2007年09月18日

井端に、代打。代わってショート森野。

昨日、もちろんぼくはタイガース戦の中継を見ていて、
下柳先輩の一挙手一投足に夢中になっていたのだけど、
パソコンの電源は入れて、神宮の経過も追っていた。

初回の5点ビハインドをスワローズが追い上げていったことにももちろん驚いたが、もっと驚いたのは井端に代打が出たことだった。
ネットの速報では事情が分からない。だけど「井端に代打」はただことではないということだけは分かった。

井端弘和選手。走攻守、どれをとっても超一流だ。メジャーリーグに対してそれほど見識がないので、迂闊なことは言えないが、日本球界に限って言えば、2位以下を大きく引き離してダントツに凄い遊撃手である。メジャーリーグに見識を持って「井端は世界一だ」と自信を持っていいたいとすら思う。藤川球児のストレートとともに、井端はぼくにとって日本球界の誇りだ。

もちろん、タイガースの鳥谷もいい選手だし、二岡、宮本、ソフトバンクの川崎やマリーンズの西岡、ライオンズ中島。プロ野球でショートを守れる人は誰であっても皆凄い。ただ井端はその中でも群を抜いた選手であると思う。

タイガースでは赤星に対してよく使われる形容だけれども「赤星がセンターを守っているだけで年間相当の失点を防いでいる」というような言い回し。無論、嘘はない。それはもちろん、タイムリーヒットを防ぐという意味あいだけではなく、局面局面で「ここで出塁を許すと一気に流れがいってしまう」という場面で、アウトにできるかできないかという際どいところをアウトにして、そのイニングを三者凡退で凌げたりだとかそういうことも含まれる。失点を未然に防ぐ守備だ。

タイガース戦に限っても、今まで何点井端に防がれてきたか分からない。「未然防御失点数」なんていう数字は計算しようもないけれど、もしそんなタイトルがあれば、もう何年も連続で井端がタイトルを取っていると思う。

さらに打撃面での「しつこさ」「いやらしさ」「思い切りのよさ」。井端は現在 
打率.288 本塁打4本 打点37(9月17日終了時点)

打撃三冠の数字はそれほどでもない。とにかく数字で表現できる選手ではないのだけど、表現できそうな数字を探してみると、

得点が74。これはセントラルリーグで6位の成績。
得点とはホームベースを踏んだ回数であるので、当然ホームランバッターがそのランキングの上位に来やすい。トップ10の中でホームランバッターではない選手は井端とあとは青木だけ。(その他は小笠原、村田、ウッズ、スンヨプ、新井、ラミレス、ガイエル、金本)
青木も「出塁する」という面では別格なので、この結果は頷けるけれど、井端の凄さは「以下の打者を打ちやすくする」言い方を代えると「流れを自分のチームに引き寄せる」とかそういう打撃により持ち味のある打者で、その参考になる数字が「カウント2−3時の四球数」
かなぁと。

純粋な四球王はテレビ中継の中でも散々取り上げられているけど、ウッズ。109個でこれはダントツ。(二位がガイエルで77個。余談になるけどガイエルはスペンサータイプだと思う。6番ガイエル7番福川8番宮出。この打順だと怖いけどなぁ)ちなみに3位が金本選手。
これは当然、「敬遠」「敬遠気味」のフォアボールも含むので、ホームランバッター。さらに言うと狭い球場がフランチャイズのホームランバッターに四球が増える傾向がある。あとは、ピッチャーの前の8番打者。これも敬遠が増えるので。

意外と健闘しているのが鳥谷で60個。これはタイガースではアニキに次ぐ数字でセリーグの7位。立派に一番やってるじゃん!
で、問題の井端はここでは53個で12位と意外と少なかったりする。

なのだけどカウントを2−3まで持っていってさらに四球で出塁する。井端をランナーに出すと得点が入りやすいことは分かっているので絶対に出したくないという場面で。バッテリーは絶対に歩かそうとは思わない。このカウントでの四球が37個で、セリーグ3位。1位はウッズとガイエルで44個。四球の合計が53個でそのうち2−3からが37個。投手は必死になってストライクを投げてきていることを想定すれば、どれほどファールを打っているかも見えてくる。タイガースではやはり赤星がこの率が非常に高く、総四球38個に対して、カウント2−3からが24個。もちろん赤星も凄いのだけど井端がやっぱり凄いのが二塁打34本。これはセリーグ2位。早いカウントでも甘く来たらバチーン!と打ってレフト線。何度もやられた記憶があります。井川の試合で(笑)

こうなんか、物凄く「がっくり」させられる出塁をするのが井端の素晴らしさの所以で。さらに今年は後半福留を欠いて打線における責任が非常に増し、打順もずっと打ってきた二番ではなく一番になっての成績。

井端がどれだけ凄いか、ってこのくらいでいいかな(笑)
いやね、自分の周りの阪神ファンや巨人ファンの人に「中日は井端のチームなんだ」と説明してもいまいち反応が薄いので。
打線の中でウッズを欠くことももちろん痛手だけど、中日は井端を欠くとウッズで得点できなくなる。


で、報道によれば、井端は首を痛めたらしい(デイリースポーツ)
記事によれば離脱ピンチとある。


もちろん、井端が出場できなければドラゴンズは大きな大きな戦力ダウンだ。防げたはずの失点あるだろうし、いたはずのランナーがいない。一番から始まる攻撃なのに簡単に3人で終わってしまう。ウッズが先頭のイニングが増える。昨日は森野が急遽ショートを守っていたが、不慣れなポジションが打撃に影響することもあるだろう。悪循環に陥る可能性は非常に高い。

福留も故障で離脱して、さらに井端となればこれはこんなに苦しいことはない。タイガースが球児とジェフを同時に欠いたようなもの。

複雑な気持ちだ。万全のドラゴンズを倒してこそ、という気持ちもどこかにはあるし、勝負にこういうことは付き物なので仕方のないことなのだろうという気持ちもある。ただ、一番に思うことは、

「故障をおして活躍する井端のいるドラゴンズ」

この一致団結ぶりによる果てしない怖さ。井端は怪我した時に活躍する。もちろん怪我の度合いにもよるだろうが、活躍するイメージがとてもある。奮い立たされたドラゴンズ。脅威なのだ。

このアクシデントがペナントレースに大きな影響を及ぼすことは間違いない。大きな結束を産み、ドラゴンズがさらに強さを増すか、若しくは大いなる戦力ダウンによりそのほころびを埋めきれないままシーズンを終了するか、そのどちらか。

甲子園での阪神巨人戦ももちろん重要だが、ひとまず、その結果が出るであろう21時から22時の間の約3時間前、神宮球場のスコアボードに「1番ショート井端」の名があるか、そしてその井端がどんなプレーをするか、非常に大きな一日となった。


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posted by コーチ at 16:48| Comment(9) | TrackBack(1) | ■ 中日ドラゴンズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

雨なんか、どうでもいいから

先生  「途中、豪雨やったやん?」
コーチ 「阿部の打席の時、急に強くなったんですよね」
先生  「その中で、下柳先輩は全く雨のことを気にしてないように見えたんや」
コーチ 「阿部の方が打ちずらそうに何度かタイムかけて」
先生  「あんだけ雨降ったら、それがふつうやと思う」
コーチ 「ほんまに土砂降りでしたもんね」
先生  「『いいから、矢野。サインをくれ。オレは投げなきゃ。オレは抑えなきゃ。雨なんかいいから、そんなのいいから』そんな風な表情に見えたんや」
コーチ 「わかります」
先生  「そんな顔、他の場所でも見たことあるなぁって思ってん」
コーチ 「どこでした?」
先生  「『明日のジョー』や。ジョーも力石もカーロスもホセ・メンドーサも極限状態に入ったらああいう顔になるねん」
コーチ 「力石がジョーと対戦するために階級下げようと過酷な減量をしてるときとか、そういう顔でしたもんね」
先生  「下柳先輩はな」
コーチ 「はい」
先生  「不安や憤りや喜びを外側にぶっ飛ばして投球するピッチャーやないやん」
コーチ 「そうですね。むしろその感情全てをそのまま自身の中へ受け入れて、そのエネルギーを投球へかえていく」
先生  「前回の登板は東京ドームで、3回降板3失点。外から見てたら十分と思えた内容やったけど、本人はもちろん悔しかったことやろうな」
コーチ 「ですね」
先生  「加えて後半戦の快進撃の中で、自身はなかなか波に乗れない中、だけど大事な試合の先発は必ず下柳先輩なんや」
コーチ 「先発投手の中に『エース不在』はもう、当たり前みたいになっていますけど、中心はどう考えても下柳先輩でしたもんね」
先生  「この一週間、その悔しさ全部をきっと受け入れきったんやと思う」
コーチ 「そしてマウンドに立った」
先生  「不安や悔しさぶっ飛ばしてもあの顔にはなられへんと思うねん」
コーチ 「はい」
先生  「自分の中に受け入れきったからこそ、あの場所から投球できる」
コーチ 「あれこそ」
先生  「本当に強い、ということやと思う」
コーチ 「確かに」
先生  「あんな顔してる人の球はよっぽどのことがないと打たれへんで」
コーチ 「奥さんがその日に金メダル取る、ってよっぽどのこと過ぎますもんね」
先生  「昨日、唯一下柳先輩と正面から対峙できる状態の選手は谷しかおらんかった」
コーチ 「ほんま、そうでした」
先生  「打席でも木佐貫からヒット打つしな」
コーチ 「もう、ずーっと集中状態やったんでしょうね」
先生  「テレビで掛布さんがなるほどなぁ、っていうこと言ってたんや」
コーチ 「『ジャイアンツ打線は低目の変化球に意識があるから、敢えて高目のボールゾーンで勝負しにいっている』ってやつですよね」
先生  「せや。その対策は十二分に功を奏していた」
コーチ 「ですね。矢野のナイスリードでした」
先生  「さらに下柳先輩がほんまに投げミスせえへん」
コーチ 「ほんまに素晴らしいピッチングでした」
先生  「正真正銘、大正直者にしかできんピッチングやったもんな」
コーチ 「雨なんか、どうでもいいから」
先生  「やばい、泣きそう」
コーチ 「でね」
先生  「うん」
コーチ 「ぼくもピッチャーやってた頃のこと思い出したんですよ」
先生  「おう」
コーチ 「雨上がりのマウンドって、妙に空気が澄んでて、すごく土の匂いがするんです」
先生  「ああ、わかる」
コーチ 「全部を受け入れて集中状態に入った下柳先輩やからね」
先生  「おう」
コーチ 「土の匂いも一身に感じて『ああ、甲子園におるんや!』って、踏み出したスパイクが『ザクッ』って土に刺さる音を聴いて」
先生  「『オレが抑えるんやー!!!!!!』ってな」
コーチ 「赤星がヒーローインタビューで『楽しくてしょうがない』ってね」
先生  「うん、言ってた」
コーチ 「楽しいことがあっても『楽しい』を感じることができなきゃそれは『楽しい』じゃない」
先生  「その通りや」
コーチ 「その中で下柳先輩は、最も『楽しい』を感じることができる状態で投球をしてたと思います」
先生  「矢吹ジョーとジョーのライバルたちは、極限状態で殴りあう過程でほんまのほんまの『友情』を掴んでいったんやもんな」
コーチ 「本来的な感情を手にするために、下柳先輩が見せてくれたこと」
先生  「あの場所にこそ、『本当の楽しい』があると思った」
コーチ 「赤星もそれに引っ張られるように、あんだけ牽制されてスタート切って」
先生  「止めたバットに当たった打球がスタート切っていた勇気によって決勝打になった」
コーチ 「下柳−矢野のバッテリーの本当に凄いところは、もちろんテクニックもそうなんですけども、あれだけのキャリアを積んでる大ベテランなのに結局『勝ちたい、抑えたい』で投げ切るところやと思うんです」
先生  「だから今日は、一夜明けてもなんだかボンヤリしていて」
コーチ 「まるで雨上がりのグラウンドにいるように、清清しいんでしょうね」
先生  「ということで」
コーチ 「はい」
先生  「下柳先輩、大大大ナイスピッチング!!!!」
コーチ 「勝てたらいいなぁ、と思ってました」
先生  「懐かしいなぁ(笑)」

●2005年9月22日「勝てたらいいなぁ、と思ってました」

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posted by コーチ at 11:50| Comment(2) | TrackBack(1) | □ 下柳 剛 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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