2006年01月12日

しぶとく一点王!

たとえばそれは、
初回の先頭打者が出塁して、そのランナーを2塁に進め、
あっさりと先制点を取ることに成功したセンター前ヒットかもしれません。

あるいはそれは、
3対1という得点のゲームの6回。
「次の一点がどちらに入るかが大きな鍵となりますね」と解説者が言った、
そんなゲームでの、

「相手を突き放す、貴重な4点目となるタイムリーヒット」だったかも知れないし、
「1点差と迫る、追撃ムードを盛り上げた大事な大事なヒット」だったかも知れない。

はたまたそれは、
序盤に大量リードしていたものの、終盤に猛追にあい、
しかしからくも逃げ切ったときの「終わってみれば4回のあの一点が大きかった」というヒットかも知れないし、
0−10で敗戦濃厚の8回。相手のエースに一矢報いる、明日へ繋がる完封阻止の一本だったかも知れない。


「塁上にランナー1人の得点圏打率」

ランナー2塁、若しくは3塁に一人という場面での打率。
その一打で大量点はうまれにくい。
しかし、しぶとく取った一点。
その一点は流れがどちらにもいっていない場面が多いということを考えて、
状況を打破する貴重な一点であった可能性が高い。

そんな「しぶとい1点」をあげたい場面を得意にしている選手はいったい誰。

3日連続になりますが、2005年のデータをもとに、
この局面での首位打者、すなわち「しぶとく一点王」を決めてみたいと思います。


それでは今日は最下位から、1位まで遡っていく方式で。

ではでは早速行きます。
「しぶとく一点ランキング」第52位から41位。
ランナー一人の得点圏が非常に苦手だった人たちです。


52 倉 111
51 木村拓120
50 鈴木健136
49 アレックス174
48 村田 175
47 新井 185

新井までが1割台。

46 城石 200
45 立浪 222
44 矢野(神)222
43 ラミレス233
42 石井 240
41 スペンサー241

やっぱスペンサー、「打った人」になると途端にダメだなぁ(笑)
まぁいいんです。「打ちやすくした人」総合11位のスペンサー。
その道のスペシャリストとして、今年も頼んだよ!!
矢野は、打つほうはもうそれほど打たなくてもいいと思います。
だからこそ矢野7番で、8番でしぶとく1点取れる打線を2006年は作りたい。

他チームの主軸では、
カープの新井、
ドラゴンズの立浪、アレックス
ヤクルトのラミレス、
ベイスターズの石井。

「チャンスメイクランキング」で6位に来た新井(井端と同率)。
ただ肝心の一点ほしい場面で打てていない。
43本ホームランを打って、100打点に届かなかった新井。
来季の課題は、この辺り。
ただ相手チームからすれば、この種の場面が決して得意でない新井に対して、
しっかり投球していけば、カープに対しては比較的ラクにゲームを進められるのではないかなぁ。

ドラゴンズの立浪、アレックスは、こういう場面でこそ打ってほしい選手だったと思うけどこの結果。何度も書きましたが、ドラゴンズは、井端、福留、ウッズの脇をどのように固めるのか、そのことで大きく得点力が変わってくるはず。昨季、チーム全体の調子の波が激しかったのは、主役が不振になったとき脇役がそれを補うことが出来ず同じようにずるずると打てなかったからではないでしょうか。来季のドラゴンズ、「あの3人」以外の5人がどのように打てるかが鍵。

スワローズのラミレスは、実は今岡、金本に次いで打点部門3位。
にも関わらずこの結果は、複数のランナーがいなければ打っていないということ。
たとえランナーを3塁にやってもラミレスの前に二人のランナーを出さないことが肝要。
そして「ツーアウト2塁でラミレス」という場面。歩かすことはない。
迷わず、勝負。

ベイスターズ石井については後ほど。

続いて、「しぶとく一点」の場面が、あまり得意でないと思われる、
40位から31位!!

39 緒方 250
38 青木 250
37 小久保250
36 嶋 250
35 土橋 250
35 古田 250
34 谷繁 255
33 鳥谷 257
32 リグス259
31 小池 265

鳥谷は、赤星が盗塁して2塁行った後に浅いセンターフライとか良く見たなぁ(笑)
まぁ、来季に期待です!!

ここでも主軸の名前が目立ちます。

カープの緒方、嶋。
ジャイアンツ小久保。
スワローズ青木。

やはりこの局面で主軸が打てないということが、チームの成績にも繋がるということかな。
特に、本家首位打者の青木。
さきほどのベイスターズ石井とあわせてコメントしたいのですが、
トップバッター。
トップバッターというのは、チャンスで回ってきにくいという印象がありますが、
実はそうでもなくて、
たとえば8番打者がノーアウト若しくはワンアウトで出塁した場合、
9番のピッチャーは当然送りバント。
成功すればランナー二塁の形が必然的にできあがります。
で、この場面。

8番出塁、送りバント、1番で得点。

下位打線から始まった攻撃で、三者凡退で終わることを義務付けられた相手投手にとって、
ここでの失点はあまりにも響くものと思います。
それだけに大きな、トップバッターなの「しぶとく一点打率」
スワローズ、ベイスターズ浮沈の鍵は、このケースでのトップバッターの働きも非常に関わってくると考えます。

赤星、荒木の名前がまだ出てきていないということは、
この場面におけるトップバッターの比較では、やはり優勝争いした2チームに軍配があったと。

でまぁ小久保に関しては、序盤のチーム状態が大きく影響したと思いますので、参考外。

あと、カープの緒方。
緒方は先日の「打ちやすくした人ランキング」の総合8位。
カープでは堂々トップの成績だったわけですが、
他の人を打ちやすくしてせっかく回って来たチャンスに打てないジレンマ。
タイガースはスペが作った間接的チャンスを、今岡がことごく仕留めていたからこその強さ。
対してカープは、誰も仕留めきれず、また緒方に回ってきて、緒方も凡退するという、
煮え切らなさ。
カープ来季の鍵はズバリ、適材適所。
新井と緒方がチャンスメイクしているというアンバランスと、
新井と緒方がここ一番で打てないというアンバランス。
ここの改善が求められることでしょう。


そんなわけで、
まだまだ続きます「しぶとく一点ランキング」
続きましては、得意でも苦手でもなかった、
30位から21位!!


30 仁志 267
29 荒木 268
28 ウッズ277
27 岩村 278
26 ラロッカ278
25 栗原 278
24 今岡 280
23 清水 282
22 種田 286
21 森野 289

今岡はこのランキングではちょうど真ん中へんに位置しています。
「ランナーがいない場面ではまったくダメ」という印象だった今岡ですが、
「ランナーが二人以上いないとけっこうダメ」という、
かなり限定した箇所で活躍したことがうかがえますね。

ジャイアンツの清水がそこそこ打っているということで、
というより清水はだいたいどんな場面でもそこそこ打ちますが、
来季清水がトップで固定されるようならば、8番打者の出塁率が大きな鍵を握りそうです。
矢野をどこに配置するか。
それとも、小坂をスタメンで使ってくるか。8番小坂。これは無茶苦茶イヤだなぁ。。

荒木もウッズもそれほど打っていなかったドラゴンズ。
「しぶとく一点」もやはり、「あの二人」頼みだった、と。

で、赤星がまだ登場していないので、
トップバッターにおいては「しぶとく一点」という局面、赤星が最も一点とってきたということになります。チームの勝敗に直結するこの局面。本当に大事です。

それではこれよりトップ20
かなりしぶとく一点を取れた人たちのランキングです!!

20 桧山
19 宮本 293
18矢野(巨)294
17ローズ 298

これより3割バッター。

16 赤星 302
15 清原 304
14 金城 305
13 前田 308
12 藤本 317
11 井端 329

まず、20位にランクインした桧山。
スペンサーと桧山は「併用」という横並びの表現で言い表されていましたが、
まったくタイプの異なる二人の併用だったということですよね。
桧山は「打つ人」、スペンサーは「打ちやすくする人」。
一概にどちらがよいとはいえませんが、
お互いにほぼ同等の活躍であったということが、結局優勝に結びついたのだと考えます。
桧山の292という数字は立派です。
そういえば、ランナーが二人以上いる場面で無類の強さを見せた今岡が走者一掃のツーベースとかを打った直後に、桧山のダメ押しタイムリーなんていうシーンも覚えています。
そうです。このランキングはまさしく「こういう一点」を取ったランキング。
相手がガクンと来ているところで、もう一本。
相手が戦意を喪失する、完全に試合を決めた「一点」。
数字はなかなかうまくいろんかことを表現してくれます。

でもって、意外な選手が並んだ20位から11位。
まず意外、と言っては大変失礼ですが、大打者の二人。
ローズと清原。
「しぶとさ」とは無縁だったか、と思っていましたが、
そこはさすがの貫禄というところでしょうか。
今日のスポーツ新聞の一面、全て清原が物凄い表情でトレーニングしている様子でした。
あんな顔している人は応援したいです。
頑張れ、清原。
しぶとく、しぶとく。

で、赤星が清原とローズに挟まれて17位。
トップバッターのこの成績が、優勝に直結したことは言うまでもありませんよね。

そして、意外や意外。
藤モンが大健闘の12位!!
打撃ランキングの12位に藤本ですよ!!
なんと、11位はあの井端でその次ですよ!!

ゆえに藤本がスタメンで出る場合、チャンスでまわってくる場面をできるだけ作りたい。
藤モンは、チャンスメイカーではなく、ポイントゲッター。
やはり6番、打たしてみたいなぁ。去年の桧山タイプの6番。
今岡が打てなくて、2塁に残ったアニキをホームに迎え入れてくれ藤本!!
ってないよなぁ(笑)

あとは、ドラゴンズの井端をはじめ、
カープの前田、
ベイスターズの金城、
さすがの顔ぶれ。
名実ともにチームを支えていた、ということでしょう。


ということで残すところはトップ10!!
8位の同率で3人いるので、8位から!!


8 福留 333
8 二岡 333
8 多村 333
7 シーツ 347
6 金本 350
5 相川 354
4 佐伯 362

おおシーツ!!
シーツはこんなところで活躍していたのか!!
赤星が2塁で、鳥谷が打ち損じたその後とか、
そういう場面でよく打っていたんだなぁ。
で、鳥谷もシーツも打てなかったら、アニキが打つと。
しぶとく一点入るオーダー!!
そりゃ優勝できるわ。ハハハ!!

ドラゴンズは福留の333が最高。
こういう場面でタイガースと微妙に差がついたのかも知れません。
この場面に限って1番から5番までの勝敗をつければ、
1番 赤星○  荒木×
2番 鳥谷×  井端○
3番 シーツ◎ 立浪×
4番 金本◎  ウッズ×
5番 今岡×  福留○

という風になります。
大切な大切な「一点を取る」岡田野球の「打ち勝つ野球」の真髄。
この辺りにありそうです。
来季もこの勝負強さを!!
さぁ打順、どうしよ?そのままが一番いいかも(笑)

あとは横浜勢、佐伯と多村と相川がランクイン。
しぶとく一点取り続けて3位に来たんだよね。
来季は本当、1番2番がいかにチャンスメイクできるか、
万が一横浜に今年の青木みたいな打者が現れてしまったりすると、
優勝争いに間違いなく加わってくると思います。
8番の相川が金本よりもよく打っているわけですから。

相川との対戦時は、「ランナー二塁で相川」強打者として勝負しなくてならない、
っていうか勝負を避けてもいいくらいなわけです。
局面に応じて、強打者は変わるもの。
常に強打者は、金本、井端、福留くらいのもんです。
あとは、ケースバイケース。
ランナー一人の場面でベイスターズの各打者は、本当に要注意だと。

ということで、残すところはトップ3。
あとはいったい誰が出てきてないのでしょうか?
分かりますか?

それでは、いきます。
「しぶとく一点ランキング」、栄えある栄冠を手にしたのは・・・

第3位 ジャイアンツ  阿部 364

来季は本当に手ごわそうなジャイアンツです。

続いて第2位!!
タイガース  関本 375

なんと関本が堂々の2位!!


そして最もしぶとく一点を取りたい場面を最も得意にした打者は・・・

首位打者! ジャイアンツ!
高橋由伸!! 417

ヨシノブが首位打者!!
昨季はケガもあって、印象が薄くなってきているヨシノブですが、
フルシーズン活躍を続けられれば、
それはやはり大変な打者であることにかわりはありません。

高橋、阿部。
そしてチャンスメイカー偏差値の高い矢野。
さらには小坂。
小久保、二岡、清水。
監督は、原辰徳。

大砲とジャイアンツの負の部分を持つ人をいっせいに排除した2006年。
非常に非常に手ごわいです。
去年みたいに簡単に勝てる試合なんてきっとほとんどないんじゃないかなぁ。。

しかし、タイガース。
関本のこの勝負強さは本当に心強い。
矢野は年齢もあるし、それほど打てなくてもかまわない。
たまにいいところでカチンと打ってくれればという感じ。
だから7番。
昨季は矢野が凡退した後の関本が打っていたんだ。
藤本も。
だから強かった。

そして赤星に戻って、チャンスを作り、シーツが出塁、金本が四球で、
今岡がドカン!!
そしてまたスペンサーが、いやらしく時間をかけ・・・

こうしてみてみると2005年のオーダーというのは非常に機能していたようである。
ただ、セントラルリーグに久しく連覇が出ていないように昨季の踏襲では、
なかなか難しいと思われます。
システムは時間を重ねるごとに疲弊していってしまうもの、
昨季成功したシステムが同様の成果を上げるとは考えにくいです。

ゆえに大きな起爆剤を期待したい。
関本のこの勝負強さを重要視すれば、やはり二番に関本の抜擢を望みます。
赤星が出塁し、盗塁し、関本で一点取ってしまう野球。
で、できればその後を林が打ってほしいけど・・・

まぁ、春のお楽しみ。

とにもかくにも、「しぶとく一点キング」はジャイアンツの高橋由伸。
2位に関本の大健闘。

さて、2006年はいったい!!
ということで、今日はこのへんで。


参考
http://baseball.yahoo.co.jp/npb/player?t=b&c=5

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posted by コーチ at 10:10| Comment(4) | TrackBack(0) | ☆ ペナントレース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コーチさん 今日もおつかれさまです。
今日のデータは我らがセッキーが第2位なので
とても気分がいいです。(*^^*)

第2位 タイガース 関本
を見て、そういえばあの時の1点も関本だった・・・
そんな活躍が目に浮かぶようです。
(藤モンもがんばれ!)

コーチさんが言われるとおり、とても機能していた2005年の
オーダーでしたね。
ひとりひとりが各打順の役割を十分に理解し
その場の状況にあわせた攻撃を心がけた結果ですよね。
こうした、みんなの心に浸透した考えは打率や本塁打と違って
不動のものだからうれしいです。

まだまだデータの話は続くのでしょうか。
投手編もありますか?
そういえばコーチさん、井川がなんだかいい感じになってきましたね。
また、そのあたりの話もしてくださいね!

Posted by ちえ虎 at 2006年01月12日 15:40
ラミレスは2塁とか2、3塁とか塁が空いている時はピッチャーがボール球の変化球を振らせにくるからスライダー系が弱い(イメージがある)のも相まって打てないのかもしれません。
逆に塁が埋まっている時はフォアボールが出しづらいので変化球の制球が若干甘くなる。
ここを狙われているような気がします。

藤本や相川は8番だということが大きいのでは?
「ピッチャーまで回したくないなあ」とか、ネクストに控える代打の浜中や桧山や鈴木尚典を気にして注意が散漫になった、とか。
7月初めの横浜戦で、2死2塁からハシケンが相川に逆転(決勝)ツーランを打たれた試合を思い出しました。

こんな言い方したら二人に失礼ですかね(笑)。
Posted by rookie at 2006年01月12日 20:10
>ちえ虎さん
毎日ありがとうございます(感謝)
今日書いた記事の中で、
データの話に関しては書かせてもらいました◎
もう少し、続けさせてください!

で、井川についてはぼくもとても感じることがあるので、またそのうち書くと思います。みんなで笑顔の井川を守ろうというような内容になる予感がしています(笑)


>rookieさん
ふむふむ。
ラミレスの話、納得です!
てか楽しいですね、こういう野球の話!全国各地でこういう野球の話が繰り広げられる国がいいです!
これからもいっぱいこんな話がしたいです◎
Posted by コーチ at 2006年01月13日 11:05

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Posted by e-アフィリ at 2006年01月13日 18:07
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