2007年08月20日

三つ巴

京セラドーム最終戦。
タイガースはカープ大竹に完封負け。

フェルナンデスの翌ゲーム。
こういう課題が浮き彫りになるんだなぁ、と勉強になった試合でもあった。

アフター、フェルナンデス。

確かに大竹は良かったが、第二戦の後「フェルナンデス」の「アフター」ということを軽んじた結果だと思う。

プロ野球の選手がフェルナンデスのボールを打つという行為は、例えばぼくらで言えば公立高校の高校入試の問題を解くくらいの難易度ではないかと思う。

落ち着いてやれば、7割くらいは解ける。でも「こんなの全然覚えてないし、久し振りすぎて分かるわけない」ってなれば、本来7割取れるものも、そこまで達しない可能性が十分ある。「解けて当たり前」って思いすぎて力みかえるのもまた同じ。重要なことは、どれだけ落ち着いてその対象と向かい合えるか。ニコッと笑って「うんうん」と頷きながらやるくらいのイメージが丁度いい。

赤星の「無理して打ちにいかず、フォアボールで出塁して盗塁しよう」という姿勢や、シーツの一二塁間の方向に向かって打ったヒットなどが顕著にその姿勢を現していたと思う。
「落ち着いて、一問、一問」

フェルナンデス攻略は完璧だった。

ただ、そうやって気分を良くした翌日に難関大学の入試問題だった。
広島にある「大竹大学」。学部によっては、早稲田慶応レベルの難易度だ。知らない英単語がズラッとならぶ長文。さらに問題文も英語。
試合によっては、ラクな学部の問題であることもあるのだけど、昨日は最難関の学部の問題だった。

もちろん、虎予備校の生徒たちは、その対策をしていないわけではない。知らない英単語が並ぶ長文に対応するための訓練もこれまで何度もやってきた。分かるところから攻略していき正解にたどり着く、時間はかかってもそのことをできる可能性は秘めてはいた。

だけど昨夜、一旦、脳を「ニコッと笑って一問、一問」という状態にシフトしてしまったものだから、急に難問を前にして、いったいどこに焦点をあわせればいいのか分からない。分からないまま勘で解答を選択する。やはりそれでは当たらないのだ。知ってたはずの難問対策に焦点を合わせる前に試験時間が終わってしまった。

惨敗。


という感じだったかなぁ。。

まぁこれはこれで仕方がない。「アフターフェルナンデス」について意識しながら野球できるほど、余裕のある戦いをしているわけではないし。次、この機会が来たらしっかり準備して、のぞんでほしいと思う。お風呂に入って一日の疲れを抜き取るとうに、試合後ほんの5分でいいかもしれない。「フェルナンデスと対峙していた自分」を抜き取るためにバッティングマシンを145kmくらいに設定して、しっかりセンターへ打ち返す練習をしてから帰る。そういった対策は必要かも知れない。やはり、それほど特殊な投手だ。

逆に言えばカープは、三連戦の頭にフェルナンデスを持ってきて6回くらいまで投げさせる。その試合は負けても次の試合で大竹、その次の試合で長谷川が抑えやすくなる。みたいなそういう作戦も有効かと思えた。シーズン終盤だけど(笑)

ラッキーなことに移動日が入ったので、混乱した状態をリセットできる時間が与えられた。今日を有意義に過ごしていてほしいと思う。

明日からスワローズ三連戦。

スワローズはジャイアンツ戦でグライシンガーが投げていたので、幸い当たらない。グライシンガー以外なら、完璧なピッチングされなければなんとかなる。

大きなうねりの中で、確かに上り調子のチームも、当然全勝できるはずもなく、昨日のような負けももちろんあるだろう。大きな下降線に入ったジャイアンツは例の『上原騒動』(自身のHPにチームにやる気のある選手とそうでない選手がある、というような内容を書いたこと)に阿部がサヨナラ満塁弾という決着のさせ方を見せた。

タイガースにおける『金本談話〜走塁編〜』は、見事なまでの影響力で、さらにその影響力は長きに渡って持続され定着しつつあるとすら言える。ランナー1塁から2塁打で一気にホームまで。『金本談話』以降、何度となくそうやって得点するシーンを見た。タイガースの快進撃の理由に『金本談話』は絶対に欠かせない要素である。

ジャイアンツにおける『上原騒動』もまた、それになりうる力を秘めていると思う。東京ドームでタイガースと引き分けて以降、下降線を辿る一方に見えたジャイアンツに差した一筋の希望の光。諸刃の剣に見えたその光だったが、それを阿部がサヨナラ満塁弾で大きく輝かせた。

さぁ、乗ってくるかジャイアンツ。

井端とウッズが打って負けた初戦から、なんとか連勝したドラゴンズ。強い勝ち方じゃないけど、「結果的に勝つという強さ」を見せ始めたドラゴンズと、東京ドームで首位攻防戦。

いやいや、面白くなってきた。

上位三チーム。それぞれに弱い部分を抱える。
ジャイアンツの弱さは、感度の不統一から来るチームとしての脆さ。
ドラゴンズの弱さは、福留不在。
タイガースの弱さは、アニキの状態。
ゆえに逆にこれを強さに変えることができれば、そのチームが一気に抜け出すはずだ。

ジャイアンツは「原辰徳」というアンテナに、全員が結集できたとき、おそらく爆発的に強い。原監督もまた考えすぎる人のように感じる。選手が結集してくれた状態で監督がいい気分になったとき、その感度は飛躍的に覚醒し、采配はズバズバ的中するだろう。

ドラゴンズは、福留不在の打順を「これだ」と決定できれば強い。まだ迷っているように見える。三番に福留の代役を入れるか、三番に井端を入れて一番に若い選手を抜擢するか。タイガースサイドから見て最も怖いのは、やはり井端が三番に座り、一番に堂上兄や英智といった「なんかやりそう」という雰囲気の選手がおさまってしまうこと。
5番森野、6番中村紀という並びがやはり一番怖いし、井上は7番をうっている時が最も怖い。「なんかやりそうな1番堂上」が初球をバチーンとライト前にヒット。「なんかやりそうな雰囲気」のまま、二番荒木が送って、1アウト二塁で井端、ウッズ、森野、ノリ、井上、谷繁・・・ 井端に粘られてフォアボールで出してしまおうものなら、ウッズに3ランで一気に試合を決められかねないし、ウッズも警戒してフォアボール出しちゃったら、満塁で森野、ノリ。それこそ試合が決まる可能性が高い。
「福留不在」を克服した時のドラゴンズ。これは圧倒的に強いように思う。

そしてタイガース。

アニキの状態はやはり深刻に見える。しかし、今年はこれまでにない「金本イヤー」なのだ。アニキがいたからこそ、ここまで来れているわけで、アニキが四番にいない優勝を「優勝」とは呼びたくない。本人が決断すれば話は別だけど、そうでなければ、いくら本来の打撃ができなくとも、一ファンのぼくはその姿をしっかりと応援したい。そして、アニキ以外の選手たちに、アニキのぶんまで打ちまくって優勝してもらいたい。ある日は桜井が打ち、ある日は赤星が走り、ある日は鳥谷が決める。またある日は関本のファインプレーで、あくる日は矢野の好リードで、ある時、林クンがホームランを打って勝っていってほしい。アニキの負傷を全員でカバーする。それが実現できれば、タイガースは当然強い。

ナゴヤドームの三タテで一気に加速したタイガース。
先日の東京ドーム、巨人―阪神戦の延長12回。京セラドーム中日戦でのノリのスクイズ、三戦目の監督退場。

ナゴヤでの中日―巨人戦では堂上兄がサヨナラ弾を放ったり。

上位三チームの直接対決はペナントレースのキーとなりうるシーンが必ず何かある。

ドラゴンズが来週は山場。巨人、阪神連続のカード。

東京ドームで何が起きるかによって、ナゴヤでの中日―阪神戦の内容はいかようにも変化するだろう。

タイガースはヤクルト相手にしっかりとした野球を取り戻すこと。低目の変化球を振らない。厳しいところはファールにして、甘くなったところを打ちにいく。できていたことをやっていこう。「アフター、フェルナンデス」は一試合で克服だ。
しっかりとやる中で、1度負けてもいいだろう。しっかりやれば2度勝てる。はず。大事なことはしっかりやること。ことのほかフェルナンデスショックは強く、今は強く思いすぎるくらいでいいかもしれない。そしたらいつの間にかまた安定してくる。

毎週、毎週見所満載。
週一の休み、見るほうにも必要だと思えるくらいに内容が濃い。


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posted by コーチ at 17:42| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ ペナントレース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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