2006年01月27日

不安定の力

毎年、キャンプ前からキャンプ中に報道の核となる選手が出てくる。
一昨年であればゴールデンルーキー鳥谷であったし、
昨年であれば序盤は契約問題の井川、後半は実力派ルーキー能見がタイガース報道における核をなしていたように思う。

今年は大きな移籍もなく、一般的に注目されるタイプの新人選手もいないため、
話題の中心は「濱ちゃん」だ。

ケガから復帰した濱ちゃんがいよいよ「元4番」としての輝きを取り戻す。
3番ライト構想。
桧山、スペンサー、林らと熾烈なポジション争い。

主役は濱中。

ぼくもそのことに異論はない。
最終的にレギュラーを誰が取るかということは抜きにして、
濱ちゃんが主役であることに異論なし。

ぼくたちは濱中に惹かれる。

その理由は、おそらく、濱ちゃんが「不安定」だからだ。

人は潜在的に「不安定なものが時折現す爆発的なるもの」を期待していると思う。

濱ちゃんの「不安定」に期待しているのだ。

名前を変えたり、背番号を変えたり、脱臼したり・・・
表面に見える「不安定」もさることながら、
やはり濱ちゃんの不安定が如実に現れるのが、「打席での表情」

濱ちゃんは打てない時、本当に打てない顔をしている。

ただ、自信に満ち溢れたときの濱ちゃんの表情というのは、
その落差もあいまって、圧倒的に魅力的に移るのだ。

そして、体に巻きついてバットが出てくる、そのスイングから放たれる打球というのは、
金本のそれとも、イチローのそれとも、松井のそれとも違った、
「濱中の打球」として、放物線を描く。

「濱中の打球」
敢えて類似したものを探すならば、それは、

「井川が投げる最高の速球」
これと近い。

井川が右の強打者と相対する時、見逃しの三振を取れる膝元の速球。
例えばそれはドラゴンズのウッズを打ち取ったときに見せる最高のストレート。
「不安定な」ストレート。

「不安定が放つ放物線」と「不安定から放たれたストレート」

両者とも不安定だからこそ持ちえる、圧倒的な魅力。

だからこそぼくらはその放物線やストレートに魂を揺さぶられるんだと思う。
一般的に言われる「華」とはまた違った、先天的に人が持ちえる「華」。
「不安定な華」いや「花」。

昨年は、元祖不安定が大爆発を見せた年でもあった。
無論、今岡。

そして、その不安定の爆発に火をつけたのが、無論金本。
アニキは「安定」とか「不安定」とかそんな言葉を超越した
「圧倒的」な打者。

そしてその「圧倒的」も「不安定」を支えることによって、
その凄みがまた一段と増す、アニキってそんな人だと思う。

ならば、3番「Mr.不安定」濱中 4番「超圧倒的」金本 5番「元祖不安定今岡」

このクリーンアップは凄い。

今岡に繋ぐことや、今岡を守ることでその凄みをより凄いものにした昨年のアニキ。
濱ちゃんが3番に座ることになり、不安定を開花させたとすれば、
アニキは、自分が打席に入る前に「不安定な放物線」を見ることになる。

その打球にアニキが呼応しないはずもなく、
さらにアニキは、自分の直後の不安定に期待しながら、
「4番打者」としての打席を全うする。

アニキの破壊力たるや。

そして、ウエイティングサークルでは、元祖不安定が待っている。

濱ちゃん次第で、今年のタイガースは信じられない勝ち方をするかも知れない。
濱ちゃんの打球にはその力がある。

さぁ濱ちゃん、不安定を叫んでくれ。


クリックでblogランキングへ
posted by コーチ at 10:14| Comment(6) | TrackBack(1) | □ 浜中 治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
岡田監督のコメントで「今年の最大の補強は濱中の復活」というのがありました。
今年のセは確実にAクラスっていうチームがありません。
濱中の復活はペナントの行方っていう相対的な面白さ以上に、絶対的な面白さを与えてくれる気がします。

誤解を恐れずに書くならば、ぼくがコーチの文章が好きなのは、濱中やぼく自身同様コーチに不安定さを感じるからかもしれません。
だから親友と河原で話しこんでる錯覚を覚えるのだと思います。

生意気なことを書いてすみません。
Posted by akira at 2006年01月27日 13:02
コーチさん読んでいてゾクゾクしてきましたよ。

「体に巻きついてバットが出てくる、そのスイングから放たれる打球・・・」
昨年の交流戦や代打出場での打席を思い出して
「今年毎試合濱ちゃんの打席が見ることができたら
なんてうれしいことだろう」と思い

『3番「Mr.不安定」濱中 4番「超圧倒的」金本 5番「元祖不安定今岡」』
これは絶対見たい!見なきゃいけない!と思いました。
コーチさんの言われるように濱ちゃんの打席をアニキが見守り
アニキの打席に今岡が応える。
「打線が繋がる」というより、「みんなの思いが繋がる」打線。
想像するだけでゾクゾクしますね。
こんな想像をできることが幸せです。
コーチさん ありがとうございました(笑)


Posted by ちえ虎 at 2006年01月27日 14:33
濱中選手に対して金本選手は「つなぎは考えんでいいから、好きなように打て!」って言われているようですね。金本選手も将来の4番を育てようとされてるようです。濱中選手は2003年の3番であるアニキに学ぶところが多かったようですが・・・。

調子のいいときの濱中選手はほんとに輝いて見えるし、私達阪神ファンから見たら、将来の4番をどうしても期待してしまいます。打席に立たれると、こっちもドキドキするのは、「不安定さから来るものなのか・・・。」なんて思いました。
Posted by yu at 2006年01月27日 22:10
>akiraさん
お察しの通り、ぼくは安定型じゃないです◎病名をつけるならば、なんらかの病名がつくと思いますが、日常生活に支障はない程度です。
ただ、自分が不安定だったからこそ、
見つかった場所というのはあって、
その場所をぼくはとても気に入っています。
「戦わない」という「戦い」というんですかね、そのことにはとても意識的だと思います。
川原にいるみたいですね(笑)
夕日が沈んできて、ちょっと肌寒くなってきたけど、まだ帰りたくないんですよ◎


>ちえ虎さん
いつもながら、ビックリするほどの伝わりぶり嬉しいです!!

■これは絶対見たい!見なきゃいけない!と思いました。

嬉しいです(笑)

主役は濱ちゃんなんですけど、肝はアニキだと思うんです。アニキがたぶんね、濱ちゃんやナウのことがかわいいんですよ。
「おまえら、わしがまとめて面倒ちゃるけの〜」そう感じたアニキがまた大変なことになる。
そんなクリーンアップなんですよね。
本当に見なきゃいけない!です!笑


>yuさん
そうですよね、ぼくも濱ちゃんには4番打者になってもらいたいです!!しかし、濱ちゃんが「アニキの場所」にたどり着くまでの道はそれはそれは果てしなくやるべきことが山積みでしょうね。もちろん濱ちゃんは濱ちゃんで素晴らしいプレイヤーですが、アニキが偉大すぎるということで。
今年はその第一歩の年。
是非、今年をものにしてもらいたいです!!
Posted by コーチ at 2006年01月28日 09:17
3番「Mr.不安定」濱中 4番「超圧倒的」金本 5番「元祖不安定今岡」
想像するだけで十分スリルを味わいました。
今年の阪神戦観戦も帰り道は半泣き・・・?
いえいえ。
うちの昌さんも今年は並々ならぬ意欲ですから!

※「野球町の人」リンクさせていただいてもいいですか??
Posted by りあ at 2006年01月28日 11:51
>りあさん
こんにちは〜◎
ぼくは「バッターイバタ」という響きだけで、失神しそうになりますよ(笑)
昌さんも大好きなピッチャーなんで、
阪神戦以外で登板してほしいです!!
ジャイアンツキラーとしての力を存分に発揮して、今年は難しいでしょうけど、
200勝してほしいですよね◎

あと、リンクは大歓迎です!!
これからもどうぞよろしくっす!!
Posted by コーチ at 2006年01月29日 03:13
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック

浜ちゃん賞賛大会
Excerpt:  浜中が自身のブログで「かおる姫」ことバレーボールの菅山かおる選手との交際を否定しました。  浜中が誰とつき合っていようがつき合っていまいが、ぶっちゃけどうでもいい話なんですけどね・・ ..
Weblog: 阪神応援ブログ 強虎の日記 〜きょうこのにっき〜 
Tracked: 2006-01-29 06:00