コーチ 「ね・・・」
先生 「いっぱい空振り取った、ストレートでいっぱい空振り取った!!!」
コーチ 「でした・・・」
先生 「なんや、コーチ泣いてんのか? オレより先泣くなんか反則やぞ!!」
コーチ 「いいじゃないですか。たまには先に泣かしてください」
先生 「センチメンタルすぎるぞ!!コーチ、センチメンタルすぎるぞ!!!」
コーチ 「よかった、本当によかった・・・」
先生 「コーチ!!!」
コーチ 「はい」
先生 「球児、最離陸開始や」
コーチ 「そうですね」
先生 「矢野のリードもよかったなぁ」
コーチ 「やっぱりまだ不安があったんでしょうね。アレックスに対してカーブから入りました」
先生 「ストレートしか待ってなかったアレックスは完全に打つ気なしの見送りやった」
コーチ 「カウント1−0からのストレート一本に照準を合わせて構えてました」
先生 「矢野が出したサインは」
コーチ 「裏をかかない、誰もが投げると思ったストレート」
先生 「このストレートを全部ファールされたスワローズ戦」
コーチ 「二日休んだ球児は、そのスワローズ戦の憂鬱を」
先生 「真正面から断ち切った」
コーチ 「二球目の予告ストレート」
先生 「アレックスが空振り」
コーチ 「球児も矢野も『よし、いける』って思ったでしょうね」
先生 「カウント2−0でストレートと変化球両構えを取らざるをえない場面を作った」
コーチ 「一球ストレートを外に投げて、カウント2−1、矢野はストレートで決めにいった」
先生 「ストレートで空振りの三振を取ることが、これからの球児の背中を押す」
コーチ 「頑張れ、球児」
先生 「やけど、決めにいった高目のストレートをファールされてしまう」
コーチ 「シーツが取れるかも、って飛球でしたけど、取れなくて結果的に良かったですよね」
先生 「確かにそうやな」
コーチ 「決めにいったストレートを当てられたことで、変化球を混ぜる選択をした矢野」
先生 「『絶対アウトにする』ということを優先したんやと思う」
コーチ 「だけど、カウント2−1からのカーブが外れて2−2」
先生 「初球のカーブを見送って、二球目のストレートを空振りしたアレックス」
コーチ 「五球目のカーブを見送った後の六球目、矢野が出したサインは」
先生 「ストレート」
コーチ 「アレックスのバットが空を切り」
先生 「弾丸ストレートが矢野のミットへ、ズバーン!!」
コーチ 「ストレート、空振り三振!!」
先生 「やけどまだまだ気は抜かれへんかった」
コーチ 「次の廣瀬はこの三連戦とても好調でしたからね。少し調子を崩してた、栗原や新井や前田よりも、対球児としてはカープサイドから見て最もいいバッターやったと思います」
先生 「ミートするのうまいしな」
コーチ 「廣瀬に対して、初球はストレートで入りましたがそれが外れてボールになります」
先生 「スワローズ戦やったらここで間違いなく変化球でストライク取りに行ってた。真中に打たれたヒットとかこのパターンやったしな」
コーチ 「カウントを取りにいくところでストレート投げるのが怖かったんですよね。そのくらい球が走ってなかった」
先生 「やけど、おそらくはアレックスに二球空振り取れたことで」
コーチ 「矢野は信じたんでしょう。多少リスクはあっても、球児の完全復活を最重要事項において配球を組み立てた」
先生 「カウント0−1からの二球目」
コーチ 「ストレートでした」
先生 「しかし、好調の好打者廣瀬それをバックネットへファール」
コーチ 「いやなファールでしたね」
先生 「打てる可能性のあるファールやった」
コーチ 「それでも矢野はストレートを投げさせた」
先生 「『球児来い、大丈夫や』」
コーチ 「カウント1−1から、ストレート」
先生 「これもファール」
コーチ 「空振りは取れないものの、カウント2−1と追い込んで決め球」
先生 「ここ最近、ここで投げるストレートをことごとくファールされてた球児に」
コーチ 「矢野が要求したボールは」
先生 「ストレートやった」
コーチ 「ズバーン!!」
先生 「ズバーンの瞬間、矢野、ガッツポーズやったな」
コーチ 「まだ2アウトやのに」
先生 「それほど大きな意味のある、ストレートでの空振り三振やった」
コーチ 「終わってみれば、最大の難関廣瀬を」
先生 「全球ストレートで仕留めることができた」
コーチ 「球児が、球児へと還ってくる」
先生 「やけど、2アウトランナーなしで石原」
コーチ 「確かにそんなに怖いバッターじゃないんですけど」
先生 「似てるんよな、スワローズの福川と」
コーチ 「同じキャッチャーですし。得意なコースとか、決めうちしてくるとことか。三塁線に引っ張られた福川の打球が頭を過ぎりました」
先生 「ひとまず矢野は初球をカーブで入ってストライクを取った」
コーチ 「一呼吸入れようって感じでしたね」
先生 「1ストライク取ってからいざテイクオフへ準備完了や」
コーチ 「二球目はストレート」
先生 「これは、ファール」
コーチ 「三球目もストレート」
先生 「これはボール」
コーチ 「カウント2−1になって、いよいよ決め球」
先生 「確率的には低目に落ちる球が最も高かったと思う」
コーチ 「ここまで一球も投げてなかったですしね」
先生 「やけど、矢野が要求したボールは」
コーチ 「やっぱり」
先生 「高目のまっすぐやったんや」
コーチ 「そして三度目の」
先生 「ズバーン!!!!!」
コーチ 「三者連続、ストレートで空振り三振!!!!!」
先生 「球児自身が投げ込んだ、その弾丸ストレートに乗って」
コーチ 「低い位置を猛スピードで加速し」
先生 「そして再び」
コーチ 「球児は大空へと飛び立った」
先生 「自分を信じた矢野さんに、自分を信じて投げ込んだストレートで」
コーチ 「球児は球児へと還っていった」
先生 「夏の夜の出来事です」
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こんにちはー☆
配球の意図とかまったくわからないド素人なので、いつも球児が出た時点で勝った勝ったー♪と思ってました・・・
そんな球児でも自信を失ってる時もあるわけで、捕手はリードすることでその自信を取り戻させたり自信をつけさせたりもしてるんですね。
そして、その自信を取り戻させた球を受けて勝つから、あの球児に駆け寄る矢野の笑顔なんですね。
ピッチャーの野球人生はどんな捕手と出会うかでも全然違うと思います。
このコーチさんと先生の会話を読んで、球児が矢野に受けてもらうピッチャーで良かったなーと、思いっきり矢野贔屓で感じてしまいました(笑)
前回の投球、コーチさんの記事と同様にめっちゃ心配してたんですよ。“球児・・いくら打たれてもいいから無事でいて”って(苦笑)
でも球児はあのストレートと矢野さんの笑顔と一緒に還ってきてくれました。球児が笑ってストレート投げれてたら、それでいいです。
ついでで申し訳ないですが(笑)、関本の2番、ボクも大賛成なんです。やっぱり気も使えて野球頭めっちゃええ人ですから。何度も何度もマウンドの投手のトコに行くのも、ホンマ素晴らしいし。
しかもついに名手とか?藤本もバント他球転がす事に磨きかけて、巻き返して欲しいんですけどね。
ぼくもねぇ。球児を受けるキャッチャーが矢野さんで本当に良かったと思います。球児は「優しくされたら」→「そのぶん絶対、頑張る」という人やと思うから。矢野さんのリード優しいですもん。
いい意味での鈍感さがない球児は物凄い張り詰めていつも投げてると思うんです。それを矢野さんもも共有してあげてるんやと思います。
そんな張り詰めた状態で、しかもキャッチャーは自分で投げれないですから、投げてくれってお祈りして、そこに来て、三振取れて安心して、
矢野さんむっちゃ笑顔ですよね。
>tscbさん
なんとか、復調軌道に乗れましたよね。
三者三振。空振りで。決め球ストレート。凄く大きかったと思います。
東京でエンジン全開フル回転の投球が見たい。次はストレートに拘る必要ないですからね。
ストレート狙ってた二岡がクルっとまわって三振。が、見える(笑)
復活するためのストレート。それを1ゲームで決めてしまった球児は本当に立派やったと思います。
関本はたぶん、濱ちゃんが好調という条件付で、相手投手が左の場合、赤星を外して濱ちゃん。二番セカンド関本。って感じなのでしょうかね。彼はいい人だろうから、何番でも構わないのだろうけど、本音言うと二番打ちたいって感じがしますね。チーム全体がそういう動きになっていけばいいなぁと思います。
藤本はまだ定義されてるポジションじゃないけど、「守備固め」ではない「抑えのセカンド」ってジャンルを確立しかけてませんか?笑
途中から出たら打ちますもんね。
投手に「リリーフ向き」があるように藤本も7回の守備から出て、8回の一打席でヒットを打つのが向いてるのかも分かりませんね(笑)
>tscb
抑えのセカンドかあ、なるほどなあ。ファイターズ中嶋の“抑え捕手”を更に細かく進化したようなポジションですね。確かに藤本は抑え向き?、よく後半回ってきたチャンスでヒットますもんね!もし延長になっても使い勝手いいし(笑)
基本は関本やと思うんで、彼の明確なポジション探してたんですよ、守備固めは少し寂しいし・・ありがとうコーチさん。
こんなことで感謝されてなんかラッキーです(笑)「抑えのセカンド」というフレーズは、コメントの返信しながら思いついたことだったのですが、記事にも使っちゃいました。こちらこそ、ありがとうございます◎
いいことなのですが久保田もしっかりしちゃって、若手の選手もみんな凄いじゃないですか?
その中二年前によく書いてた「よくやった」の話。藤本は今、一番「よくやった感」の出る選手やと思います。ピッチャーは相変わらず杉山やけど(笑)
だから試合の終盤で藤本がセカンドに入ってファインプレーしたりもしますよね。その時にレフトで「藤本ようやった」ってアニキが思うことが、空気をよくして、そのあと最高の雰囲気の中で球児を送り出せることに繋がるのかもしれません。
「抑えのセカンド」きっと大事なポジションですよ◎