までしなかった送りバントをすることによって、戦闘スーツを脱いだ。
戦闘スーツを脱いだジャイアンツは、今までしていた送りバントをする必要がないほどホームランを打った。
鍛錬のスーツを脱いで身軽になった両者は、想像を絶する次元での勝負を展開する。

両者の強さを比較すると、
タイガースが、「大きな天災が起きた時に家族を守る父親的強さ」であるのに対し、
ジャイアンツは、「兜町を渡り歩く豪腕ビジネスマン的強さ」。

その異業種の強さが真正面からぶつかりあった時、その試合は漫画でも描けないような試合になった。
しかし、敢えて漫画でと言うならば、タイガースの強さは「クッキングパパ的強さ」であって、
ジャイアンツのそれは「島耕作的強さ」だ。

その異種格闘技戦は、「強さ」が真正面からぶつかりあうことで激しく火花を散らし、そして東京ドームを燃やした。



ボギーの調子は良くもなかったが悪くもない、ボギーの力が出ている投球だった。
だからボギーが悪かったのではない、だけど配球が悪かったからでもない。
打たれた理由は一つ。
ジャイアンツ打線が凄まじかったから。それともう一つ。
昨日、ジャイアンツの対戦相手は、川上憲伸だった。

前日ナゴヤドームでの中日−巨人の第三戦。中日の先発は川上憲伸だった。
何度も何度も見てきた、川上憲伸の気合いの入った時に出る、精神と肉体ががっちり噛み合った凄まじい投球。
昨日ナゴヤはその日を迎えていた。
ストレートもカットボールもビシビシコーナーに投げ分けられる。
ジャイアンツ打線はその川上と対峙していたのだ。

ボギーもまたタイプ的には似た投手。ストレートのキレと、カットボールが生命線。
120%の川上と比べると、制球の面では遥かに劣る。

1番谷、2番脇谷を打ち取って、3番の高橋由伸を迎える。

カットボールが甘く入った。2アウトランナーなし。
スモールベースボールが一時的に解除された「打つだけ」の場面。
真ん中のカットボールに、鎧を脱いだヨシノブは軽々と反応した。

ライトスタンドへ、美しいアーチ。
ジャイアンツ低迷期、オリンピックであんなにも輝いたヨシノブが、
ジャイアンツのユニフォームを着たとたん全く輝かなかった。
そのヨシノブが今、あんなにも充実した表情で野球をしている。

ヨシノブの表情にこの一点の重みを感じた。
そしてそれ以降、「川上憲伸という物差しで、ボギーが『それ以下』と見られてしまう」
そんなイヤな予感もあった。

この試合に限って言えば、スンヨプとホリンズは少し古い言葉で言えば「現役バリバリのメジャーリーガー」という雰囲気が漂っていた。
スンヨプはオルティス。ホリンズはジーター。
それが6番と8番にいて、とにかくむっちゃ優勝したいとヨシノブ、阿部、二岡、
それをパ・リーグ出身の猛者、谷と小笠原でがっちり固める構成。
序盤に被本塁打4。4失点。ボギーはよく耐えたとも思う。


対してタイガースは初回、鳥谷が四球で出塁。
「送りバントかな?」と思った場面で、岡田監督奇襲の初球エンドラン。
制球の定まらないパウエルが外に投じた速球がウエスト気味のコースにいき、
それを赤星ダイビングしながらカット。
「エンドランの時のボール球はこうやって打つんだ」
もう、赤星憲広という野球選手の野球経験の全てをぶつけて反応したカットに見えた。

監督としてはジャイアンツに「え?」と思わせて主導権を握りたい。
スモールベースボールが後手に回っているように感じるようなそういう「先手」だと思う。
フォアボールを出した初球。ストレートでストライクをとってくる可能性が高い。
確かに阿部のサインは外のストライクゾーンよりのまっすぐだったはずだ。
それでもストライクが取れなかったパウエルの不調がラッキーを招くかというところを、
赤星が防いだ。赤星は球界屈指の二番打者にいつの間にかなっていた。

結局制球が定まらないパウエルを見て、送りバントを選択。きっちり送って1アウト2塁。
そしてシーツが外の優しい球ではなかったが、そのまっすぐをセンターに弾き返す。
『走塁に関する金本談話』以降、みんなでやってきたこと。
ランナーセカンドから、ヒット一本で一点取ろう。
それが当然のように染み付いたセカンドランナー鳥谷は迷わず本塁へ。
クロスプレーにもならず、タイガースあっさり一点先制。

しかし、ここから4回までこのパウエルを打ち崩せない。
そしてその間に、言わずもがなのホームラン、ホームラン。
2回にスンヨプとホリンズ。
4回にもスンヨプにホームランが出て、4回1アウトまで4対1の3点差。
さらに二岡にヒット、戦闘スーツを脱いだホリンズに三塁戦を物凄い速さで抜かれる二塁打で二、三塁。


この夏、甲子園で県立の普通科高校が優勝した。
準々決勝。まだこの時点では「よくぞベスト8まで残った」という佐賀北高校の対戦相手は、
東の横綱帝京高校だった。
誰も勝てるなんて思わなかった。戦力の差は今の巨人と巨人の二軍よりもある。
帝京は勝負どころでクリーンナップの選手にスクイズをしかけて、佐賀北は好守で何度もそれを防いだ。
最終的に試合を決めたのは、佐賀北高校の小さな二番バッターが打ったタイムリーヒットで、
佐賀北が帝京を打って勝った、強者の負けパターン、弱者の勝ちパターンその様々な要素を兼ね備え試合は終焉し、
佐賀北は頂点まで登った。

1アウト2塁3塁でパウエル。もちろん、パウエルは投手なので小笠原やヨシノブやスンヨプがスクイズをやるほどは不自然ではない。
しかし、この打席でのパウエルの気迫。そして、三振して次の谷に任せる。
次の打者の技量を考えれば、「パウエル頑張れ」と思っているだけでもよかった場面だったかも知れない。
ぼくは正直、「スクイズを出してほしい」と思っていた。

ホリンズに物凄い二塁打を打たれた直後、ベンチから久保コーチが出てきて内野手がマウンドに集まった。
印象的だったのは葛城が自然に笑っていたことだった。
「まだいける。今日のパウエルならば打てる」
それまで打っていなかった葛城にそういう確信があるということだろうと感じた。
ここでの1点2点。まだ大丈夫だよ。
チーム全体が非常におおらかに、この天王山を良い意味で楽しめているように思え、とても頼もしく感じた。

その時に「スクイズ」というある種の「必死」は逆に組みやすい。
成功しても1点入って、2アウト3塁で谷。それほどしんどい場面ではない。
それよりも、スクイズをしないでパウエル三振。2アウト2、3塁で谷。
谷と次の脇谷を天秤にかけて、際どいところをついて谷を歩かせ、満塁で脇谷。
その脇谷コツンと当てられて。。。
こっちの方が遥かに怖かった。


カウント2−2だった。
パウエルがジーッと伊原コーチのサインを確認する様に「あるかも」そう思った。
ボギーがセットポジションから投球動作に入る。三塁ランナーの二岡がスタートを切った。
瞬時に矢野がそれに反応し「外せ、ボギー!」立ち上がる。
それに反応したボギーが高目にウエスト。
スクイズ失敗。

この時点3点差。勝てる、そう思った。


5回表。

先頭の関本が四球で出塁する。
1−3からインコースに抜けてきたボールにぶつかろうとすらしていた関本。
「デッドボールでも構わない」強い意思を伴った出塁だった。

0アウト1塁でボギー。内容を見ていれば交代もある場面だったが、続投。
「ふつうにやってふつうに逆転すればええ。だって先発は5回まで投げな」
チームのピッチャーの中でたぶんボギーが一番バントがうまい。
しっかり送って、1アウト2塁。

さぁここからだ。3点ビハインド。
ここで打つために「とにかく振る」という鍛錬を積んできたんだ。
今こそその鍛錬の集大成を見せる時。

さぁ、打て鳥谷! 一二塁間をゴロで強く破る。
さぁ、打て赤星! ショートの頭をライナーで。

瞬く間に一点返してしまった。これが戦闘スーツを脱いだ阪神の強さだ。
さらに1アウト一塁二塁でシーツ。
だけどダブルプレーなんて過ぎらない。振ることだけを考えれる。
そのために今までシーツは「打つ」しかやらなかったのだ。

シーツ、初球を三遊間へ内野安打。
少しでも迷いがあったらあれはサードゴロにもなり、ピッチャーゴロにもなる。
気持ちに曇りがないから、ヒットコースに飛ぶギリギリのタイミングでバットとボールが衝突するのだ。
そう感じた。

1アウト満塁でアニキ。

こんな雰囲気の場面のアニキが打てない姿など想像できなかった。
マウンド上のパウエルも、一番近くにいた阿部もそうだったか。
見たこともない巨大な生物を前に萎縮する人々のように、
パウエルは打席のアニキと正対することすらできなかった。

押し出しの四球で1点差。

ここで原監督が動く。マウンドには西村。
タイガースで言えば「久保田」の位置づけになると思われる西村を5回から。
仕方ない采配といえばそうだが、これもまた後々響く結果となった。

桜井vs西村。
今後、何度も名勝負を演じるだろうこの二人の開幕戦。
1点差ジャイアンツリード、ノーアウト満塁。
初球は、アウトローへ素晴らしいまっすぐ。桜井見送ってカウント1−0。
二球目、ストライクゾーンから鋭く落としたスライダー。桜井が見切って1−1。
三球目、まっすぐ狙いを読んだ阿部がインコースにシュートを要求。詰まらせて内野ゴロを狙う。
しかし、桜井それに反応してなんとかファールで逃げる。カウント2−1。
四球目、西村が追い込んだ場面。アウトローに決めれたはずのストレート。いい球だった。
これに桜井がついていく。ファール。
五球目、四球目のまっすぐの残像を利用した、そこから曲がり落ちるスライダー。
これも桜井がなんとかついていく。
六球目、全ての球種に準備する必要のある桜井。全ての球種で打ち取れなかった西村。
低目のボール球は見切られる。相手が迷ってるならストレート勝負。
阿部のリードは理にかなっていた。
桜井、またファール。
カウントは依然として2ストライク1ボール。西村が有利だったはずだ。
だけども桜井が全ての球をファールしていく様に、西村が追い込まれていった。
追い込まれながら追い込んだ桜井。
もう一度、インコースのシュートで詰まらせようとしてきた西村の手元が始めて狂う。

デッドボール。押し出しで同点。

物凄い野球だ。本当に物凄い野球だった。
『桜井vs西村』の歴史の中で、このシーンは後世まで語り継がれると思う。

さらに満塁で、3点ビハインドの守備時に自然に笑えていた葛城。
一気に逆転したい場面、いいバッターに回ってきた。

ストレートを振りぬいた葛城の打球は、やや詰まりながらも強い打球となってピッチャーを強襲した。
抜けていれば一気に二点。しかし、辛うじて西村が出したグラブにボールが当たり、それがセカンドの脇谷の前に転がる。
脇谷がファーストに送って、間一髪葛城はアウト。
しかし、その時、シーツが本塁に生還し、タイガースは一気に逆転した。

スクイズ失敗の後、一気の逆転。
ふつうなら、これで勝てる。だけどこれで終わらないのが「天王山」だと、後になってぼくは知った。


5回裏

逆転してボギーの投球。谷はうまく打ち取った。
しかし、「だから脇谷を二番に入れているのだろう」その理由がとてもよく分かるしぶといヒットで脇谷に出塁を許す。
ここから続くヨシノブ、小笠原、阿部、スンヨプの超絶の左。
6回と代えていただろう。だけど、まだ5回。
「ふつうに続投でふつうに逆転」した5回表。ならば、ボギー続投でいいと思った。

ホームランを打てるようなボールではなかった。
しかし、それをホームランにする。しかも、連続してランエンドヒットがかかった中だった。
「策」の中で「己」を保つ訓練を積んできた猛者。高橋由伸。
繰り返しランナーがスタートを切る中、会心のスイングで2ランホームラン。

「まさかね」ぼくはテレビの前で。
「まさか、スクイズを失敗して、ここで脇谷を走らせてホームランを打つ野球を原監督は見ているのか」
そんなの見たことない。
ホームランはおまけだとしても、ランナーを走らせてヨシノブが長打を打つ可能性を見ていたことは確かだと思う。
そういう意味での信頼。兜町で凌ぎを削るプロの証券マンたちの二重、三重の策を意気に感じて結果を出すという、
そんな男たちの姿に見えた。

ジャイアンツ、再逆転。

ボギーは降板。

江草。
小笠原、阿部。という非常にしんどいところだった。
さらに、最近試合展開によってあまり登板機会のなかった江草。
二人をしっかり抑える。
この試合で2アウトを続けて取ることがどれほど大変だったかは、試合の終盤を見れば一目瞭然。
江草、渾身の快投だった。ナイスピッチング!!


6回表

タイガースは関本から。関本が出塁する前提でウェイティングサークルに桧山。
しかし、関本が凡退したので、代打、浜中。
「ここはまだ桧山じゃない」
その、将の冴えが、9回に勝負を決めた。
伏線となった「代打浜中」のコール。この時は静かに外野フライ。
鳥谷も倒れて、この回無得点。

スコアは依然として6対5、ジャイアンツ1点リードだった。


6回裏

野球には神様が本当にいるのかもしれない。

一軍に再登録されてから、磐石の内容を見せていたダーウィンをジャイアンツ打線が簡単に打っていく。
先頭のイスンヨプの二遊間の当たりは完全にヒットコースだった。
関本が逆シングルで取って、鳥谷へグラブトス。鳥谷が一塁へ転送してというプレー。
本家の荒木井端でもあれはアウトにはできないコースだった。
しかし、チャレンジしたことに光を見る。体が動いているということ。少なくともこの状況下で萎縮していない。

ノーアウト1塁で二岡。
この日数々の凄い打球があったジャイアンツだが、もしかしたらこの打球が一番速かったかもしれない。
打った瞬間、鳥谷のところへ到達する物凄いショートライナー。捕球しにいった鳥谷がそれを取り損ねる。
しかし、結果的にそれでダブルプレー。
ラッキー以外の何でもない。神様は、何を見てくれたのだろうか。

ランナーがいなくなってホリンズ。
また物凄いゴロが鳥谷の横を抜けていく。人工芝を転がる打球は速く、アッと言う間に左中間へ。
それを見たホリンズ好走塁で二塁まで到達する。

しかし、この好走塁がジャイアンツを難しい状況へ追い込んだ。
西村に打順が回った。ホリンズで終わっていたら、西村続投だっただろう。
しかし、チャンスで西村。
イニングは6回裏。タイガースの攻撃はまだ3イニングある。上原、豊田。1イニング足りない。
もちろん、この試合を勝つことだけを考えれば、7回豊田、あと2イニングを上原だって全然おかしくない。
しかし、あと二十数試合ペナントレースは続いていく。もちろん今日の試合は最も大事だけど、今日で終わるわけではない。
さらに、ここで「西村を打席に送る」ということは、すなわち「チームとして1点リードで逃げ切る」を選択することになる。
ここまで積み重ねてきたものを、意気消沈させてしまうようなことにもなりかねない。
苦渋の決断だっただろう。
西村に代えて、代打清水。

しかしこの清水が打てば、一気に流れはジャイアンツへ傾く。
豊田と上原が控えるジャイアンツ。タイガースに残されたイニングは事実上7回表の1イニング。そこで2点差を追いつかなければならない。

ダーウィン対清水。
ここでダーウィンが一世一代のストレートをインハイに投げ込んだ。
好きなコース、振りに行った清水だったが、ダーウィンの球の力が勝る。
セカンドフライ。

西村交代を余儀なくされたジャイアンツ。ぽっかりあいた7回表のスコアボードに不安を感じただろう。

二岡の当たりをダブルプレー。ホリンズの好走塁。
攻められる点などどこにもない。しかし、西村失わざるを得なかった。
神様はタイガースに勝たせようとしているのだと思った。


7回表

そしてぽっかり空いた7回表、ジャイアンツの投手は山口だった。
育成枠から這い上がってきた勢いで、なんとか凌いでくれという期待値込みの山口だっただろう。

しかしタイガースの打順のめぐりは最高だった。
先頭、赤星。現在の赤星は、「打席での存在感」という面で「金本」に匹敵する。
勝負の前に勝負あり。貫禄の四球で、堂々と一塁に歩く赤星。

ノーアウト1塁でシーツ。
ここは送りバントなし。いいと思った。
もちろん、ここまでヒットを二本打っていたこともあるし、心の持ちどころが定まらない山口に対して、
アウトを一つ与えることはない。仮に三振でも構わない。
「一塁に赤星がいる」という状況下で、「この試合好調のシーツ」と対戦させることを選んだベンチ。
この采配がまたはまる。
結果、シーツは三振。
山口、一呼吸付いたかに思えたが、その後の「金本」という名前がそれを許さない。
必死になって1アウトを増やしたのに何も変わらない雰囲気。それどころが投げるたびに追い込まれていく。
赤星に続いて、このイニング二度目の貫禄四球。
1アウト1塁2塁になった。

1点ビハインド1アウト1塁2塁で桜井。

桜井が併殺打が少ないことに関しては何度か触れてきた。
この場面だって実は併殺を狙うケースなのだ。だけど誰もそのことを感じない。
それは桜井が「打つこと」しか考えていないからだと思う。
「オレが打つ、オレが決める」
6年間辛抱した若き特攻隊長は、それがどんな打球でもヒットにしてしまう力を備えているのかも知れない。
追い込まれてからの変化球だった。
バットの先で拾った打球は、それでもショートの頭を越えて行った。

2塁ランナー赤星。
ここしばらく盗塁を試みていないのは、おそらく純粋に走力が落ちているからだと感じていた。
内野ゴロの時、ファーストに到達する速さが以前よりもない。
それほどに、首の故障は影響があるのだろう。

その赤星、際どいタイミングだった。
迷わず、ゴー!!
レフトからいいボールが返って来る。
クロスプレー。
首に重症を抱える赤星は、そこでも迷わず突っ込んでいった。
「同点にするんやー!!!!!」

赤星と阿部が本塁上で衝突。ボールは、阿部のミットからこぼれ同点。
赤星の気持ちが同点打を呼んだ。しかし、しばらく本塁上で赤星が動かない。
そんなことは、そんなことはあってはならない。
あんなにも強い気持ちでプレーを続けた赤星が戦線を離れていいはずなど、あってはならない。

神様!!ぼくは両手をつよく握った。

赤星が立ち上がる。「大丈夫です」そう言っているように見えた。
神様、ありがとう。そして赤星、ありがとう。

小さな赤い閃光が瞬間的に強烈な光を放った本塁上、同点。


なおも1塁2塁で葛城。ここで代打高橋光信。
そこでピッチャー右の吉武へスイッチ。

みっちゃん、初球から迷わず振りにいく。そうだそうだ。それをみんなでやってきたんだ。
三遊間へ。

満塁で矢野。甲子園最終戦で、何かを掴んでいるように見えた矢野。
この日の凡打も絶不調時のものとは内容が全く異なっていた。

鋭いライナーが、センター前へ。
三塁ランナーのアニキが生還で逆転。そして二塁ランナーの桜井も一気にホームへ。
これをホリンズがストライクの返球で刺す。間一髪のプレー。
アウトがコールされたときの桜井の悔しがる表情も本当に良かった。
そうだ彼らは闘っている。

攻守相譲らない展開で7回表を終わってタイガースが1点リード。
もう誰もが知っている7回からはJFKだ。
リードで7回を迎えれば、タイガースは間違いなく勝つ。
そう信じて疑わなかった。


7回裏。
マウンドには久保田ではなくジェフがいた。
これはおそらく三者凡退で一気に流れを持ってこようという狙いだと感じた。
1番の谷から始まるこの回。最も怖いのは当然3番のヨシノブ。
久保田でもジェフでも1番2番にはタイガースに分がある。
打者が投手を上回るとすれば、3番。ヨシノブのところにジェフを当てたい。

そしてその策は見事にはまり、ジェフはこのイニングを難なく三人で終わらせた。
はっきりと、タイガースに流れが来た瞬間だった。


8回表
この回に1点取れば、ほぼ間違いなく勝てるイニング。
ジャイアンツとすれば1点負けていても豊田を出してくるか、とそう思ったが、
左が続くところで前田を起用してきた。原監督の様々な葛藤が窺える。

先頭いつものように途中から入った藤本。
グシャッとバットを折りながらもセンター前へ、ナイスバッティングだった。

1点取れば勝ち。ここはバントが苦手な鳥谷にもバント。
甲子園ではなかなかうまく決められなかったがここはしっかり送って1アウト2塁。

1アウト2塁で満身創痍の赤星。
ピッチャーゴロに藤本が飛び出す。しかし、ここから藤本が落ち着いていた。
しっかり時間をかけて赤星を2塁まで到達させる。
打った瞬間スタートを切る。野手に取られれば挟まれて時間をかけ、同じ形をもう一度作る。
藤本、この局面にして満点の走塁。

2アウト2塁でシーツ。
助かったと思ったのは、ここで前田を代えてくれたことだった。
前の打席で山口の低目の変化球にまったく対応できなかったように、今左投手の膝元の球は打てない。
逆に、それほど速い球のない右投手のやや甘い球は案外ヒットにする。

代わって出てきたのは、それほど速い球のない、ナックルを投げる三木。
シーツ、三遊間へ。セカンドランナー赤星の首の状態もあったのだろう。ここは無理せず自重。
1アウト1塁3塁。

そしてアニキ。
こういう場面では必ず打つ。こういう場面では必ず打つのがアニキだ。

そして、アニキの打球は強くセンターへ弾き返された。
8−6。8回で2点リード。負けるわけがない最高の展開だった。


8回裏
タイガースの強さは「父親的な強さ」ジャイアンツの強さは「豪腕ビジネスマン的強さ」。
百戦錬磨のビジネスマンたちは、この程度の苦境を苦境と感じなくなるものなのか。

久保田が悪かったわけではない。
打ったほうが凄かった。

スンヨプ、二岡に連続ホームラン。同点。

本当に恐れ入った。何度も思い直す。そうか、これが「天王山」。
違った種類の男同士。
その「強さ」と「強さ」が真正面からぶつかり合う。
摩擦で散った火花は、東京ドームを炎で包んだ。

8−8。振り出し。ただその後を久保田がよく踏ん張った。
久保田、君がMVPだってみんな言ってるよ。
ぼくだってそう思う。


9回表

泣き出しそうな顔でベンチに戻ってきた久保田と交錯し、
グラウンドに出てきたのは真打ち桧山進次郎だった。

神宮の満塁弾で復活ののろしを上げた代打の神様は、この数分後に野球の神様に守られる。

マウンドには上原がいた。
上原対藤川のがっぷり四つの戦いを原監督が選択したのだろう。
そうだと思った。そのままがっぷり四つで延長戦。
豊田と渡辺の勝負だと。

打席に桧山、上原が決めにいった渾身のフォークボールだった。
ここまでスコアは8−8。ジャイアンツはホームラン7本。タイガースはなし。
ストレートにタイミングを合わせていた桧山の体が崩れる。
しかし、苦しいときひたむきに走りこんだ桧山の足腰が崩れを限界でストップさせ、
「とにかく当てる」強い気持ちを持って桧山は、バットから左手を離した。
右手一本を伸ばし、前方で鋭い落下を始めたフォークボールを拾いにいく桧山。

ジャストミート。

この試合を支えてきた、今年の巨人を支えてきた高橋由伸の上空を白球が越えてゆく。

この試合8本目となったホームラン。しかし、タイガースとしは始めてのホームランは、
両軍通じて17点を取り合ったゲームの、最後の得点となった。

三塁キャンバスをゆっくり通過する桧山は吉竹コーチと目が合って、会心の笑みを見せた。


9回裏
こういう試合で球児は打たれない。
球児は絶対に打たれないんだ。

細心の、もう絶対にランナーを許すまいとする矢野のリード。
変化球が多投されたが、それを信じて投げ込む球児。

1アウト。

2アウト目は、古城を高目のまっすぐで空振り三振。
矢野が吠えた。

そして、恐ろしく濃密な東京の夜の終焉は、それに相応しく、
マウンドに背番号22。打席に背番号24。

勝ったのは22だった。


ゲームセット。
何も言うことはない。これが野球。野球を観てきて本当に良かった。
そうだ、これが「天王山」。
こんなにも興奮して、試合を見ながらも、今文章を綴りながらも、どうしてか涙が止まらない。

そんな日が2005年にもあったっけ。
そうだ今日は、9月7日だった。


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posted by コーチ at 08:28| Comment(2) | TrackBack(1) | □ 赤星 憲広 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月06日

赤星に送りバントなし

完璧。あまりにも完璧なサヨナラゲームだった。

岡田采配、ここに来て抜群の斬れ味。
いや、「斬れる」という表現は適切ではないか。
「超自然性采配」。お見事。

長期ロードの最終カード。ナゴヤドームの中日戦と、
続く甲子園での対広島の2戦目まで。
この辺りでチームの歯車ははっきりと狂っていた。

そこから「とにかくしっかり振る」「気持ちを入れて振る」ということをキーワードに、短いスパンでの立て直しを図っていく中で連勝に入る。

今日のゲームを見る限り、その「振って、振って」という鍛錬の時期はもう過ぎた様子。相手は番長。素晴らしい内容だった。
チャンスは作るも一点が取れないという展開だったが、チャンスを作れていた時点で100点満点。「散発3安打完封負け。今日はしゃあない。明日から切り替えていこ」そんなゲームになる可能性が十分にあった番長の投球内容だった。チャンスを作れていたのがタイガースの強さで、それでも得点を与えなかったことが番長の凄さ。

守備でもシーツの大ファインプレーもあって得点を与えない。今日は普通のデキだった杉山を今回は矢野が見事に導いていたと感じた。連敗したことによってクライマックスシリーズ進出へ最後の小さな灯りが消えてしまったことにより少しの気落ちがあってのであろう今ひとつ元気のないベイスターズ打線だったとしても、番長相手に一点もやれない中で無失点に切り抜けていった内容は杉山も矢野も素晴らしかった。

そして岡田彰布ショーは、6回から。

両軍無得点で迎えた6回裏タイガースの攻撃。先頭の桜井が倒れて、葛城が詰まりながらもライト前に落として出塁する。インコースよりの厳しいストレートだったけど、葛城がそれをしっかり振っていける。チーム全体でやってきたことが確実に実を結んできていると感じた。1アウト1塁で矢野。岡田監督、ここで2アウト覚悟の送りバント。

いよいよトップギアだ。仮に1点を取れなくてもここで「打つ」を選択する時が鍛錬の時期。矢野も前の打席でライト前にいいヒットが出ていた。もう、矢野に鍛錬を積ませる必要もない。ここで送っても次の打席、次の試合でしっかり振ることができるという準備。それが整った上での「2アウト覚悟の送りバント」。もし、矢野がこの試合も全く打てない素振りの凡打を繰り返していれば、ここはバントではなかったような気もした。広島戦の時のようにエンドランかけたり。もしかしたら純粋に「ヒッティング」だったかも。だけど送りバントをしたかった場面。矢野が二打席目までにヒットを打てていたことが、チームがいい流れになっているということを象徴しているようにも感じた。

非常に「自然」な中での送りバント。成功して2アウト2塁。
打順はここまで番長に完全に封じ込められていた関本。
岡田監督は動く。代打、高橋光信。そして続く杉山の打順にも代打を出すべく、早々とウエイティングサークルには桧山がスタンバイしていた。

タイガースには言わずもがなの久保田、ウィリアムス、球児がいて、6回裏は8回裏として機能する。ただ岡田さんはよっぽどのことがない限り6回を8回にすることを嫌ってきた。「6回は6回よ」。おそらくは、そこで小さく一点を取りに行くことが少しずつ後ろの三人に負担をかけていくことを懸念してのことと、ゲームの中盤で「打つ」というしっかりしたメンタリティがない者に「ここぞ」という場面で「オレが打つ」が備わらないということを見越してのことだと感じる。

しかしシーズンも終盤、そうやって一年間鍛錬してきたことを堂々と表現する季節がやってきて、岡田監督は2アウト覚悟のバントを選択し、関本に代打を送った。
「矢野も関本ももう大丈夫。ここは、『高橋光信』『桧山進次郎』という響きで甲子園とともに一点を取りに行く」そういう作戦に思えた。

2アウト2塁。1塁が空いている場面で、高橋か桧山そのどちらと勝負するか。ベイスターズバッテリーが選んだ相手は高橋光信。

番長vsみっちゃん。

名勝負だった。
「どうしてそんなコースに連続して投げることができるのだ?」というコースに全ての球種を投げ分ける番長。それに必死にくらいついていくみっちゃん。気持ちのビンビン伝わる至極のファールが何球も飛んだ。最後は番長が有する最高のウイニングショット、アウトコース低目からビシッ射抜くストレート、の軌道からストンと落としたフォークボール。
みっちゃんが天を仰ぐ。

しかしながら、名勝負。番長の意地とみっちゃんの執念。それが真っ向からぶつかったこれぞプロ野球という対決だった。

なのだけど、問題は打順が9番まで回らなかったことで、杉山の投球数はそれまで70球を切っていた。ただ、6回裏の攻撃で仮にみっちゃん敬遠で桧山と勝負という場面であれば当然交代だったわけだ。「打席がまわるまでもう1イニング」ここで失点するケースが非常に多いのはやはり投手として一度切れそうになった気持ちをもう一度つなぎ合わせる必要があるからだと思う。だからと言って「攻撃はまったく見ない。オレは投げるだけに専念する」という投手は「チーム」という観点から見れば違和感がある。攻撃にも一喜一憂してそれを踏まえて、頑張って投球しているところに守っている選手たちが共鳴し「点取るぞー!」ってなるのが理想だと思う。そして杉山は、そういう投手だ。

7回のマウンドには久保田がいた。最初から決めていたのだと思う。「9番まで回っても回らなくても7回は久保田」。久保田も準備しやすいし、杉山も不必要にいろんなことを考えずにすむ。ベンチが失点する可能性をできうる限り小さくしているように見えた。
そして、まったく危なげなく久保田が7回を乗り切る。

7回裏は鳥谷が出塁するも番長に抑えられ、8回表久保田がランナーを許すも得点を与えない。

8回裏。
投手代わってマッドホワイト。
先頭のアニキがさすがの出塁。併殺打のきわめて少ない桜井のところでバントなし。

桜井は少し調子が落ちてきたところで番長に完璧にやられてしまった。番長としても連続イニング無失点が途切れた試合で打ち込まれた桜井を是が非でも抑えたかったのだろう。絶対に打たれないコースにばかり投げていた。投手がマッドホワイトに代わって圧倒的に打ちやすくなった場面で期待したが、一度大きく狂わされてしまった感覚はなかなか戻らない。さぁ、桜井。踏ん張りどころ。

桜井三振で1アウト1塁。ここで葛城にはバント。2アウト覚悟で送る。これを相川が悪送球。ベースカバーに入った藤田の足が離れてセカンドセーフ。岡田監督、ここも迷わず送りバントだった。

1アウト1塁2塁で矢野。いよいよ矢野がヒーローになる日が来たか、と思ったが矢野ライトフライ。しかし、これまでの「まったくダメです」という打席の姿はそこにはなかった。右を向いてしっかり振れている。バットが少し下から出たぶん、こすってライトフライだったが右中間を抜く矢野の最もいい打球が出るまでもう少しという飛球。いいぞいいぞ。

セカンドランナーのアニキがタッチアップで2アウト1塁3塁。

打順は、ピッチャーの久保田。代打はもちろん浜ちゃん。
「もちろん、浜ちゃん」だからチームのバランスを考えれば浜中でいいと思うのだけど、ベンチでの佇まいなどを見ていると、得点を取るだけならば狩野か野口の方が一点取れる可能性は高かったと思う。浜ちゃんちょっと緩みすぎている場面をよく見る。ここでいい当たりのレフトフライか詰まってもレフト前にヒットが打てるかってそういう部分だと感じる。

それでもチームのバランスを最も意識するのが岡田監督だ。もちろん浜ちゃんが全く打てないというわけではない。狩野や野口の方が打つ確率が高くとも浜ちゃんが打つのが一番いい、だから浜ちゃん。

林クン離脱前に桜井が6番だった頃、2アウト、ランナー1塁に桜井という場面がよくあった。打席に矢野もしくは関本。テレビの解説などでは盛んに「なぜ桜井を走らせない」という意見が飛び交っていた。ぼくは走らせなくていいと思った。三球のストライクの中でしっかりと矢野と関本が振って打とうとすること。これが、先々に必ず繋がる。そう信じての「無策」なのだと感じた。2アウト1塁で打席に矢野で最高は矢野のホームランで2点入ることだ。その次が外野の間を破って、桜井が一気にホームまで帰ってくること。それに向かおうとチャレンジすることこそ、ここ一番でのチームを強くする。

8回裏、2アウトランナー1塁3塁。投手は左。この場面での代打は浜ちゃんしかいない。なぜなら浜ちゃんが打つことが一番いいことだから。狩野が出てボテボテの三塁ゴロが内野安打で一点入ったりする、その可能性だって十分にある。狩野はベンチでものすごくそういう雰囲気を出している。だけども、浜ちゃんが打つ場面なのだ。それが「自然性采配」の妙。

桜井を走らせないことと、ここでの代打浜中は全く同じ意味あいなのだと感じた。

9回表。両軍無得点は続いていた。
ここで岡田監督はマウンドにウィリアムスではなく球児を送った。
理由はまたとても分かりやすい。8回裏のチャンスで浜ちゃんという場面で「1点入れば球児、入らなければジェフ」という二人の微妙な準備のしずらさを先に無くしてしまおうということだと思う。チャンスになった時点で、「次は球児」。1点入れば9回裏は当然球児。だから「1点入りそうになったら、球児」。分かりやすい。

前日、佐伯の大飛球に少し動揺した感のあった球児だったが今日は万全。村田を三振に取ったストレートは速かったなぁ。


そして9回裏を迎える。
岡田彰布ショーのフィナーレ。

先頭の藤本が三遊間を強く抜いていくレフト前ヒット。ナイスバッティング。続く鳥谷は当然バント。あまりバントがうまくない鳥谷、キャッチャーの前に高いバウンドになるバント。タイミングはアウトのコースだったが、ランナーの藤本がよく分からないくらい速くスタートを切っていた。この間の狩野といい、ここ一番の好スタート素晴らしい。当然、間に合うものと思ってセカンドに送球しようとした相川。しかし、ことのほか藤本が速かったゆえ焦ったのだろう、ボールをうまく握れないままセカンドへ、力ない送球がバウンドしてセカンドへ到達する。オールセーフ。

ノーアウト1塁2塁で赤星。
この試合でも2度、2アウト覚悟で送りバントをしにいっている岡田監督。1点取ればサヨナラの場面。打者は赤星。誰もがバントだと思った場面で、バントなし。

岡田監督しか取れない策だと思った。すごい。
もちろん、アウトになってもゴロを打てば併殺もなく1アウト1塁3塁という形を作れる可能性は高い。ただ、そういうことではないと思った。岡田監督はあの場面で赤星のフォアボールを読んだのだと感じた。次のシーツは「三振」の可能性も十分あるバッター。1アウト2塁3塁でシーツ、金本よりも、ノーアウト満塁でシーツ、金本、桜井の方が得点できる可能性は遥かに上がる。

やや浮き足立っているマウンドのマッドホワイト。そしてエラーをした相川。チャンスでの赤星のストライクゾーンを見極める能力と集中力。もちろん甘い球が来たら一気にサヨナラヒットもある。アウトを一つ与えることはない。

そして、
赤星に対してストライクが入らなかった。
フォアボールで満塁。

岡田采配、恐るべし。


ここ最近のシーツは、とにかく初球を打ち続けていた。赤星がランナーにいても「いいからアンディ、振るんだアンディ。盗塁のことは気にしなくていい」そういった指示が徹底されているように見えた。それはなぜか?

こういう場面でしっかり振れるようにするためだ。

そして、アンディは追い込まれてもしっかり振りぬいた。
レフト前へのサヨナラヒット。

最高の、あまりにも最高の形で東京ドームへ。
ベンチとグラウンド、まさに一体。


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posted by コーチ at 22:49| Comment(9) | TrackBack(1) | □監督 岡田 彰布 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月05日

上園、絶対勝ち星つけてやるからな

同点で迎えた5回裏。
1アウトでの野口の打席、素晴らしかったなぁ。

「上園、絶対勝ち星つけてやるからな」

そんな気持ちが表情に満ち溢れてた。
そしてバットの先だったけど、センター前へ。

関本が送って、代打。
野口の中でシナリオができてた気がする。
そのシナリオに従って采配を振るう岡田監督。
選手が強いエネルギーを発するとき、それを汲み取って自然に動かすことに関して岡田監督は超一流。

「あそこは、バントでミツやろ」

というコメントがあるとすれば、
その後に続く言葉は、

「野口の背中がそう言ってたから」


上園のフォークボールを体で止めに行く姿、
ファンブルした時の反応の良さ。
キャッチャーフライを追う姿も、
アニキの好返球、タイミングはきわどかったが、掬い上げて瞬時にタッチ。同時にブロック。大ファインプレーだった。

三点目のレフト前ヒットも、もちろん素晴らしい。

今日のヒーローインタビューが少し歪だったのは、
鳥谷がドライだからでも、
みっちゃんが先日大感動のインタビューがあって二度目だったからでもない。

ヒーローが別にいたからだ。

野口寿浩。
上園に勝ち星までつけて、六連勝目を決めて見せた。

大ヒーローは5回の打席で燃えていた。
「上園、絶対勝ち星つけてやるからな」

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posted by コーチ at 21:36| Comment(0) | TrackBack(2) | □ 野口 寿浩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

エラーの試合の打撃陣

昨日の鳥谷は本当に良かった。
ベイスターズの守乱を誘発した原因は、鳥谷の一打席にあったとも思う。

2ストライクから変化球のタイミングで待って、ストレートをファールにする。それを何度か繰り返して、最終的に驚くほどポイントを後ろにしてストレートをヒットにした。結果は「センター前にポトリと落ちる、詰まったヒット」だったけども、寺原に与えたダメージはホームラン以上のものがあったのではないかと感じた。あんな打ち方されたらどうやってアウトにしていいか分からない。

で、動揺した寺原が赤星のバント処理を暴投した時点で結果的にゲームは決まった感があった。

こういうなぜか点が入っていく試合というのは、逆に攻撃しずらい面もあったと思うが、タイガース打線はよく辛抱して攻撃を続けたと思う。

カウント1−2など、バッティングカウントで見せる赤星のフルスイング。赤星は昨日ノーヒットだったけど、随所に素晴らしい姿勢が見えた。山口俊の剛球に対して真っ向から振りにいって振り負けてアウトになった赤星が本当に素晴らしかった。あんな凄い球投げるピッチャーそうそういないわけで、145キロの速球だったらライト戦に飛ぶ振り方だった。

関本の一打席目。2回、先頭打者。初球のまっすぐを打ったライトライナーも印象的だった。非常に躍動感溢れる打撃。6回も先頭打者。同じように初球を打ちにいってライト前、ダメ押しの2点のきっかけとなった。

矢野が復調してくればまた話は変わってくるが、矢野がこの状態が続くようなら4番と5番の出塁率が高いであろうことも考慮して、7番で切れる可能性が非常に高い。先頭の関本が出塁。9番で送って、鳥谷赤星と回していく。このリズムが作れれば非常に強い。逆に関本がなかなか出塁できなければ、8番9番はあっさりアウト、2アウトランナーなしの鳥谷赤星。もし二人が塁に出ても2アウトのチャンスでシーツはやはり苦しい。アニキから始まるイニングを増やしてしまうことにもなり、それに繋がっていく8番関本が出塁できるかできないかは非常に重要であると思う。

その時に、昨日みたいなバッティングをしてくれていればとても心強い。だけど、そろそろ矢野さんが打ちそうな気もするのだけど。昨日、何気ない場面で優しい顔してたし。

シーツは本当にストレートしか打ちにいかないけど、何かが吹っ切れたのかもしれない。オリャって振りに行ってるから、先っちょに当たってセンター前に落ちるんだろうし。で、ちょっとストレートが甘く入ってきたら会心のセンターフライを放つ(笑)。あれも球場が東京ドームや神宮や広島だったらホームランかもしれないし、4打席のうち1回は甘いストレートが来るだろう、という割り切りは良い結果は生むような気がする。で、たまにスライダーを先っちょに引っ掛けてポトリ、で打率二割八分。現実的。

アニキはシフトの逆を突いたレフト前ヒットが素晴らしかった。ああいうシフトって、「そこに飛ぶ確率が高い」というのと、「それを意識させることによって、メンタルのバランスを崩そう」という意図だと思うけど、アニキはその次元にない。外の難しい球だから→ふつうに流す→結果的にシフトの裏をついたことになった、みたいな。さすがの達観を感じたヒットだった。

葛城は5回の2アウトランナーなしから選んだ四球。そのイニングは2アウトランナー1塁で矢野なので、やはり現状では得点しづらいけど(結果、三振)。次のイニングで、関本から始まって二点入るという、こういう四球こそスペンサーが最も貢献していた種類の仕事。
ナイス葛城。

そして桜井。
桜井が併殺打を打たないことについては、何度か触れてきたけど(まだ一つだけ)、本当に彼はダブルプレーを怖がらない。だから見ているほうもダブルプレーがあるかも?っていう気にならないのだと思う。
昨日は、3回の第2打席。先頭のシーツが倒れて、アニキがレフト前で出塁。1アウト1塁。ランナー金本という作戦ととしては「打つ」しかない場面。相手チームとしても作戦に関してはまったく警戒を必要としない「純粋にダブルプレーを狙いにいきます」という場面の桜井。とにかく振って振って、際どい球は見送って、ファールにして最終的に少しスライダーが中に入ってきたのをレフト前ヒット。お見事の一言だった。

ああいった相手チームにエラー続出で、なかなか難しかった試合。それぞれがきっちり打っていたなぁという印象だった。

繰り返していれば、きっと大丈夫。
あと30分ほどで試合開始かぁ。
楽しみ、楽しみ。


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posted by コーチ at 17:28| Comment(0) | TrackBack(0) | □ 関本 健太郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

能見はもっと「あいこでしょ」

先生  「あいこでしょ!あいこでしょ!aikoでしょ!」
コーチ 「三つ目ちょっと変ですよ」
先生  「あいこでしょ!あいこでしょ!愛甲でしょ!」
コーチ 「もういいです」

先生  「ちゃうねや、コーチ」
コーチ 「何も違うことなんてありません」
先生  「能見のピッチングのことや」
コーチ 「能見?」
先生  「コーチがこの間しとった話やで。高橋尚が赤星に対してした『あいこでしょ』の勝負の話」
コーチ 「あぁ、ありましたねそういうの」
先生  「コーチ、東京ドームの巨人戦のあと、こんなん書いたやろ?」


序盤、引き続き阿部のリードは抜群の冴えを見せていた。
特に赤星に対する攻めが素晴らしかった。好調時の赤星というのは本当にフォアボールを取ることに長けている。それを封じるために阿部が見せた配球。

例えば気心知れた友人と「じゃんけん」をする時に、相手が「グー」を出してくる確率が最も高いと感じた。データ的にそうなのだ。この場面では「グー」で来る。しかし、相手もこっちの気心をよく知っている。自分がグーを出すことを逆手にとって、こちらが「パー」を出すことを読み、「チョキ」を出してくるかもしれない。おそらく「パー」で来ることはない。ならば・・・

阿部が赤星に見せた配球はこの時に「グー」を選択する配球だと思った。「パー」を出してくる確率が一番低いなら、「グー」が最も負けない。「あいこ」でもいい。ファールを打たれるのは構わない。野球は「じゃんけん」と違って「あいこ」で決着がつく場合がよくある。ヒット性の当たりの内野ゴロも、フェンスギリギリのファールフライも、際どいコースの見逃しの三振も全部「あいこ」の範疇。阿部は赤星に対して「あいこ」での決着を選択しているように見えた。

赤星の第一打席。カウント2−3からの6球目。ストレートをショートゴロ。赤星に対しては木佐貫の決め球、鋭く落ちるフォークボールを初球以外は一球も使わない。見事な「あいこでしょ」で、阿部に軍配。


逆にシーツは「グー」を出してくるだろうと思って安心して「パー」を出す。フォークボールで空振り三振。このゲーム阿部のペースで立ち上がった。



コーチ 「書きましたねぇ。うん、読み返してみても案外いいとこついてるなぁとは思います」
先生  「今、能見に大事なんは、イヤ、能見だけやなくて上位三球団全ての投手についていえることやと思う」
コーチ 「はい」
先生  「この『あいこの精神』やで」
コーチ 「なるほど」
先生  「能見見ててな、一生懸命投げてるのは手に取るように分かるんや。丁寧に丁寧に。ほんまに一生懸命投げてる」
コーチ 「昨日は特にまたそんな感じでしたね」
先生  「やけど、勝負の決着のほとんどが、能見の勝ちか、能見が勝てなかったか、という勝負になってしまってるねん」
コーチ 「確かに」
先生  「フォアボールが多かったのもそれが原因やしな」
コーチ 「丁寧さゆえ」
先生  「もちろん、それは悪いことではないねんけども、実際昨日も6回1失点。素晴らしい結果や」
コーチ 「はい」
先生  「だけども、昨日ナゴヤドームで高橋尚がKOされたやろ?」
コーチ 「ウッズを警戒しすぎて、押し出しの四球と満塁ホームランだったみたいですね」
先生  「たぶん、能見と高橋尚はおんなじスタンスで投げてたと思うねん」
コーチ 「試合展開もあって、甲子園の方はラクでしたけどもそうでない試合の方がこれから絶対多いですからね」
先生  「大事なことはや」
コーチ 「はい」
先生  「持ってる力をしっかりと発揮することやと思うねん」
コーチ 「もちろんです」
先生  「その時に、ちょっと言葉おかしいかも知れへんけど、能見みたいな基本真面目な人は、もっと雑に投げてもいいと思う」
コーチ 「ですね。『あいこ』でもアウトになることありますもんね」
先生  「それだけの球を能見は投げれるピッチャーやからな」
コーチ 「昨日やったら数少ない『あいこ決着』の勝ちは下窪の初球サードゴロとか、金城の二球目を打ち上げたセンターフライとかね」
先生  「『あいこ』で負けたんが吉村に打たれた二塁打」
コーチ 「別に悪くないんですよね、それで。印象に残りにくいアウトやヒットだってあってもいい。それを積み重ねていって、勝負どころで『勝ちにいく』と」
先生  「結果ももちろん重要な時期やけど、それよりもやっぱり『思いっきり投げて、おさえたー!』へ向かうことが大事やと思う」
コーチ 「その結果打たれたんやったら、もう相手を讃えて、また悔しい気持ちを技術にかえていけばいいんですもんね」
先生  「安藤が抑えから先発に転向した当時もこの感じで凄く戸惑ってよな」
コーチ 「適当にアウトを取りにいけないんですよね」
先生  「ベイスターズの山口俊とか物凄い球投げてたけど、先発したらしたでまたそういうところにはまるんやろうな」
コーチ 「まぁあんだけすごい球やったら、調子良かったら全然打てないかも分からないですけども。ワインドアップの時は痩せてた頃の伊良部みたいでしたもん」
先生  「ま、とにかく昨日は勝ててよかった」
コーチ 「大事に行き過ぎると昨日のベイスターズみたいなことが起こってしまうんですよね。『寺原、この大事なときに何してんねん』相川がそう思ってしまった時点で苦しかったです。それが自身の捕球ミスにも繋がってもうて、もう収拾がつかないっていうか」
先生  「高橋尚もたぶんそんな感じで打たれたんやろうな」
コーチ 「広島でのドラゴンズは決して調子よくなかったですからね。井端が必死になってピッチャーに声かけて保ってた感じでした」
先生  「てなわけで」
コーチ 「はい」
先生  「大事なことは、もう同じやな」
コーチ 「ですね」
先生  「ピッチャーは腕を振る。バッターは思いっきり振る」
コーチ 「ここまできたら最後は『オリャァァ』の精神をどれだけもてるかの勝負みたいな感じですよね」
先生  「最終局面に差し掛かってきて、当然そのことが最も難しいんやけども」
コーチ 「昨日のタイガース結構良かったですよね」
先生  「『オリャァァ』を強く手にできたチームが混戦を抜け出す」
コーチ 「今日もそういう試合ができれば順位はまだ下ですが、一歩抜け出せるかも知れないですね」
先生  「てことで、タイガース、オリャァァァ!!!」
コーチ 「どんな締めなんですか(笑)」



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posted by コーチ at 15:51| Comment(0) | TrackBack(0) | □ 能見 篤史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月03日

6番葛城、6番スペンサー

浜ちゃんが一軍に合流した日も甲子園のスワローズ戦だった。
広島で復活弾を放つ前の試合だ。
ゲーム終盤、古田監督は「代打浜中」コールを嫌って、
「代打、葛城」を相手に、右の遠藤から、右の花田への継投を選択した。
前の日に当時中継ぎで投げていた石川が好投していたので、
葛城に石川という場面であれば、代打の代打で「浜中」であったのだった。

「浜中復活初打席」その甲子園の空気、それは相手チームにとってはやはり脅威だろうと思う。
「代打、浜中」を巡る攻防。
この時葛城は、その攻防の中のエキストラだった。

そしてそのエキストラ葛城がセンターの前にポトリと落とすヒットを放って、
その後、赤星がライトオーバーの二塁打で決勝点。

後半戦の快進撃。そのスタートはナゴヤドーム三タテ。
葛城は代打で出場し四球を選んでいた。

常時、出場機会があるわけではなく、当時一軍枠当落線上ギリギリであったことは、
「僕はリンよりもいい選手ではないですが。。。」と
ヒーローインタビューで言えてしまう選手ならなおさら自覚していただろうと思う。
必要以上に謙虚とかそういうことじゃなくて、
己の中に占める「客観性のある自分」の割合が一般的な水準よりも高いのだと思う。

2005年のスペンサーのヒーローインタビューでもそんなのがあった。
場所は神宮だったが同じくヤクルト戦。
「自分はあまり活躍できていないけど、いつもサポートしてくれてありがとう」

葛城とスペンサーに共通しているイメージはやはり「四球」。
チームにおける自分の役割を先に理解して、それに自分を合わせていくスタイルを取る野球選手。
一軍枠当落線上ギリギリの状態で、四球を選ぶ。
ヒットを打ってアピールしたい場面に違いない。
しかし、求められているものが「出塁」であるならばその手段は問わない。
最も確率の高いやり方でその結果へ向かうことを試みる。
それが葛城育郎というプレイヤーの最も優れた部分であると思う。

そして素晴らしいことは、タイガースというチームが葛城のそういう部分を非常に高く評価しているように感じることだ。
ナゴヤドームの初戦を最後に今岡が抹消されたことと、当時桧山が大不振であったことも影響があると思うが、
それ以降葛城のベンチにおけるポジショニングは確実に上がっていった。
いつ間にか「左の切り札」になり、東京ドームのジャイアンツ戦ではスタメンでファーストを守るようになっていた。

2007年シーズン、阪神タイガースの前半戦は目も当てられないひどい有様だった。
その原因を考えたとき冗談抜きでぼくは、やはり井川がぬけたこと、そしてスペンサーがいないことが原因だと思った。
5番今岡、7番矢野という、打てなくなるとどうしようもなくなる二人の間にスペンサーが入っていた打線。
試合に出ていなくても、もう一人のどうしようもなくなる人シーツが打てないときは、ベンチで隣に座って励ましたり。
三番、五番、七番が打線を分断する。それを緩和する仕事していたスペンサーがいなかった。
もちろん、昨シーズンの終盤の快進撃のさなかスペンサーの居場所はなかった。
だけど、苦しいときこそ、スペンサーは活躍していたのだと思う。

2007年、後半戦に入り五番林クン、六番桜井という打線が形になった。
スペンサーとは正反対の「打てる六番桜井」の誕生。
新しく機能し始めた打線は一気に首位との差を詰めていく大きな要因となった。
しかしここにきて林クンの離脱。
五番に桜井が昇格し、林クンの代役は、葛城と高橋光信の併用で補うという形がアッという間に定着した。

その形になって気づいたことは、
葛城、高橋光信ともに、とても客観性の強い六番であったことだ。
林クン、桜井。という並びとはまた違った作用をもたらす、
桜井、葛城。桜井、高橋。という並び。
何百万人いるのか分からないタイガースファンの中で、5人くらいはいるだろう(いてほしい)
スペンサーを惜しむタイガースファンにはたまらない、
5番桜井、6番スペンサー。を思わせてくれる打線だ。

2005年、2006年。葛城に一軍での出場機会はほとんどなかった。
だけどその時タイガースにはスペンサーがいた。
スペンサーがいなくなった2007年、タイガースには葛城がいる。高橋もいる。
赤星は一回りも二回りもグレードアップした。
大きな空振りをするようになったことがその象徴。打ちに行く時は迷わず打ちにいける。
結果的にそれが2−3というカウントを作り、出塁の可能性を広げている。
アニキは相変わらず凄い。とにかく凄い。スワローズ三連戦。三連勝と三連敗。
ラミレスは来日してから最も調子が良いのではないか、というほどに手のつけられない状態だった。
もちろん青木もいつも通り怖かった。宮本も飯原も田中浩康も宮出も福川もイヤなバッターだ。
勝負どころでスワローズがミスをしたことも大きかったが、この三連勝三連敗の最も大きな要因は、
「四番の差」ではなかったかと思う。
仮に、
1番青木、2番飯原、3番ラミレス、4番金本、5番宮出(ユウイチ)、6番田中浩 7番宮本、8番福川、で
1番鳥谷、2番赤星、3番シーツ、4番ガイエル、5番桜井、6番葛城(高橋)、7番矢野、8番関本
であったとしたら、三連勝三連敗は全く逆になっていたとも思う。
一人違うだけでこんなにもかわる。仮に、赤星と青木を入れ替えてみても、鳥谷と宮本を入れ替えてみても、
それはそれで違った面白さのある打線になる感じはする。しかし、四番だけは圧倒的にタイガースだ。
その差が、僅差のゲームを最終的に勝たせた大きな要因であることは間違いないと思った。

このところ冴えのなかった矢野も、守備での良さが昨日おとといは目立った。
ファーストへの牽制球と、渡辺のワイルドピッチを本塁でタッチアウトにしたシーン。
溌剌としていた。
下柳対ラミレスの場面で、カウント2−1からマウンドに行った丁寧さ。
矢野が戻ってきつつある。送りバントできなかったりもしたけど、そろそろ野口の順番の日だし、
移動日を挟んで少し休んだら打てるかな。

関本もまたいい。
何がいいって、桜井のサヨナラヒットに駆けつけるときの表情が最高だった。
ああいう顔をしてる時関本は安定して活躍しているイメージがある。
6番に葛城、高橋という新しくないけど新しい打線になったタイガース。
そして8番関本の急激だったがゆえまた長くなる可能性を十分に孕んでいたスランプの脱出。
その間の7番矢野に元気が出れば・・・
上位はなんとなく打ったり打たなかったりしてる鳥谷とグレードアップした赤星。
最近、ほとんどストレートしか打とうとしないシーツに甘いストレートが来たときに、
得点が入る。アニキが敬遠されれば、その後はほとんど点が入る。
6番はチャンスでは迷わず打ちに行き、そうでない時は粘りを見せる。

勝ったら強く見えるなぁ(笑)

安藤もよく投げたし。下柳先輩にも勝ち星がついた。
ダーウィンは素晴らしいし。単純に投球内容で比較して、ジャンが入れる余地はないほど。
渡辺、江草、JFKはとにかく点を取られない。(エラーしなければ)

さぁあと一ヶ月。
上位三球団が直接当たらなかった一週間。
終わってみればタイガースは4勝1敗1分。
ジャイアンツは3勝2敗。
ドラゴンズは2勝3敗。
浮上したのはタイガースだった。
カープ戦の二戦目に負けて1敗1分になった時は、絶望的な雰囲気になっていたのが嘘のようだ。

今週はジャイアンツにとって大事な一週間。
ドラゴンズ、タイガースとの六連戦。
タイガースとしてはベイスターズ戦でさらに加速したいところ。

林クンの穴は穴ではなかった。
葛城が高橋が6番にいるチームは強い。
しんどい時に強い形だ。
川島が好投した試合を葛城の活躍で取った意味。

この試合がさらに輝きを増して秋を彩ってほしいと、そう思う。


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posted by コーチ at 16:39| Comment(5) | TrackBack(2) | □ 葛城 育郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

夏に手にした当然、桜井。

初夏の千葉にて。
9回に小林雅を打って大逆転した日に、

その立役者は当時一軍に上がったばかりの桜井だった。

「打てるかなぁ。。打ったら凄いのに、あ、打った!!!!!」

そんな思いでライトフェンス直撃のタイムリーヒットを見ていた記憶がある。


厳しい夏も一段落してきた9月。
一夏を越えた桜井広大は、超満員の甲子園のど真ん中、悠然と打席に立っていた。
一打サヨナラの満塁の場面。超満員の観衆が感じていたこと。

「桜井が打って勝つのだろう」

もう、アニキが敬遠されている頃から、条件反射的ブーイングをしてみるも、
桜井がサヨナラ打を放つこと前提の上で、
「いったいどんな結末になるのだろう?」
「バックスクリーンに豪快なホームランかな?」
「いやいや、桜井はきっちり打つ場面はコンパクトに振るから、ライナー性の犠牲フライとかが現実的かも」
「だけど怖いのが、おっつけに行っていい当たりのセカンドライナーとか」
「でももしそうやとしても、ゲッツーにならんかったら今日は葛城が決めてくれるって」
「でもたぶん」
「桜井が決めるんやろうな」

夏が始まる前、まさか今年の夏がこれほどまでに暑くなるとは誰も思っていなかったし、
夏が始まる前、まさか桜井がこれほどまでの「当然」の中でサヨナラヒットを打つとも誰も思っていなかった。


タイガースは4連勝。首位とのゲーム差は2.5。 2位とは0.5ゲーム。
しかし、ほんの数日前まで絶望的なチーム状態だったことは、ほんの数日前のことだからよく覚えている。
沈黙を続ける打線の中で、カープの大エース黒田から放ったホームランと決勝タイムリー。
結果が出ない打席でも、カウント0−2や1−2の「さぁ、振れ桜井」という場面では、
必ず「ブンッ」と振って、空振りしたり、ファールになったりしていた。

「これだ」と決めて、思いっきり振りぬける勇気。
これこそが泥沼に体半分突っ込んだチームにとって一番必要なことだ、と、
得点が入ったら「やったー!!」と手をバンバンを叩いて大喜びする監督は、
毎日そう繰り返しているように見えた。

いいから振れ。振るところから始まるんや。
振らなどうにもならん。

そのことを最も忠実にやり続けていた桜井が、昨日、当たり前のようにサヨナラタイムリーを打った。
暑い夏の間。毎試合。一軍の試合で振り続けた結果手にした勲章は、
サヨナラタイムリーよりも遥かに大きな、
「当然」桜井でサヨナラだ、という「当然」。

その「当然」を手にした甲子園は、それをそのまま地鳴りにかえて、
スワローズを飲み込んだ。

夏を制する者はーって受験用語か。
高卒、六浪。夏を制した桜井は、秋になって何を掴むのか。

「菊の季節に桜が満開。菊の季節に桜が満開。」
って競馬の名実況もあったなぁ。。

秋の深まる甲子園。桜井の打球に、5万人が総立ちになるシーンが目に浮かぶ。


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posted by コーチ at 16:37| Comment(4) | TrackBack(0) | □ 桜井 広大 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月01日

ジェフが救った

先生  「今日はむっちゃいいとこと、むっちゃ悪いところが物凄くはっきり出た試合やった」
コーチ 「一旦、むっちゃ悪いとこに嵌ってしまいましたからね。むっちゃ悪いもまだ出てくるんでしょう」
先生  「ほな、今日はそれを交互に話してみて、複雑な気持ちになるという大会ということで」
コーチ 「別に『大会』にする必要ないと思いますけど(笑)」

先生  「というわけでございまして、まずは、むっちゃ良かったとこその一!」
コーチ 「狩野の走塁!!」
先生  「狩野の集中力と決断力、素晴らしいの一言や」
コーチ 「ノーアウトのランナーで代走でしたよね。ここで鳥谷のバントは、キャッチャー前の微妙なとこに転がって」
先生  「あれ、クロスプレーでもおかしくないようなバントやったけどな」
コーチ 「狩野は、まるで盗塁していたかのような速さでセカンドに到達してました」
先生  「送りバントの時の走者の鉄則は、『転がった瞬間スタートを切る』やけども」
コーチ 「速かったですね。見事やった」
先生  「さらに、赤星のフラフラ上がったサード後方のポテンヒットで迷わずゴー!」
コーチ 「集中力、判断力、決断力」
先生  「狩野の走塁は躍動してた」
コーチ 「あの『躍動』こそ、今のチームに最も必要なことで、ベンチにおる機会の多い狩野がそれを体現してくれたことが、一つチームを力を強くしました」
先生  「あの一点が勝負決めたしな」
コーチ 「盗塁するだけが代走の切り札ではないのかも知れないなぁ、と狩野を見てると思いましたね」
先生  「何年か前は上坂とかがああいう場面で代走で出て不本意なことにようなってたもんな」
コーチ 「足が速いことよりも重要なことがあるんですよね」
先生  「とにもかくにも、狩野ナイス走塁やった!!」

コーチ 「では、次。悪かったところ」
先生  「そらやっぱ、鳥谷の牽制アウトやろ。どんより」
コーチ 「先生、ムード出すためかも知れないですけど、わざわざ『どんより』って言うのは変ですよ(笑)」
先生  「あそこはなぁ、あれは次の塁狙って積極的な離塁をって場面じゃないからな」
コーチ 「一打席目でシーツがようやく何かを掴みかけた感じでしたし。あそこはシーツにチャンスで打たせてあげたかった」
先生  「ボーっとしてしまった瞬間があったことは確かやと思う」
コーチ 「肩痛そうやったから、ちょっと心配ですけどね」
先生  「せやなぁ」
コーチ 「ただ、厳しいこと言うと、狩野レベルで集中して塁におればああいうことにもなりにくいわけですから」
先生  「試合中の三時間。中でも塁上にいる数分の時間は、大変やとは思うけども、極限に集中していてほしいと思う」
コーチ 「ショートは鳥谷しかいませんからね」
先生  「鳥谷頼んだで!!!」


コーチ 「では次良かったとこその2!!」
先生  「ボギー4回表の投球」
コーチ 「6番田中浩康からでしたね」
先生  「で、7番宮本、8番福川と続いていくけっこういやらしい構成になってる。いい打順やと思った」
コーチ 「6番からの攻撃。ヤクルトサイドから見ると、今日の石川の内容やったら、チャンスで9番を迎えて、代打を送りたかった場面でした」
先生  「逆に、タイガースから見れば6番7番8番、ピシャリといって、石川をもう一イニング投げさせたい」
コーチ 「『打順が近いからあと1イニング』って続投の場面ってよく点が入りますしね」
先生  「ここで。ボギー。矢野も良かった。田中浩康、宮本っていやらしいところを、基本ストレートで起こして、外の変化球で連続三振」
コーチ 「完璧な内容でしたね」
先生  「で、2アウトランナーなしの福川って、けっこう出塁されてたイメージあってイヤやってんけどな」
コーチ 「しっかりアウトに取りました」
先生  「で、石川続投となって」
コーチ 「その裏、先頭の関本がホームラン」
先生  「野球ってほんまようできるなぁ、と」
コーチ 「ボギーのナイスピッチングが呼んだ、四安打の次の試合でスランプに陥りかけた関本の復活弾」
先生  「いい風吹いてたし。ようやく関本に追い風やな」
コーチ 「で、タイムリーエラーもありましたけど、その後ヒット打ってみたりね」
先生  「関本は蘇生した捉えていいかもな」
コーチ 「いいと思います」


先生  「それでは次は、悪かったところその2」
コーチ 「関本のタイムリーエラーは、まぁなんでか縮こまってしまったって感じやったから、ここ数日のタイムリーエラーの連鎖に飲まれたってことで、しゃあないかなと思うんです。あれを『ちゃんとせぇ』って言うのは逆によくないですもんね」
先生  「せやな、問題はその後の矢野や」
コーチ 「連日矢野ですね(笑)」
先生  「セカンドに牽制投げて悪送球でピンチを広げてしまったとこ」
コーチ 「あそこは、投げなくていいと思いました。で、投げるんやったら、もっとビシッとほらなあかん。鳥谷のベースに入るのが遅くてあのタイミングでないと投げられへんのやったら投げるべきじゃないし」
先生  「あれはランナーと交錯する前に、鳥谷がランナーの前に出ておさえなあかん送球でもあったから、両方のエラーやけどな」
コーチ 「何かちょっとボンヤリしてるってかね」
先生  「引き合いに出すことやないって思いながらあえて言うけど、佐賀北高校のキャチャーやってた市丸君は溌剌と牽制投げてたで」
コーチ 「スクイズあるかも、って場面で三塁に牽制投げるとき、バッターの前に出てフェイクかけて投げたりしてましたもんね。うまかったですよ」
先生  「ちゃんとせな、と思ってそれがエラーになるんは、プロ野球とはいえしゃあないと思うねん」
コーチ 「はい」
先生  「だけども、ちょっとボーっとしてて起こるようなプレーっていうのは、見ててしんどい気持ちになる」
コーチ 「そう思います」
先生  「矢野は打席もそうやけど、まるっきり打てない雰囲気の空振りがどうしても目につくんねん」
コーチ 「アウトになるんはいいですけども、そこに至るまでの過程がね、空振りして溜息つかんと、やっぱそこは『打ったるで』って踏ん張ってほしい」
先生  「打てなくてもいいねん。そういう姿をファンは望んでいると」
コーチ 「それだけは言いたいですね」


先生  「ほんまにどんよりしてもうたなぁ」
コーチ 「ですね」
先生  「こういう時は、無理にテンション上げるのは不自然やから」
コーチ 「はい」
先生  「どんよりしているその原因を真正面から消化することが大事や」
コーチ 「その通りです」
先生  「ということで、これから『矢野、ほんとは大好き、頑張れー』と叫びます」
コーチ 「そうしましょう」
先生  「いくで!」
コーチ 「はい!」

先生  「やーの!!」
コーチ 「やーの!!」
先生  「ほんとは!!」
コーチ 「大好き!!!」
先生  「頑張れー!!」
コーチ 「頑張れー!!」
先生  「やーーーーの!!!!!!!」
コーチ 「頑張れー!!」
先生  「頑張れー!!」
コーチ 「やーーーーの!!!!!!!」

先生  「ふー、すっきりした」
コーチ 「ちょっと元気なってきましたね」
先生  「ということで、こっからは良かったところばっかりいきますー!!」
コーチ 「はい!!」

先生  「で、そのピンチを抑えきったジェフのピッチング!!」
コーチ 「長いことジェフの投球見てますけど、この試合ほどジェフが素晴らしいと感じたのは始めてかも知れないです」
先生  「関本も矢野さんも任せとけ。オレがなんとかする。ノープロブレム。イッツオーライ。って感じやった」
コーチ 「ジェフかっこよかったですよね、ほんま」
先生  「真中のヒットもほんまに不運な当たりやったし」
コーチ 「で、関本のエラー」
先生  「矢野の悪送球もあって」
コーチ 「ラミレスの高いバウンドの内野安打」
先生  「全く打たれてない場面で失点して、弱ってしまいそうな場面やったけどな」
コーチ 「任せとき、オレに全部任せときっていう、果てしない頼りがいを感じましたよ」
先生  「ほんまに守ったよな。で、守られた関本はその後ヒット打つねや。『ありがとう、ジェフ』の気持ちのこもったあれもいいヒットやったで」
コーチ 「オーストラリアの皆さんは、こんな凄いピッチャーがいることを知ってるでしょうか」
先生  「もう、コアラとカンガルーとウイリアムスやで」
コーチ 「どういう意味ですか(笑)」
先生  「そのくらい凄いってことや」
コーチ 「でも、名物やないでしょ(笑)」


先生  「じゃあ次の良かったとこいくで」
コーチ 「いっぱいありますもんね」
先生  「では、次は投げてないけど、渡辺と江草と上園」
コーチ 「逆にやられて痛感するってかね」
先生  「せやねんな。渡辺と江草の素晴らしさを身にしみて分かった」
コーチ 「石川のあとを受けた伊藤がナイスピッチングでした」
先生  「で、また伊藤ってちゃんと見たら上園によう似てるねん。フォームとか球種とか」
コーチ 「スピードはそこそこやけど、投げっぷりで翻弄する辺りもそっくりでしたよね」
先生  「どの球でも思いっきり腕振ってくるから、一瞬ストレートのタイミングをバッターが取ってしまって、そこからシュイってスライダーやったりする」
コーチ 「いいピッチャーでしたよね」
先生  「ほんで、2イニング完璧におさえられたんやけども」
コーチ 「相手から見れば、リードしてる場面で、渡辺や江草が無失点で切り抜けてる時ってあんな感じなんでしょうね」
先生  「正直、物凄いイヤな感じがした」
コーチ 「で、結果的に伊藤の好投で一点差までいきましたし」
先生  「3点4点ビハインドで投げるピッチャーの好投がどれだけ重圧をかけるかって改めて思い知ったよな」
コーチ 「渡辺と江草はほんまに凄いことをやっているんやと」
先生  「そして、上園がなんで打ちにくいかも理解できたような気がした」
コーチ 「伊藤はナイスピッチングでしたけど、明日とあさっては調子が悪いことを願いましょう」


先生  「ほんで最後は、2−2の同点の場面でのアニキの一発やで」
コーチ 「悪い流れの時はやっぱり、突破しても突破しても、憂鬱がチームにまとわりついてくるんですよね。その時に、それを突き破るホームラン」
先生  「前の日は桜井で、この日がアニキ」
コーチ 「本家の底力って感じでしたね」
先生  「5番4番ってきたから、次は3番の人がそういうホームラン打つといいけどなぁ」
コーチ 「理想ですねぇ」

先生  「まぁ他にも久保田も連日ナイスピッチングやったし」
コーチ 「前回の甲子園でのスワローズ戦では一回もストライクとれなかった、度会とか真中とか相手に空振り取った球児も素晴らしかったです」
先生  「神宮でノッったユウイチを初戦で乗せなかったことも大きかったし。この辺は矢野やな」
コーチ 「関本のホームランの後、なかなかアウトにならなかった鳥谷赤星の打席もとても良かったです」
先生  「どうにかこうにかようやく連勝」
コーチ 「岡田さんもインタビューで言ってましたけど、最後にいい形で終わりたい、と」
先生  「シーズンの最終戦が終わり、プレーオフが始まる瞬間にベストを迎えるために、いいゲームができたと思う」
コーチ 「さぁ、続けていきましょう」
先生  「もう、毎日お祈りしよ」
コーチ 「そうですね」
先生  「タイガース、逆転優勝を願って」
コーチ 「乾杯!!」

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posted by コーチ at 09:42| Comment(0) | TrackBack(0) | □ ウィリアムス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

みっちゃんのホームラン

2004年、阪神タイガースは岡田監督が就任し、中日ドラゴンズは落合監督が就任した。
ちなみに巨人では堀内監督が就任し、清原、ペタジーニが在籍する中でのローズの獲得、小久保の無償トレード。もう誰もそんなことをやらないであろう、はっきりとした「失敗」が明るみに出たそんな僅か三年前の出来事。

その年の巨人ー中日戦。
ぼくはたまたまその試合をテレビで見ていた。
試合後「選球眼がいいから、使った」という落合の監督の談話。
妙にそのフレーズは印象に残った。
「選球眼がいいから」という(落合さんのことだから)おそらく物凄くたくさんの意味を含んでいるだろう、そう評された選手。
彼こそ、高橋光信。


先生  「みっちゃん泣いてたな…(涙)」
コーチ 「高橋のこと、みっちゃんって呼ぶことにしたんですね(涙)」
先生  「みっちゃんやろ!! 高橋さんとこの、みっちゃんやろ!!(涙)」
コーチ 「先生、知り合いでもなんでもないですやん!!(涙)」
先生  「商店街のみんなは、高橋さんのとこのみっちゃんがみんな大好きなんや!!(涙)」
コーチ 「妄想ですね(涙)」
先生  「子どもたちもみんな『みっちゃん、遊ぼうよー』って、駆け寄っていくんや(涙)」
コーチ 「みっちゃんは野球の練習あるけど、笑って『よーし何して遊ぼうか』って遊んであげたりしそうですもんね(涙)」
先生  「だけど子どもたちの一人が言うねん『みっちゃんは野球の練習あるから、じゃましたらあかんねんで』(涙)」
コーチ 「そしたら別の子が無邪気に言うんですよね(涙)」
先生  「『みっちゃん、いつテレビ映るの?』(涙)」
コーチ 「そしたら気のまわる子が『アホ、みっちゃん気にするやないか』みたいな感じで、無邪気な子を制して、その子は『あ』って手元で口を押さえるみたいな(涙)」
先生  「そのことがまた、みっちゃんを苦しい気持ちにさせるんやけど、みっちゃん笑って『ほな、お兄ちゃんは練習いってくるさかいにみんなええ子にして遊ぶんやで』ってな(涙)」
コーチ 「はい(涙)」
先生  「そんなみっちゃんが(涙)」
コーチ 「ほとんど妄想ですけど、確かにそんな表情をしてましたもんね(涙)」
先生  「ヒーローインタビューやんか!!!!(涙)」
コーチ 「ボギーがインタビューされてる間も、もう、どうしていいか分からんようなって、大きく息を吸ったりはいたりしててね(涙)」
先生  「テレビの前で商店街の子どもたちも、『みっちゃんがテレビ映ってるー』って大騒ぎなんや(涙)」
コーチ 「いつもは早く寝なさいって叱られる時間やけど、その日ばかりは後ろでお母さんも涙ぐんでるんですよね(涙)『みっちゃん、良かったね』って(涙)」
先生  「で、お父さんが言うねや。「泣いてる場合やないで、明日から忙しいねや。みっちゃんホームランセールやろ!』(涙)」
コーチ 「みっちゃん、『早く恩返しがしたかった』って涙声でしたね(涙)」
先生  「トレードじゃなくて、中日をクビになったわけやからな。ケガもあったし、編成上仕方ない部分もあったやろうけど、それを阪神に拾ってもらったって気持ちがものすごあったんやと思う(涙)」
コーチ 「代打の神様八木を、神宮で桧山が引き継ぎました(涙)」
先生  「そして泣かせる代打アツ片岡を、甲子園でみっちゃんが引き継いだ(涙)」
コーチ 「林クン戻ってきたら、みっちゃんは代打でしょうけども、大事な試合の終盤に、マウンドに岩瀬という場面で、『阪神タイガース選手の交代をお知らせいたします。9番久保田に代わりましてピンチヒッター高橋光信。背番号50』(涙)」
先生  「甲子園は大歓声やで(涙)」
コーチ 「それだけでもう、十分なんですよね(涙)」


あの頃「選球眼がいい」というのが、みっちゃんの代名詞だった。
落合さんの言葉の意味するところは、もっと奥にあるような気がして正直つかみきれないけど、それはおそらく、
どんな場面でも『己』を強く持って、投じられたボールそのものを見つめることができるという、気持ちの強さを称した言葉ではなかっただろうか。

光信の名の通り、『信』じるを強く持ち続けたみっちゃんの放った打球は、甲子園の上空を高く舞い上がり、その思いは打球に乗って、キラリ『光』輝いたんだ。

みっちゃん、おめでとう!!!


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posted by コーチ at 07:29| Comment(2) | TrackBack(0) | □ 高橋 光信 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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