先生 「ジャラーン♪」
コーチ 「どうしたんですか? 急にギターなんか持ち出して」
先生 「昨今のヒットチャートの傾向や」
コーチ 「はぁ」
先生 「毎年、春になるとな、『桜』いうタイトルの曲が流行るやろ」
コーチ 「そうですねぇ。もうけっこう前から毎年続いてますね。一昔前のクリスマスソングみたいな、風物詩的なもんになってるみたいですけども。で、それがどないしたんですか?」
先生 「オレも歌って、デビューするんや」
コーチ 「『桜』っていう曲作って歌うんですか? いろいろ無理がありますよ」
先生 「あほ、『桜』なんてありきたりなタイトル、オレが考えるわけないやろ!」
コーチ 「ほな、なんてタイトルなんですか?」
先生 「『桜井』や」
コーチ 「はぁ?」
先生 「桜井が打ちまくるという内容の詞になってる」
コーチ 「それは、喜ぶ人がすごく限られます」
先生 「着うたもできるだけ多くの人にダウンロードしてもらいたいと思ってる」
コーチ 「まぁ、いいですよ。せっかく作ったんやったら、忘年会の時にでも歌ってください」
先生 「苦節〜、六年♪ 咲いた、大輪の花♪」
コーチ 「演歌ですやん!!」
先生 「やけど、コーチな」
コーチ 「はい」
先生 「桜井やったな。昨日は桜井やった」
コーチ 「5回の2点取るまで、番長、36イニングス連続無失点やったそうですから」
先生 「難攻不落もええとこや」
コーチ 「ほんでまぁ、序盤は実績どおりのピッチングでしたよね」
先生 「両サイドに、切れ味抜群のストレートと変化球が見事に決まっていったもんな」
コーチ 「相川が構えたところにほとんど投げてましたよ」
先生 「もうな、番長のリズムで全てが進んでいってしまう」
コーチ 「昨日暑かったから、唯一の頼みは暑さでバテてくれへんかなぁって思ってたくらいでしたもんね」
先生 「ところが、番長、気持ちよう汗かいてるんや」
コーチ 「絶好調でしたね。なんとかタイガース投手陣がベイスターズを無失点に抑えて、8回くらいにチャンスで番長に回ってきて、代打が出て交代で、その後出てきた木塚あたりから1点とるくらいしか、正直勝てるイメージが湧かなかったです」
先生 「ところが5回、番長のリズムを桜井が狂わせた」
コーチ 「でしたね。振ってくるはずのない初球のスローカーブが少しだけ甘く入ったところでした」
先生 「三塁線!!」
コーチ 「まさに火の出るような当たり」
先生 「あぁ、これやったか。ってオレもその時ようやく分かったし、阪神ベンチもこのとき分かったんやと思う」
コーチ 「何が分かったんですか?」
先生 「何で番長が、そんなにも長いこと無失点を続けてこれたかという理由や」
コーチ 「なるほど」
先生 「番長は、内角外角のコントロールが抜群や、でもって高目低目のコントロールも抜群で、さらにスローカーブと切れのいいまっすぐで緩急も物凄いつけてくるピッチャーなんは、みんな知ってるわけやけど」
コーチ 「はい」
先生 「その時に、その『投球術』というフィールドに入って、『打撃術』を模索していくことはな、必然的に番長のペースにはまってることになる」
コーチ 「なるほど」
先生 「『術』で対決して勝てる相手やないねん」
コーチ 「確かに」
先生 「仮にな、オレらが若い頃に物凄い美人で頭も良くてこれまで様々な恋愛経験を積んできた女性を好きになってしまったとした時にな」
コーチ 「あ、それ、先生の奥さんのことですやん(笑)」
先生 「仮の話や、仮の!」
コーチ 「はいはい、分かりましたよ。で、そういうスペシャルな女性を好きになってしまったときに、どうしたらいいんですか?」
先生 「恋愛のテクニックで勝負したって、勝ち目あらへんねや。ライバルいっぱいおるし、でも好きになってしまったんや。この気持ちは抑えられへんねや!!」
コーチ 「そら、そうです」
先生 「そしたら、自分のええとこ120%出し切るしかないやろ? 恋愛経験もそないにない、オレらみたいな男がその女性や、その女性の周りに群がる男のフィールドで勝負したって勝ち目ないんや」
コーチ 「夜景が綺麗な高級レストランに、高級外車とかで行く世界に入っていっても、いいとこ出ませんもんね」
先生 「せやねん。だからオレは、植物園にサイクリングで行く計画を立てたんや」
コーチ 「やっぱり、先生の話ですやんか(笑)」
先生 「あ!!」
コーチ 「あ!!ってなんですの(笑)」
先生 「それと同じことや」
コーチ 「よう理解できます」
先生 「番長は桜井に対して、いつものように『術』で勝負しようとしてきた」
コーチ 「百戦錬磨の術師番長VS今年から一軍の桜井」
先生 「せや」
コーチ 「初球、ひとまずスローカーブ」
先生 「これを見逃すことが、要するに『術中にはまる』ことなんやな」
コーチ 「それを桜井は見事に弾き返しました」
先生 「桜井の本能が振りに行かせたんやと思う。『植物園サイクリング打法』や」
コーチ 「ハハハ、ほんまそんな感じですね」
先生 「桜井は、スローカーブを待ってたわけやないと思う。でも、スローカーブは投げた瞬間にスローカーブやって判別が付くんや」
コーチ 「そうですね」
先生 「恋愛を実らすことは、即ち打つこと。桜井は番長が『術』を使おうとしている矢先に『好きです!!』って言うてもうた感じ」
コーチ 「番長、『え?』ってなりますもんね」
先生 「この『え?』が結果的に5得点に繋がったんや」
コーチ 「難攻不落の絶好調の番長から5得点」
先生 「桜井に今、しっかりアニキの姿を見ておいてほしい」
コーチ 「将来の四番ですもんね」
先生 「アニキがどんな打席を送ってるか。何を考えてどう暮らしているのか。今、アニキが戦列を離れたとしたら、タイガースは勝たれへんくなる。物凄い負ける気がする。じゃあ、それはなんでか? それを桜井が毎日肌で感じて野球をしてくれたら桜井は四番バッターになれる」
コーチ 「『四番』は、アニキ、松中クラスの『四番』ってことですよね」
先生 「せや。心技体全てでチームを牽引していく役割やからな」
コーチ 「個人的には四番を外国人選手でまかなうことにはあまり乗り気になれないですしね」
先生 「アニキや松中はまだまだ雲の上の存在やろけど、カープに新井、ベイスターズに村田、タイガースに桜井という感じに早くなってほしい」
コーチ 「昨日の活躍見てたら」
先生 「それは、そんな遠い未来の話ではない」
コーチ 「ですね」
先生 「ほな、難攻不落の番長の扉をこじあけた」
コーチ 「将来の四番バッターに」
先生 「乾杯!!」
追伸
今日は仕事が休みだったのと、
昨日の試合が素晴らしかったのでたくさん書きました。
よかったら併せて読んでもらえると嬉しいです◎
コーチ
● 一年生エース上園と三年生捕手野口
● 岡田彰布が見せた秘策
● みんなのアニキに感謝を込めて
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歌といえば、桜井が打席にはいる時の
「DOOR〜The knock again〜」(コブクロ)は
今の桜井にぴったりだと思います。
こんな気持ちでいてくれるのかと思いながら聞いていると
涙が出そうになります。
28日の試合は途中で代打を出されましたが、わずかの期間で
スタメンに名前があるのが当たり前のようになったんだなぁと
思いました。
今、試合に出ていない今岡や濱ちゃんが戻ってくると
どのようなオーダーになるかわかりませんが、監督の判断を信じて
今シーズンを楽しみたいです。
桜井はもう外せないと思います。
あれだけのスイングスピードを持ちながら、センターに向かって打とうとすることを徹底する選手は相手投手からしても絶対に脅威ですし。
番長からレフト戦に二本打ちましたが、その両方がフェアゾーンに飛ぶのもセンター向いて振ってるからだと理解しています。
阪神時代の新庄とかいい当たりが全部三塁アルプスの方に飛んでましたから(笑)桜井ってそういうもったいないファールがすごく少ないんですよ。だから率も残せる、と。
以上、桜井が必要な技術的根拠っす!
あとは(こっちの方が)肝要ですが、桜井は昨今のタイガースにいないタイプの「うたれ強さ」を持った選手だと思います。
そろそろ「アニキがいなくなる日」の準備は始めなければいけないと思うんです。
林クンが「かわいい」「ピュア」を持ったまま「男らしさ」の方へ進んでいき、桜井が「男らしさ」の方から「かわいい」を身につけていく。この相互のベクトルの時期四番争いが、チームにとってもとてもよい結果をもたらすと思います。
理想は林くん三番、四番桜井やと思うんですけど、さてさて、どこまでアニキに近づけるか、頑張れみんな! 応援しましょう◎
「かわいい」と「男らしい」をあわせ持つ二人になったら、ベースが違うだけにとても楽しみです。
林ちゃんは「かわいい」と「ピュア」が前面に出てると思いますが、林ちゃんは親孝行のようなので人として、とても「強い」人じゃないかなと思います。
コーチさんも林ちゃんと同じような「強さ」を持っている人のように思います◎
桜井は今、アニキを一生懸命見ていると思うんです。そんな桜井が「かわいい」を身につけたらどんな感じになるのかしら。
早く見たいです!
私も桜井の4番賛成です。林ちゃんは5番もありじゃないですか?
「そういえば」と思い出したんですが、
ちえさんの付けてくれたコメントに返信してる時に、「あ、これ面白いかも」と思える切り口を思いつくことが、以前、よくあったんですよ!
でまた、桜井と林クンの、この「相互の矢印でアニキへ向かう四番争い」って、けっこう面白いかも、って(笑)
試合のない日にでもこのテーマを掘り下げてみようかな、と思います!!
いつもありがとう◎
林クンの五番ももちろんアリですよね!
二人にどっかり軸になってもらいたいと思います◎