2007年08月31日

振って振って優勝するんや

先生  「シーツの送りバントのシーンやけどなぁ」
コーチ 「はい」
先生  「結果的に桜井のタイムリーをお膳立てした形になったけどな」
コーチ 「ええ」
先生  「あれ、サインか?」
コーチ 「ちょっと分からなかったんで、画面の監督の顔から察しようと思ったんですけど、たぶん、シーツが自分でやったんちゃうかなぁ?」
先生  「確かに後ろのピッチャー考えたら6回裏は8回裏ともいえるけど」
コーチ 「1点取ったらほぼ勝ちですからね」
先生  「やけど、6回は6回で、まだ相手に3イニング攻撃が残ってるわけや」
コーチ 「ですね」
先生  「これやられたら久保田もジェフも球児もしんどいで」
コーチ 「3イニングを絶対無失点っていう野球になっちゃいますもんね。『結果的に無失点』じゃなくて、無失点しか許されないような窮屈な投球を強いられてしまうとぼくも思います」
先生  「実際昨日はバントしたシーツがタイムリーエラーして一点失ってる。センター前に二本連続ポテンヒットっていう不運のあとでや」
コーチ 「月並みですけど、何が起きるかわからないですからね」
先生  「1アウトで1塁に赤星。打席にシーツ。ここで作戦があるとすれば、盗塁やと思う」
コーチ 「赤星、首の状態もあまり良くなさそうですしそんなにガンガン走れないんでしょうけどね」
先生  「やったら、シーツの二塁打で一点取ろうとするのがベストや」
コーチ 「せや、思いますね」
先生  「もし、あのバント自分でやったんやったらな」
コーチ 「はい」
先生  「厳しい言い方やけどシーツは3番を放棄してるとも言える」
コーチ 「ダブルプレーにならないためだけやったら3番に関本いれてた方がいいですもんね」
先生  「そういう意味合いで3番に関本入れたんやったら、無論あそこはバントやし、初回だってバントや」
コーチ 「『エンドランやるかもよ?』って見せかけてバントとかもできますしね。関本そういうの好きそうやから」
先生  「やけど、シーツは赤星がランナーにおっても初球から打っていっていいことになってるやろ」
コーチ 「見てたらたぶんそういう決まりごとになってますね」
先生  「これは言うたら特権やで。星野さん時代の3番金本にその特権はなかったわけやから」
コーチ 「ですよね」
先生  「じゃあ、この特権はなんとためか言うたら、当然ヒットを打つ可能性を上げるためやと思うねん」
コーチ 「2ストライクまであれこれ作戦の中の打席を過ごして、カウント悪くなったから『打て』言われてなかなか打てるもんやないですからね」
先生  「初球からしっかり打ちにいって3球のストライクの中で勝負できるようにしてるわけや」
コーチ 「ピッチャーからしても、それはそれで簡単にストライク取りにいけないですし、ぼくがピッチャーやってた頃も、迷わず『打ち』って作戦はけっこうイヤでした」
先生  「ただその時に、『打ち』に『迷い』が出るとな」
コーチ 「一転してむっちゃラクですね」
先生  「ダブルプレーを怖がっている時点で打てる範囲が急に狭くなるしな」
コーチ 「だからまぁあの場面も『迷い』があったからバントしたって言うんやったら辻褄が合ってる言うたら合ってるんですけどね」
先生  「だけども、岡田さんが最近再三言うてる『気持ちで打たなあかん』って言うのは、ああいう場面での『迷い』との格闘であったりとかそういうことも含んでいると思うねん」
コーチ 「強くなれ、って」
先生  「あそこでバントしてたら、いつまで経ってもシーツはあんな感じのままやもん」
コーチ 「そんな感じのまま引退してほしくないんですよね」

先生  「逆にな、カープはよう仕掛けてくるわけやけど、仕掛けてくるチームの守りって見てて思ってんけど」
コーチ 「過敏ですよね」
先生  「昨日、岡田さんが一回だけサインらしいサインだした場面が5回裏やった」
コーチ 「葛城が1塁。打席に矢野でカウント2−2でエンドランでしたね」
先生  「やけど、矢野のファールが三塁戦のボテボテのゴロやったことを考えると、ランエンドヒットやったかも知れん」
コーチ 「そうですね。葛城の走力考えたら、けっこうギャンブルですけど。インコースよりにシュート系の球で、エンドランのサインでそれを引っ張るようなことはないでしょうから」

* 野球未経験者の方へ「用語解説」
ヒットエンドラン・・・文中表記は「エンドラン」。投球と同時にランナーがスタートを切って、バッターが打つ作戦のこと。ランナー1塁の場面で使われることが多い。ライト前ヒットで1塁3塁の形を作ることが理想。この際、打者は原則どんな球でも振りに行かなければならないのがエンドラン。ボール球でもボテボテのゴロを転がしてランナーを進めれば良しという作戦。

ランエンドヒット・・・エンドランと似た作戦だけど、微妙に違うのは打者がストライクの球のみを打つ作戦であるということ。ボール球ならば見送る。その際当然「盗塁」と同じことになるので、一塁ランナーの走力があるか、ほぼ確実にストライクを投げてくるだろうという場面でかつコントロールのいい投手の場合しかなかなか使えないサイン。エンドランよりもギャンブル性は高いが、バッターが普通に打ちに行くため、長打が出る可能性もあり、一気に一点が入ることもある作戦。

先生  「用語解説は済んだ?」
コーチ 「はい、済みました」
先生  「確かに、ヒットエンドランとランエンドヒットはややこしいわな。テレビの解説とか平気で注釈なしで喋るけど」
コーチ 「テレビはほんまにその辺、雑やと思います」
先生  「で、話戻すけどな」
コーチ 「はい」
先生  「カープの方がこの矢野のエンドランかランエンドヒットか分からんかってけど、この作戦にやたら過敏になったことが問題やと思うねん」
コーチ 「でしたね」
先生  「黒田対矢野って、阪神ファンが見てても、ちょっと期待できなんなぁ、って感じや。『三振でもいいから気持ちのある空振りで終わってくれ』ってそんな感じやったもん」
コーチ 「でしたね。ところが黒田がそわそわしだすんですよね」
先生  「過敏やなぁって思った」
コーチ 「で、エンドラン警戒してなのか、もう一球シュート系の球を投げて、それがちょっと甘く入ってレフト前」
先生  「矢野がヒットで出塁してしまう」
コーチ 「で、なんかリズムが悪くなった黒田が関本を追い込みながらもカウントを2−3にまでしてしまったり」
先生  「関本はなんでか全然あかんかったからなぁ。初めてちゃんとバット振ったん三打席目やで。一打席目なんか全球見送りの見逃し三振やった」
コーチ 「だけど、一つのエンドランがなんか変な流れを呼びましたよね」
先生  「で、結局関本は三振で、代打の桧山」
コーチ 「黒田も2アウトになってようやく吹っ切れたか、これは見ごたえのあるいい勝負でした」
先生  「際どいコースのフォークボールを桧山が見極めたり」
コーチ 「ストレート待たれてそうな場面でのまっすぐが153キロで桧山がそれに振り遅れてファールとか」
先生  「エース対切り札の真っ向勝負」
コーチ 「結果は黒田に軍配でしたけど、桧山にいたるまでの過程で黒田が疲弊したことは確かですよね」
先生  「で6回のシーツ送りバント、アニキ敬遠。桜井の決勝打へ繋がっていった、と」
コーチ 「阪神ファンから見てると、エンドラン一つで過敏に反応してくれたらむっちゃラクでしたし、桜井と勝負してくれたことで勝機を感じたことは確かでした」
先生  「黒田博樹という物凄い大エースを最大限解放しない敬遠やった気がする」
コーチ 「1点取られたら負けの場面で、ランナー二塁に井端。球児がウッズを敬遠して森野と勝負するようなもんですもんね」
先生  「そういう時は、ウッズと勝負してほしいもん。エースやから」
コーチ 「逆に杉山は全然まだまだエースじゃないですけど」
先生  「ここ一番でええ球投げたよな」
コーチ 「あんだけランナー溜まっても、あんまり失点する感じがなかったです」
先生  「打線になかなか定着しない『振る』が、ピッチャーにはしっかり備わってるんやでな」
コーチ 「『腕を振る』ですよね」
先生  「杉山のここ一番、栗原を三振に取ったストレートとか」
コーチ 「桜井の『まっすぐ』と決めて打ったホームランと『シュート』と決めて打った決勝打」
先生  「その前の赤星の『ゴロ』と決めて打った内野安打も素晴らしかった」
コーチ 「桜井があれだけ振れるのは、もちろん桜井が偉いですけど、振らしてきた岡田体制の賜物という風にも見えます」
先生  「杉山にしてもそうやしな」
コーチ 「確かにそれでうまくいかない日もあるけど、全員が強くそのことをやろうと心がけることができれば」
先生  「そのチームが一番強いと、オレは思う」
コーチ 「その中でのシーツは当然二塁打を打ちまくるシーツなわけですから」
先生  「もし、自分でバントしたんやったら、それで良しとせんといてほしいと思うんや」
コーチ 「もしサインやったとしたら、シーツは相当危機感持たなヤバイですしね」
先生  「あれだけ『打て』っていう監督が、それを諦めたわけやからな」
コーチ 「ピッチャーのストレートと同じでね」
先生  「おう」
コーチ 「ストレートがあるからこその変化球ですもん」
先生  「せやな。『打つ』『振る』がしっかりしてない中の作戦は結果的に自分の首をしめていくことになるとオレも思う」
コーチ 「『打つ』がしっかりしてない中で、バントと内野ゴロで加点して勝っても、それじゃ日本一まで辿り着けへん」
先生  「チーム状態が苦しくなった今やからこそ、『振る』という鍛錬を積むことがチーム力を大きく飛躍させる」
コーチ 「残り30試合。ここから飛躍できるとすればいいタイミングかも知れません」
先生  「シーズン最後の試合終わる時点で最高潮を迎えられるかも」
コーチ 「そのために今、振ってるんですよね」
先生  「赤星、アニキ、桜井、葛城、桧山。試合出てないけど狩野や第二戦見てる限りは高橋もそれができてる。浜ちゃんはできつつある、って感じかな?」
コーチ 「ピッチャーは球児、ジェフ、久保田はもちろん。渡辺、江草、安藤もダーウィンもよかったですし、杉山、能見、ボギー、上園」
先生  「下柳先輩は丁寧に投げようとしすぎてるから、その『丁寧さ』と『思い切り』のバランスを取り戻してからやな」
コーチ 「ですから、その現在『振る』『腕を振る』ができてる人の場所へ、今できなくなってる人たちが必死こいて向かう」
先生  「その間に、林クンも戻ってこれるといいけど」
コーチ 「あの苦しい場所からチームを支えた大きな功労者ですからね」
先生  「最高のチーム状態で林クンを迎えたい」
コーチ 「そして、今岡、福原」
先生  「シーズン序盤から中盤にかけて、狩野を皮切りにガンガン若い選手が出てきたやん」
コーチ 「今年の象徴ですよね」
先生  「そして終盤はベテランが決めるって最高やけどな」
コーチ 「安藤を皮切りに、福原、今岡」
先生  「そこに林クンも戻ってきて」
コーチ 「クライマックスシリーズ」
先生  「そこに向かうための導火線に桜井が点火した」
コーチ 「中堅どころがまずその火を大きくしてほしいですね」
先生  「鳥谷、関本、浜ちゃん、藤本」
コーチ 「ほんでおいしい所を今岡が持っていったら、みんなで殴りましょう(笑)」
先生  「涙の殴打や(笑)」
コーチ 「そしてアニキが宙に舞う」
先生  「そのための苦しい戦いが今、始まって」
コーチ 「ぼくたちはその伝説の証言者となりたい」
先生  「さぁ、こっからやで!!」
コーチ 「久し振りにこれで締めますか」
先生  「せやな」
コーチ 「2007年、阪神タイガース、奇跡の逆転優勝を願って」
先生  「乾杯!!!!!」


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posted by コーチ at 09:13| Comment(0) | TrackBack(0) | □監督 岡田 彰布 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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