2007年09月21日

対グライシンガー

先生  「さぁ、神宮や!」
コーチ 「いよいよですね」
先生  「ジャイアンツ三戦目のショックも一日空いたことで、なんとなく落ち着いたよな」
コーチ 「現場もそうやといいんですけどね」

先生  「で、グライシンガー」
コーチ 「初戦に来るみたいですね」
先生  「で、川島」
コーチ 「二戦目、みたいですね」
先生  「で、石井一久」
コーチ 「三戦目です」

先生  「なー!!!!!(頭、抱える)」
コーチ 「確かに『なー!!』です」
先生  「難しいローテーションと当たってしまったなぁ」
コーチ 「まぁでもそれは仕方ないことですからね、どのピッチャーであっても打つしかない」
先生  「でもな」
コーチ 「はい」
先生  「オレ、思うんやけどな。グライシンガーと川島の二試合ってもちろん打ちにいかなあかん、勝ちにいかなあかんのやけど、もし結果が出なかったときに、その敗戦を受け入れやすいというメリットはあるなぁと思うんや」
コーチ 「弱気な発言のようですけど、ぼくも賛成です」
先生  「対内海の試合で、相当リズムが崩れたんは確かやねん。それを慌てて戻そうとしてよりドツボにはまるほうが怖い」
コーチ 「確かにそうですよね。『データとか関係ない、気持ちや、絶対勝たな』ももちろん大事なんですけど、調子が悪くなった時に前のめりになることは、決していいことばかりではないと思いますもんね」
先生  「ということで、コーチ」
コーチ 「はい」
先生  「白熱の優勝争いやねんけども、やることは実はいつもと一緒で『野球』やん?」
コーチ 「そうですね、うん」
先生  「グライシンガーをふつうに攻略するには何をやったらええんや?」
コーチ 「そうですね。『ふつうに攻略しよう』って一生懸命やる、その上で攻略できたら勝てる、できなかったら負ける。今日の試合はそれでいいですよね。まず、『ふつうに打とうとすること』」
先生  「心を落ち着けて、自分のやってきたことを信じて、まずブンッと振る。そこからよな」
コーチ 「はい、そう思います」
先生  「ところで、早く質問に答えてほしいんやけど」

コーチ 「ああ、グライシンガー攻略の糸口ですよね」
先生  「せや」
コーチ 「もちろん、素晴らしいピッチャーやから、完璧に投げられたら全く打てないのも仕方ないという前提ですけどね」
先生  「おう」
コーチ 「直近の二試合でグライシンガー、それぞれ中日戦で4失点。横浜戦で5失点してます。しかも両方とも一イニングに4点取られてしまっている」
先生  「せやったせやった。特に中日戦は初回に井端から六連打で一気に決めたんやったよな」
コーチ 「でしたね。もちろん、それができれば言うことないですけど、初回と2回は焦ることないと思います。第一打席は対内海戦で崩れてしまったリズムを修正しようと一日かけてみんなやったと思うんで、それをしっかり表現すればいい」
先生  「なるほど、まず自分自身がしっかりせなな、自分のチーム状態を見極めること、その上でそれを受け入れてしっかり振ること、基本やもんな」
コーチ 「そうやと思います」
先生  「で、それを踏まえてどうしていったらいいんや?」
コーチ 「グライシンガーの対戦被打率がね、対右打者が.260 対左打者が.207なんですよ」
先生  「グライシンガーから見れば、左打者の方が抑えやすいんやなぁ」
コーチ 「データ的にはそうですね。たぶん、左バッターの膝元に来るチェンジアップが相当打ちづらいんやと思います」
先生  「右バッターやったらそのコースなんとかファールにできる可能性があるんかもな」
コーチ 「ですね。なので、対策ですが」
先生  「おう」
コーチ 「目標は三回ノックアウトです。グライシンガーの中に『最近、序盤に大量点取られてる』っていうのがあると思うんで、ひとまずそこをつきたい。心がグラグラ、グライシンガーになったら勝機も出ます」
先生  「グラグラグライシンガーな(笑)」
コーチ 「ほな、笑けるほど理想の青写真いきますよ(笑)」
先生  「笑けるほどいっとこ」
コーチ 「まず初回は鳥谷、赤星二人でインサイド低目のチェンジアップを『簡単に振りません、ぼくらは』という意識付けをしたい」
先生  「なるほど」
コーチ 「さらにそのことを念頭に置きつつもカウント1−0や1−1の場面で狙ってる球が来たら、思いっきり振っていきたいです。それで打ち損ねて凡打になっても構わないと思います」
先生  「まずは振ることやもんな」
コーチ 「願わくば赤星が出塁して1アウト1塁でシーツ。ここでのシーツが外の変化球を引っ掛けてボテボテのサードゴロを打ちます」
先生  「速い球を内野フライよりはいいなぁ」
コーチ 「序盤のシーツは最近打てませんからねぇ(笑)」
先生  「ということで、赤星が二塁へ進塁した」
コーチ 「2アウト2塁でアニキ。ここでアニキを警戒したスワローズバッテリーがフォアボールで、桜井」
先生  「調子も上がってきた桜井、期待できる」
コーチ 「際どいコースをファールで逃げる桜井。だけど、最後はインサイドのストレート、いい当たりで二遊間に飛ぶんですけど宮本が好プレーで、無得点」
先生  「リアルリアル」
コーチ 「2回は葛城も鳥谷、赤星と同じようにインサイドのチェンジアップ簡単に振りませんよアピールの中、ストレートに詰まってファーストゴロ」
先生  「うん」
コーチ 「矢野は頑張るけど三振」
先生  「うん、矢野は頑張ってくれたらそれでええ」
コーチ 「で、関本は前のグライシンガーとの対戦の時も相当粘れてるんですよね」
先生  「せやったせやった」
コーチ 「ということで、わりと簡単にストライクとって来ると思うんで、その球を関本がバチーンとレフト前」
先生  「9番まで回って安藤が三振、でええかな」
コーチ 「そんな感じやと思います」
先生  「で、勝負の三回や」
コーチ 「『インサイドのチェンジアップはなかなか振りません』を印象付けておければ、先頭の鳥谷は若いカウントで外の速いボールを中心に待てます。それをレフト線へカーンと2塁打」
先生  「来た来た」
コーチ 「赤星送らずに、フォアボールで出塁。これで、ノーアウト1塁2塁になります」
先生  「そして誰もがダブルプレーのことが気になるシーツは」
コーチ 「けっこうこういう場面になると打つかなと思うんですけど、速いストレート打ち上げてセンターフライ。凄く悔しがる」
先生  「ありそうありそう」
コーチ 「1アウト1塁2塁になって、アニキがライト前へ強い打球、微妙なタイミングも鳥谷が一気にホームまで帰って来て、ホームイン!」
先生  「アニキー!!!ってなるところやな(笑)」
コーチ 「で、1点取られてランナー1塁2塁、序盤の大量点が気になりだして、心がグラグラ、グライシンガーになってくれたところで」
先生  「桜井!!」
コーチ 「レフト線へ凄い当たり!!」
先生  「アニキが一気に大激走で一塁からホームイン!」
コーチ 「さらに葛城がレフト前へ!!」
先生  「桜井がホームイン」
コーチ 「これで4点。3回KOです(笑)」
先生  「ほんま笑けるけど、不可能ではないよな」
コーチ 「やと、思うんですけども。対グライシンガーって負けてる二試合、両方とも大差なんですよね。下柳先輩が乱調やった甲子園と、杉山がユウイチに満塁ホームラン打たれた神宮」
先生  「序盤競れたら、また違ってくるかも知れんしな」
コーチ 「安藤なら大丈夫でしょう!」

先生  「で、もしうまくいかなくても」
コーチ 「今日はグライシンガー凄かったで、終わらせればいい」
先生  「勝負はまだ先、とは言わないけど、今日で全てが決まるわけではないからな」
コーチ 「そう思います」

先生  「ほな、京浜遠征いっぱい勝って、マジック出ますように!!」
コーチ 「頑張れ、タイガース!!!!」


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posted by コーチ at 12:02| Comment(0) | TrackBack(6) | □ 桜井 広大 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月20日

沈黙から大連勝の鍵は桜井

先生  「強さと弱さは紙一重なんよな」
コーチ 「ほんまにそうですね」
先生  「この間、赤星がヒーローインタビューで言ってたやん」
コーチ 「『楽しくてしょうがない』ですよね」
先生  「そう、それ。『楽しくてしょうがない』って、個人的には一番好きやし、強いときは一番強いと思うねん」
コーチ 「二戦目の江草のピッチングとかまさにそんな感じでしたもんね」
先生  「勝利の中に悲愴感がないんよな」
コーチ 「はい」
先生  「ところが」
コーチ 「ええ」

先生  「内海に対して危険球って、もう最悪に良くないことやん」
コーチ 「頭狙ったとは思わないですけど、ぶつけにいってた感じはありましたしね」
先生  「オレはむしろジャンの時よりひどいと思ったわ」
コーチ 「ですねぇ。ジャンの場合は審判も酷かって周りがジャンを潰した感じもありましたから」
先生  「それで精神のバランス崩してな。まぁ、わざとぶつけるんは絶対にあかんことやけど、もはや錯乱状態にも見えたからな。心神耗弱状態みたいな」
コーチ 「もちろん、そうであってもダメなものはダメなんですが、でもボギーの危険球はちょっと救いようがないですよね。なんかクセがバレてる感じはしましたけど、自分が滅多打ちされて、それで切れてもうて、この回で降板やったら相手のピッチャーにぶつけてチームに貢献しよ。ってそのニュアンスがどうしても見えてしまった」
先生  「アメリカ人気質なんかなぁ。。溜息しか出んな。この間のシーツがスンヨプの足踏んだ件もそうやけど、そういう思考回路が備わるような環境で大人になってしまった人を今さら教育するんはほんまに難しい」
コーチ 「そうですね。どこに何が潜んでいるのか分からないですもんね」
先生  「特に久保コーチみたいな基本穏やかで優しい人ならなおさらな」
コーチ 「監督もね、当たり前のことはできるだけ言いたくない人ですからね」
先生  「そういう久保コーチと岡田監督やから強い面もあって、今、磐石のリリーフ王国ができあがっているのも事実やし」
コーチ 「その時に、そのやり方は選手の内側に潜んでいる悪性のものを矯正することがなかなかできない」
先生  「自分が打たれてる日の相手のピッチャーに、しかもエースにぶつけて、ベンチの裏でガム噛みながらニヤッと笑って『グッジョブ』なんて野球は日本にはないんや」
コーチ 「だけど『それは、ない』ってことを説明して、しっかり理解してもらうんはほんまに難しいですよね」

先生  「幸い内海が何事もなくて良かったけどな」
コーチ 「ほんまに、ちょっと顔腫れてて心配しましたけど」
先生  「ほんで、ヨシノブ怒りの3ラン」
コーチ 「ダーウィンは気の毒でしたね。うん。でもまぁヨシノブのホームランはむちゃくちゃ凄かったです」
先生  「怒りが逆風を切り裂いて」
コーチ 「もうそら、なす術ないですよね」

先生  「試合の中でほんまの解決をしようと思ったらな」
コーチ 「はい」
先生  「非常識なことかも知れんけども、監督コーチ選手全員ベンチから出て、横一列に並んで、帽子とって内海に『申し訳ありませんでした』ってしっかり頭下げるとか、そういうことが必要やった」
コーチ 「できないんでしょうけどね、そうすることでボギーの『アメリカ体質』も何か変化が起こるかもしれないし、『ごめんなさい』が一番自然ですよ」

先生  「普段『楽しくて仕方ない』で野球をしている人がこうなった時」
コーチ 「それは、もう楽しかったぶんだけ反動がきますね」
先生  「そもそも真面目な責任感の強い人ばっかりで組まれた打線やもん」
コーチ 「どこかで顔にデッドボールを当てたピッチャー打ったらアカンって思ってしまいます」
先生  「『それは甘い』は違うんよな。そういう『甘さ』があるからこそ、東京ドームの三連戦みたいなあんな凄い試合ができたりするし」
コーチ 「そもそも12ゲーム差を追いついてこれたわけで」
先生  「強さと弱さはもう、ほんまに表裏一体や」

コーチ 「内海のデッドボール以降、アニキがあんな雑になるくらいですからね」
先生  「もちろん優勝争いの最終ステージや。勝ちにいかなあかんねん。甲子園の大観衆、遠くから来てはる人だって少なくないやろ。その人らのためにも打とうとせなあかん。でも心のどっかで何かが引っ掛かる」
コーチ 「最大級のストレスを抱えてしまいました」
先生  「そしたら赤星や関本みたいな、普段はすごく粘っこいバッターも簡単にアウトになってまう」
コーチ 「一点取ったんは、もうそんなこと言ってる場合じゃない自分のことで精一杯の桜井の二塁打がきっかけでした」
先生  「よう打ったよな、うん」
コーチ 「あとは葛城がほんまに立派でした」
先生  「いい表情で打席立ってたなぁ、ファースト守ってたから葛城だけ内海に謝ったんかも知れんな」
コーチ 「内海、基本的にすごくいい人やと思いますし、『あ、大丈夫ですよ』『いやいや、ほんまにごめん』ってやり取りがあったのかも知れません。映像で確認したわけやないから分からないですけど」
先生  「そしたら葛城は少しラクやもんな」
コーチ 「まぁ、それにしても葛城はほんまにいい表情で打席に立ってました」


先生  「そんなわけで、強さと脆さの『脆さ』の部分が思いっきり出た試合やったけど」
コーチ 「良かったところ探しましょうか」
先生  「ひとまず、5番矢野やな。これ、コーチどない思った?」
コーチ 「なるほどなぁ。オーダー見た時はニンマリしました」
先生  「一見不自然やけど、自然やんな」
コーチ 「ですね。桜井と浜ちゃんがどっちもどっちの状態ですから、どっちも使えないけど、どっちかが打ってくれないと厳しい状況で、もう一つの選択肢としたら、藤本をスタメンで使って、シーツをファースト、関本をサードで、葛城をライトに入れるっていうのもあると思うんですけど、やっぱり藤本を途中からっていうところと、関本が8番におるっていう強みは外せない」
先生  「いろいろ複雑に絡み合ってな」
コーチ 「そうですね。アニキの心理状態もありますし、5番に調子の悪い人がおるとアニキが調子崩す傾向があるのも懸念してでしょう。矢野が飛びぬけて調子がいいわけではないにしろ、だけど、『同級生』というものは、アニキの気持ちを少しラクにするんじゃないかな。あとはアニキが出塁した時に、矢野で送って、浜中葛城関本で一点取りに行くって分かりやすいし、確率も比較的高いですからね」
先生  「苦渋の選択やったやろうけど、道理よな」
コーチ 「ああいう試合になってしまって、打順は関係なくなっちゃいましたけどね」

先生  「で、桜井が打ったんは明るい材料やな」
コーチ 「そうですね。相手も内海やし、何よりあのムードの中よく打ちましたよね」
先生  「次から自然に桜井を5番に戻せるのは良かった」
コーチ 「あとはもう、完全に沈黙できたことをプラスに変えるしかないですよ」
先生  「せやな。凄い悪いことした、どうしていいか分からんで右往左往してしまったんを」
コーチ 「凄い悪いことしたけど、優勝したいから頑張る!!」
先生  「シーズン最終章に来て、またどん底のチーム状態が来た」
コーチ 「この間のどん底はナゴヤドーム辺りでしたよね」
先生  「せや。長期ロードの最後にナゴヤドームで中日に負け越して、甲子園戻ってきて広島相手に引き分けて、負けた」
コーチ 「だけど広島第三戦で、勝ってからそのまま10連勝」
先生  「きっかけは、黒田から桜井が打ったバックスクリーンへの物凄いホームランやった」
コーチ 「だから、次の神宮で苦戦するかもしれないですけど、三戦目くらいに」
先生  「桜井が爆発して」
コーチ 「で、ちょうど残り試合も10ゲームくらいだから」
先生  「その後、全勝して一気に優勝」
コーチ 「そうなりますように」

先生  「正直、甲子園で胴上げしてほしかったけど、今日の負けで相当苦しくなったからな」
コーチ 「そうですね。中日も逆転勝ちましたし、井端は2安打1四球でした。活躍してます、えらいことです(苦笑)」
先生  「中日より早く日程が終わるから、やっぱりその結果待ちじゃなくてな」
コーチ 「はい」
先生  「勝って決めれるように、最終戦までにマジック1で迎える試合を作りたい」
コーチ 「ですね」
先生  「そのために、神宮で、できるだけ早く桜井が爆発して、そっから大連勝で優勝や!!」
コーチ 「もう、ほんまに最後の最後まで来ましたね。ぼくらも精一杯頑張りましょう!!」
先生  「ほな、この大大大混戦をタイガースが制することを願って」
コーチ 「乾杯!!!!」

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posted by コーチ at 03:34| Comment(11) | TrackBack(1) | □ 桜井 広大 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月03日

夏に手にした当然、桜井。

初夏の千葉にて。
9回に小林雅を打って大逆転した日に、

その立役者は当時一軍に上がったばかりの桜井だった。

「打てるかなぁ。。打ったら凄いのに、あ、打った!!!!!」

そんな思いでライトフェンス直撃のタイムリーヒットを見ていた記憶がある。


厳しい夏も一段落してきた9月。
一夏を越えた桜井広大は、超満員の甲子園のど真ん中、悠然と打席に立っていた。
一打サヨナラの満塁の場面。超満員の観衆が感じていたこと。

「桜井が打って勝つのだろう」

もう、アニキが敬遠されている頃から、条件反射的ブーイングをしてみるも、
桜井がサヨナラ打を放つこと前提の上で、
「いったいどんな結末になるのだろう?」
「バックスクリーンに豪快なホームランかな?」
「いやいや、桜井はきっちり打つ場面はコンパクトに振るから、ライナー性の犠牲フライとかが現実的かも」
「だけど怖いのが、おっつけに行っていい当たりのセカンドライナーとか」
「でももしそうやとしても、ゲッツーにならんかったら今日は葛城が決めてくれるって」
「でもたぶん」
「桜井が決めるんやろうな」

夏が始まる前、まさか今年の夏がこれほどまでに暑くなるとは誰も思っていなかったし、
夏が始まる前、まさか桜井がこれほどまでの「当然」の中でサヨナラヒットを打つとも誰も思っていなかった。


タイガースは4連勝。首位とのゲーム差は2.5。 2位とは0.5ゲーム。
しかし、ほんの数日前まで絶望的なチーム状態だったことは、ほんの数日前のことだからよく覚えている。
沈黙を続ける打線の中で、カープの大エース黒田から放ったホームランと決勝タイムリー。
結果が出ない打席でも、カウント0−2や1−2の「さぁ、振れ桜井」という場面では、
必ず「ブンッ」と振って、空振りしたり、ファールになったりしていた。

「これだ」と決めて、思いっきり振りぬける勇気。
これこそが泥沼に体半分突っ込んだチームにとって一番必要なことだ、と、
得点が入ったら「やったー!!」と手をバンバンを叩いて大喜びする監督は、
毎日そう繰り返しているように見えた。

いいから振れ。振るところから始まるんや。
振らなどうにもならん。

そのことを最も忠実にやり続けていた桜井が、昨日、当たり前のようにサヨナラタイムリーを打った。
暑い夏の間。毎試合。一軍の試合で振り続けた結果手にした勲章は、
サヨナラタイムリーよりも遥かに大きな、
「当然」桜井でサヨナラだ、という「当然」。

その「当然」を手にした甲子園は、それをそのまま地鳴りにかえて、
スワローズを飲み込んだ。

夏を制する者はーって受験用語か。
高卒、六浪。夏を制した桜井は、秋になって何を掴むのか。

「菊の季節に桜が満開。菊の季節に桜が満開。」
って競馬の名実況もあったなぁ。。

秋の深まる甲子園。桜井の打球に、5万人が総立ちになるシーンが目に浮かぶ。


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posted by コーチ at 16:37| Comment(4) | TrackBack(0) | □ 桜井 広大 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月31日

桜井を叫べ

先生  「コーチ!!!」
コーチ 「なんですか!!」
先生  「抱きしめさせてくれ!! コーチのことを桜井やと思って抱きしめさせてくれ!!」
コーチ 「ぼくでいいんですか!! ぼくは桜井でいいんですか!!」
先生  「せや、桜井!!」
コーチ 「はい!!」
先生  「んんんんんん!!! ぁぁああああ!!!」
コーチ 「ぅぅぅううう!!! ぁぁああああ!!!」
先生  「さーくーらーい!!!!」
コーチ 「ドドンドドン!!」
先生  「こーうーだーい!!!!」
コーチ 「ドドンドドン!!」
先生  「さー、CRY!!」
コーチ 「それ、なんですか?」
先生  「『桜井を叫べ』という駄洒落や」
コーチ 「それ、ちょっとようできてるから逆にイヤな気がします(笑)」


先生  「せやけど、桜井やった」
コーチ 「もうほんまに凄まじかったですね」
先生  「先制のバックスクリーンや」
コーチ 「黒田のボールも凄かったですし、ボール焦げそうな打球でしたよね」
先生  「ほんで、打球の凄さも去ることながら、こういうことコーチが言いそうなことやけど」
コーチ 「なんですか?」
先生  「チームの憂鬱をぶっ飛ばしたよな」
コーチ 「確かに」
先生  「序盤から、イヤなムードだらけやったやん?」
コーチ 「でしたね。シーズン前半のタイガースにもう片足突っ込んでましたよ」
先生  「とにかく勝ったし、今日は言おう」
コーチ 「はい」
先生  「まず1回裏の攻撃から」
コーチ 「鳥谷、期待して見てたんですけどね」
先生  「ふつうに調子悪いな」
コーチ 「黒田の初球のワンバウンド。ハーフスイングの空振りしてましたからね」
先生  「ふつうに絶不調なんやろ。まぁ、バードはええんや。打ってほしいけど、憂鬱とはあんまし関係ない」
コーチ 「ですね。ふつうにセカンドゴロに打ち取られました」
先生  「で、赤星やねんけど」
コーチ 「はい」
先生  「赤星は凄く良かった」
コーチ 「一回り強くなったなぁって印象でしたね」
先生  「カウントが0−3になって、逆にヤバイかなぁって思って見てたんや」
コーチ 「分かります。『迷わず、振る』ってことが最も大事なときに、フォアボールゲッター赤星なればこそフォアボールのことがどうしても過ぎってしまいますもんね」
先生  「カウント0−3から一球見て、1−3。次打ちにいけ、絶対ファールにしたらあかん!アウトになってもええから振れ!!」
コーチ 「先生、1回から叫んでましたよね(笑)」
先生  「そしたら赤星、1−3からのまっすぐをセンターに弾き返したんや」
コーチ 「気持ちが入れば入るほど逆に打てなくなるイメージだった赤星ですけど」
先生  「よう打ったなぁ。。」
コーチ 「ところが」
先生  「シーツが初球のシュートにまんまと詰まってゲッツー」
コーチ 「交流戦までの阪神に戻りかけてました」
先生  「気持ちはあるねん。やけど『絶対打ったる』があまりに先行してしまうと、あんな簡単な配球にまんまとやられてまう」
コーチ 「紙一重なんですけどね」
先生  「シーツに出してほしい根性は赤星とは全く逆でな」
コーチ 「はい」
先生  「あの場面で『外に逃げる球を待つ』という根性や」
コーチ 「スライダーを待ってライトに向かって思いっきり振る。100点が右中間を抜くあたり、打ち損じてもライト前のポテンがあるかもしれない。仮にライトフライやファーストフライでもアニキまでまわる」
先生  「これは結果論やないでな。散々こんなシーン見てきてるわけやから、ダブルプレーを避けるのって消極的なやり方ばっかりやない。スライダー待って思いっきり右向いて打つのは十分に気持ちのある打撃やと思うもん」
コーチ 「それができるはずの選手ですからね」
先生  「赤星が走るまで待ったりとか、そういう気配りまでできる状態やないから、そんなことは言わん。ああいう場面はとにかく右向いて思いっきり振ってほしい」
コーチ 「とにかく、1回裏の攻撃は赤星が完璧な出塁をするも、シーツがストレート狙ってるのバレてシュートに詰まってセカンドゴロ併殺という最悪のスタートだった、と」
先生  「そして、悪い流れに拍車をかけたのが」
コーチ 「矢野でしたね」
先生  「矢野ファンの女性方には申し訳ないけど」
コーチ 「こういう流れになった時の矢野はほんまにダメな日があるんですよね」
先生  「それが今日やった」
コーチ 「杉山の今日のいい球はストレートとシュート。初回にアレックスに投げたシュートや、新井に投げたストレートはむちゃくちゃ良かったです」
先生  「チームの状態もあるし、なんとか守備から乗っていきたかった2回の表やったわけで」
コーチ 「勢いつけるなら、当然ストレートでガンガン押していくべき場面やったと思います」
先生  「杉山はそれだけの球投げてるように見えたしな」
コーチ 「ところが先頭の栗原に対して、何か『かわしていこう』という乗れないリードを始めました」
先生  「結果は栗原が打ち損じてくれてセンターフライ」
コーチ 「さぁ、仕切りなおしという前田の打席で初球ストレート。これがまた低目のいい球で、よっしゃーって感じやったんですよね」
先生  「結果的にその球と同じ軌道からフォークボール落として引っ掛けさせてファーストゴロや、完璧な内容やった」
コーチ 「で、次の嶋にセンター前打たれたのもまぁ、際どいとこついてカウント悪くなってしまったからしゃあない感じでそれほど問題はないと思ったんですが」
先生  「2アウトで8番の倉。問題の場面や」
コーチ 「『2回を9番まで回さない』守る上での鉄則ですから、ここは倉をしっかり打ちとって、流れを阪神に持ってきたかった場面」
先生  「今日の杉山の球威やったら、十分に打ち取れたはずやった」
コーチ 「でも矢野がなぜかかわしにいこうとするんですよね」
先生  「初球、二球目ともにスライダーが外に外れて0−2」
コーチ 「で、ストライク取りに行ったストレートをセンター前に打たれて黒田まで回してしまった」
先生  「何か後手後手に回っているって印象やねんな」
コーチ 「杉山は矢野のサインに全く首を振る気ないですけど、正直投げたいタイミングで投げたい球種じゃなかった感じはありましたよね」
先生  「チームの調子ええ時は、素晴らしいリードしはんねやけどなぁ」
コーチ 「黒田の当たりも危なかったですしね」
先生  「杉山とシーツの間にボテボテのゴロが飛んで、一瞬どっちも捕りに行かんかったからな。緩慢に見えたけど、溌剌さを生むような配球でなかったことは確かやと思う」
コーチ 「ただ、今日は杉山が矢野を救いましたよね」
先生  「せや、よう投げた」
コーチ 「杉山直久というピッチャーが、なんとかかんとか現在ローテーションの中で投げられているのは、もちろん矢野が育てたからというのももちろんあるわけで」
先生  「育ての親の矢野がアカン日に、杉山がそれを救う」
コーチ 「いい流れになってきたようにも見えました」
先生  「先にそっちの話をするとな」
コーチ 「はい」
先生  「3回表は1アウトから東出に内野安打で出塁を許すとっからピンチになったけど」
コーチ 「そうでした。インコースのストレートに詰まってヒットコースに飛んでいった当たりでしたね」
先生  「追い込んでから、明らかに東出はファールを打ちに来てたわけや」
コーチ 「ですね。赤星のそういう時とそっくりでした」
先生  「実際4回の赤星の打席で黒田はカウント2−3から外のストレートかシュートで空振り三振取ったんやけど」
コーチ 「ええ」
先生  「追い込まれてカットしに来てる東出に対しては、やっぱ外やったと思うねん」
コーチ 「低目のフォークボールをファールさせて、その後、低目のストレートを見逃し三振っていうのが理想ですよね。赤星の三振もこういうのが多いですし」
先生  「やけど内側に投げさせて詰まってヒットになった」
コーチ 「もちろんアンラッキーな要素もありますが、ベストの選択とは思いにくかったですよね」
先生  「で、アレックスに対して、一打席目のシュートがあまりに良かったから、その残像でスライダー使うならあの初球やったと思ってんけど」
コーチ 「またシュート、シュートで甘く入ってレフト前」
先生  「あそこは、杉山がちょっと無理して投げてる感じが出たかなぁと思った」
コーチ 「確かにそうでした」
先生  「やけど、矢野のいいところは」
コーチ 「はい」
先生  「ピンチになったら開き直っちゃったりするところやねんな。それが結構いい結果になったりする」
コーチ 「そういうとこありますよね(笑)」
先生  「1アウト1塁2塁で栗原。初球、シュートでファール打たせて、あとは全部ストレートで空振り三振」
コーチ 「特に三振取った最後の球は、今日の杉山のベストボールでした。黒田に劣らない素晴らしい速球でした」
先生  「で、2アウトになって、一番イヤな2000本安打目前で充実しまくってる天才前田」
コーチ 「相手は天才ですからいろいろ考えてもしゃあないんですけど」
先生  「ちょっといろいろ考えてたよな(笑)」
コーチ 「やけど、前田の方が予想以上に最初の打席の凡退を引きずってくれてたみたいで、初球の甘いシュートを見送ってくれたんですよね。助かりました。フォークボール待ってたんですかね?」
先生  「たぶん、そんな感じやったけど」
コーチ 「でまぁ、なんとかレフトフライ。アニキ、ナイスキャッチで、なんとかピンチを凌いだ、と」

先生  「で、4回もそんな感じが続くんや」
コーチ 「果てしなくピンチの連続でした」
先生  「7番からやったから、『三者三振!!』みたいなことも十分考えられて、そういうのを狙っていい場面やったけどな」
コーチ 「先頭の嶋をスライダー、スライダー、まっすぐでサードフライ。無難に打ち取ります」
先生  「悪くはなかった」
コーチ 「でも、また倉のところなんですよね」
先生  「初球のスライダーかカーブか、狙われて2ベース」
コーチ 「ピンチで栗原にした投球をすれば絶対打ち取れるやろうに、なんでか倉をかわしにいこうとする矢野」
先生  「裏目に出てたよなぁ」
コーチ 「で、黒田にあっさり進塁打打たれて2アウト三塁」
先生  「梵、東出と続くところ内野安打でも一点やし、イヤな雰囲気あったよな」
コーチ 「さらに梵が、内側のシュートに微動だにしなくてね」
先生  「正直ヤバイと思った。ボールがよう見えてる雰囲気があってんな」
コーチ 「ところが、ここで杉山がファインプレーでした」
先生  「たぶん、梵の感じを察したんやろうけど、自ら歩かしたように見えた」
コーチ 「際どいところついていくよりも、もう、ボール球投げてる感じでしたもんね。インコースのボールばっかりやったから敬遠じゃなかったと思うんで、たぶんあれは杉山の意思やとぼくも思いました」
先生  「で、東出勝負」
コーチ 「カープサイドから見れば、チャンスに東出」
先生  「阪神で考えると、チャンスで赤星という場面やと考えると、ここは力勝負でこられるんが一番イヤやねんよな」
コーチ 「初球からはあんまり狙わないですから、追い込まれてガチッて音のセカンドゴロで赤星俯きながら走ってる姿とかよくありましたよね」
先生  「だから、こここそ力勝負と思ったけど、矢野はまた初球に変化球やった」
コーチ 「そういう場面でかわしにいってなかなかストライク取れないですよ。杉山は下柳先輩とは違うピッチャーですから」
先生  「ほんで0−2になって、ストレートやったけど」
コーチ 「東出が力負けしてショートゴロ」
先生  「ここもなんとか杉山が踏ん張った場面やったな」

コーチ 「しんどいけど5回もいきますか?」
先生  「失点したイニングやな」
コーチ 「アレックスをサードゴロで1アウト。これは良かったんですよね」
先生  「ほんで、新井にホームラン打たれたらあかん丁寧なフォアボールこれもまぁ良しや」
コーチ 「ところが次の栗原の場面で」
先生  「また矢野や」
コーチ 「エンドランあるかも知れない、ってバッテリーも警戒してたんですよね。牽制とか挟んで」
先生  「タイガースやったらアニキが一塁で林クンとか桜井でエンドランは絶対ないけど、ブラウンさんはそういうことやってくる人やからな」
コーチ 「まったく無警戒やったらまだ分からんこともなかったんですけど、『エンドランあるかも?』って場面で投げた球が、真ん中高目のストレート」
先生  「エンドランのサイン出てる時にこれ以上ない打ちやすいコースと球種やった」
コーチ 「エンドランの時は絶対空振りしたらあかんから、ストレートにタイミング合わせるじゃないですか。しかも最悪ボテボテのゴロでもいいから、ポイント前にして、さらに右向いて打つわけですから、あのコースほど打ちやすいコースはないわけですよね」
先生  「そういう体制でバット出したら、セカンドの頭にライナーが行くんよな」
コーチ 「矢野がもちろんそのことを知らないわけはないですから、要するに『あるかも』と思ってるだけで『でも、ないと思う』っていう中途半端な姿勢やったように思うんです。初戦のダブルスチールの時も感じましたけど」
先生  「あの時もなんとなくセカンドに投げてしまったもんな」
コーチ 「エンドランを警戒するなら、一球外したっていいわけで、新井の足を考えれば、スライダーで空振り取って盗塁決められる可能性もそんなに高くない」
先生  「真ん中高目のまっすぐは、あかんかったなぁ。。」
コーチ 「で、1アウト1塁3塁」
先生  「前田の当たりはいい当たりやったけど」
コーチ 「葛城の正面で、だけどファーストミットからボールが出なかった」
先生  「この間の藤原もそうやけどあれはまぁしゃあないよな」
コーチ 「ヒットにならなかったことが御の字と」
先生  「ほんで、嶋にスライダーを大飛球」
コーチ 「桜井、よう捕りましたよね」
先生  「解説やった福本さん、走塁と守備の話になると急に厳しくなるから、捕って当たり前みたいに言ってたけど、あれは超ファインプレーやでな。赤星を基準に考えたらあかんわけで、あれは桜井ほんまによう捕った」

コーチ 「ほんまに今日は、杉山が矢野を救った超ナイスピッチング
やと思いました」
先生  「これをきっかけに矢野が復活してくれることを願うばかりや。明日から頼んだでー!」

コーチ 「で」
先生  「せやな」
コーチ 「桜井のホームランと、決勝タイムリーは」
先生  「こんなにも大きな憂鬱をぶっ飛ばした、とてつもなく大きなバッティングやった」
コーチ 「その後もシーツや、藤本のエラーもあったし」
先生  「まだまだ時間かかりそうやけども」
コーチ 「とにかく桜井がチームを救った」
先生  「ホームランはストレートを」
コーチ 「三塁打はシュートを」
先生  「それぞれ、一点の曇りも無く、『来るはずや』と信じてバットを出して行った桜井」
コーチ 「今こそ必要なことは、その曇りのなさなはず」
先生  「岡田さんが頑なに策を講じず『打て』を繰り返すのは」
コーチ 「この曇りの無さをチーム全体で共有できることが一番強いと信じてるから」
先生  「だから打て、信じて振り抜け」
コーチ 「まずはそれを最も経験の少ない桜井が体現してみせた試合」
先生  「鳥谷はバット振りまくって調子を取り戻せ」
コーチ 「シーツは右向いて思いっきり振る」
先生  「打席での矢野は打てなくてもいいから粘り強さを」
コーチ 「関本はもっと自信持っていいんやで」
先生  「最も憂鬱に陥りやすいタイプかに見えていた赤星は強い気持ちでそれを克服して見せたやないか」
コーチ 「関本は赤星の姿を見てたはずです」
先生  「葛城も守備のミスを取り返そうと必死になって力みそうなところ、なんとか踏ん張って逆方向に二本ヒット打ってる」
コーチ 「シーツに一番必要なことを葛城が体現してくれました」
先生  「たとえ打てなくてもアニキはやっぱり簡単にアウトにならん」
コーチ 「矢野の打席にその姿を」
先生  「そうやって、何かが動き出した今日」
コーチ 「桜井がぜんぶまとめて『勝利』へ導いた」
先生  「久保田は不運な面が重なったけど、DJFKは今日もナイスピッチング」
コーチ 「一度完全にはまってしまったから完璧な試合はなかなかできないかも知れないけど」
先生  「こういうゲームを続けていくうちに、一人また一人と蘇生していけばな」
コーチ 「シーズンが終わる頃に最高潮が来るかもしれない」
先生  「桜井そのきっかけを作ってくれた」
コーチ 「だから今日は桜井と叫ぼう」
先生  「そこからまた、始まるんや」


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posted by コーチ at 00:47| Comment(2) | TrackBack(1) | □ 桜井 広大 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月25日

どどんどどん♪

先生  「そういや、ドラゴンズはな」
コーチ 「はい」
先生  「こいつ、と決めたピッチャーを打ち込むことがすごいうまいチームや」
コーチ 「確かに、ターゲットは逃しませんよね」
先生  「去年まではそれは井川の役割やった」
コーチ 「ローテーションの軸におる選手を狙うんですよね」
先生  「とにかく井川が狙われとった。対井川はドラゴンズしか持っていない情報がある雰囲気してたし」
コーチ 「ターゲットにされてボコボコにされる試合もようありました」
先生  「だけど、井川がターゲットであり続けたことによって、その他の投手で勝てる試合もあった」
コーチ 「一昨年はそれが顕著で、ドラゴンズとの三連戦は初戦の井川で落として、福原、下柳、安藤の誰かで残りの二試合を勝つ三連戦が多くありました」
先生  「今年はそれが下柳先輩に代わったんやろな」
コーチ 「一年通しての軸は、もちろん下柳先輩ですからね」
先生  「そこで軸を痛めつけられて耐えられるかどうかの勝負や」
コーチ 「昨日は、なんとか耐えましたよね」
先生  「渡辺がとても良かった」
コーチ 「こういう試合、中日戦の中でよくある感じはしたんです。序盤で大量失点して、えらいことになるかなぁ、と思ったら、中盤から終盤にかけて沈静化して、なんとなく静かに終わってしまう」
先生  「で、仕切りなおしの第二戦でアニキがホームラン打って勝つんや」
コーチ 「ほんで、流れに乗って第三戦。ピッチャーが好投して逃げ切り。終わってみれば2勝1敗。みたいな」
先生  「だといいなー!!」
コーチ 「そうだといいなー!!」
先生  「どどんどどん♪」
コーチ 「今日勝ちたい♪」
先生  「どどんどどん♪のーうーみー♪」
コーチ 「どどんどどん♪りんーくーん♪」
先生  「どどんどどん♪」
コーチ 「どどんどどん♪」

先生  「なぁ、コーチ」
コーチ 「はい」
先生  「今の、完璧な呼吸でどどんどんに入れたな」
コーチ 「そうですね」
先生  「だから、今日は大丈夫や!!」
コーチ 「それとこれとは関係のないことです(笑)」
先生  「桜井の併殺打ゼロへの挑戦も終わってしまったけど」
コーチ 「その挑戦のこと、あまり取り上げてもらえなかったですけどね」
先生  「ここに来て、初併殺は立派のひとことや」
コーチ 「たしかに」
先生  「林クンも鳥谷も、大量点の終盤しっかり打席をおくれてたし」
コーチ 「ドラゴンズはジャイアンツ戦の初戦をとった後、連敗しているわけで」
先生  「そのジャイアンツも昨日カープに信じられへん負け方したし」
コーチ 「ならば」
先生  「今日は」
コーチ 「どどんどどん♪」
先生  「アーニーキー!!!!!!!」

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posted by コーチ at 08:23| Comment(2) | TrackBack(2) | □ 桜井 広大 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月03日

『四番』の継承

桜井は、着々と『四番』へと進んでいるように見える。

三安打の鳥谷、二本のタイムリーヒットを打った赤星と比べると、
それほど目立った活躍ではなかったかもしれない。
しかし桜井は、確かに『四番打者』特有の何かを身につけつつあると思う。

二回、第一打席。

格の違いでフォアボールを選んだアニキの後、林クンがファーストゴロ。辛うじてダブルプレーにならず、林クンが一塁に残って桜井の打席。

スワローズバッテリーが、桜井に対して全力でインコースを攻めてくる。これは「今年から一軍の打者」にする配球ではない。四番打者を討ち取るための渾身の配球。
すでにそういう打者になっているのだと、ぼくは思った。
推測だが、ミーティングでも「桜井対策」にはかなりの時間が割かれているのではないだろうか。
だとすれば、古田の太鼓判。
「金本の次に警戒すべきは六番桜井」

警戒された中での桜井。
スワローズの松岡が、「打ってもファールにしかならない場所」に見事にコントロールしたキレの良いストレートだった。キャッチャー福川の要求どおり、松岡としても納得のいくボールではなかったか。

それを桜井は、ファールにするものの、三塁のアルプススタンドの方へ強烈なライナーを打ち込む。あれは『四番のファール』だ。
「コースを間違えば、完璧な打たれ方をする」
スワローズバッテリーに恐怖心を植え付けた、凄い当たりのファールだった。

「コースを間違えなければ打たれない」と「コースを間違えば打たれてしまうかも知れない」この差。

結果、この打席は三振に倒れるが、
桜井には『相手投手を飲み込む風格』というまさしく『四番の片鱗』を感じる打席だった。

当然『真の四番、金本』は、こういった局面では度々フォアボールを選んで出塁している。何度となくそんなシーンを見てきた。アニキまでの道のりはそれはもちろん果てしない。しかし、到達することは不可能とも思える『金本知憲』という場所に桜井は一歩ずつ向かっていっているように見えるのだ。

金本知憲の『四番性』は、唯一無二のものだと思う。
リアルタイムで見ていないので、伝え聞いた話だけども、
長嶋茂雄が不世出のスーパースターであったように、
現在ぼくたちが目の当たりにしている金本知憲もまた、
不世出の四番打者だ。

イチローでも、松井秀喜でも、長嶋茂雄とは比べられなかったように、金本知憲もまた誰とも比べられないような、そんな選手。仮にタイガースにバリー・ボンズがやってきてホームランを60本打ったとしても、タイガースの四番は金本だ。


そんな『金本知憲』という偉大で大きな山を、桜井は正面玄関から堂々と上っていこうとしているように見えるのだ。頂上には『真の四番』が待っている。


四回、第二打席

桜井は左中間に二塁打を放った。
ツーナッシングと追い込まれてからの二塁打だった。四番打者が打つ二塁打だ。

相手投手は引き続き松岡。
第一打席で打たれたファールの残像が強くあったのか、
追い込んでからの投球に躊躇を感じた。
投げる球がなくなったのか。
カウント2−3になって、苦し紛れ投げたスライダーが真ん中に来たところを、桜井はさも当たり前のように左中間へ運んでいった。

この時点では1点リード。2アウトランナーなし。ツーナッシングからの二塁打。得点には繋がらなかったが、こういうヒットが勝利に繋がることもまた事実で。これまで四番一人でやっていた仕事を六番もやり出したのだ。だから勝てる。


第三打席 
六回。すなわち、逆転満塁弾を打たれた直後であり、後に赤星の感動的なタイムリーで再度逆転する六回。
桜井はその先頭打者だった。

追い込まれてから、デッドボール。

「桜井」という名前だけで、相手がひるんでくれたゆえの出塁。
この出塁が、逆転を呼んだ。「桜井」という名前が苦境を切り拓いた象徴的な場面だったと思う。

これもまた四番性の高いとても内容のある打席だった。


第四打席。

すでに2点リードして、久保田が完璧に抑えた七回。
先頭打者は、攻撃の手を緩めない真の四番はライト前ヒットで出塁していた。アニキは本当に凄い。
本日いまいちタイミングの合わない林クンが凡退した後の桜井。
強烈なサードゴロだった。
これもまた四番性の高い凡退。リードの局面で相手を押し込む。
さらにダブルプレーを阻止する走塁。


桜井は『四番』へと向かっているように見える。
もちろん『金本知憲』になろうとする必要はない。
その偉大な山を登ろうとしている過程こそ、『桜井広大』という四番打者が生み出されるためのこれ以上ない鍛錬だと思うから。

広島でカープ戦。序盤にたくさん負けた頃、タイガースのオーダーの中に桜井の名前はなかった。今、タイガースには桜井がいる。チーム全体の調子がいいのももちろんだが、桜井がオーダーに入ってタイガースは基本、強くなっている。

六番にもう一人の発展途上の四番がいるチーム。
そのチームは今、大逆襲の真っ最中だ。


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posted by コーチ at 01:23| Comment(3) | TrackBack(0) | □ 桜井 広大 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月28日

切り拓いたのは桜井広大


先生  「ジャラーン♪」
コーチ 「どうしたんですか? 急にギターなんか持ち出して」
先生  「昨今のヒットチャートの傾向や」
コーチ 「はぁ」
先生  「毎年、春になるとな、『桜』いうタイトルの曲が流行るやろ」
コーチ 「そうですねぇ。もうけっこう前から毎年続いてますね。一昔前のクリスマスソングみたいな、風物詩的なもんになってるみたいですけども。で、それがどないしたんですか?」
先生  「オレも歌って、デビューするんや」
コーチ 「『桜』っていう曲作って歌うんですか? いろいろ無理がありますよ」
先生  「あほ、『桜』なんてありきたりなタイトル、オレが考えるわけないやろ!」
コーチ 「ほな、なんてタイトルなんですか?」
先生  「『桜井』や」
コーチ 「はぁ?」
先生  「桜井が打ちまくるという内容の詞になってる」
コーチ 「それは、喜ぶ人がすごく限られます」
先生  「着うたもできるだけ多くの人にダウンロードしてもらいたいと思ってる」
コーチ 「まぁ、いいですよ。せっかく作ったんやったら、忘年会の時にでも歌ってください」
先生  「苦節〜、六年♪ 咲いた、大輪の花♪」
コーチ 「演歌ですやん!!」


先生  「やけど、コーチな」
コーチ 「はい」
先生  「桜井やったな。昨日は桜井やった」
コーチ 「5回の2点取るまで、番長、36イニングス連続無失点やったそうですから」
先生  「難攻不落もええとこや」
コーチ 「ほんでまぁ、序盤は実績どおりのピッチングでしたよね」
先生  「両サイドに、切れ味抜群のストレートと変化球が見事に決まっていったもんな」
コーチ 「相川が構えたところにほとんど投げてましたよ」
先生  「もうな、番長のリズムで全てが進んでいってしまう」
コーチ 「昨日暑かったから、唯一の頼みは暑さでバテてくれへんかなぁって思ってたくらいでしたもんね」
先生  「ところが、番長、気持ちよう汗かいてるんや」
コーチ 「絶好調でしたね。なんとかタイガース投手陣がベイスターズを無失点に抑えて、8回くらいにチャンスで番長に回ってきて、代打が出て交代で、その後出てきた木塚あたりから1点とるくらいしか、正直勝てるイメージが湧かなかったです」

先生  「ところが5回、番長のリズムを桜井が狂わせた」
コーチ 「でしたね。振ってくるはずのない初球のスローカーブが少しだけ甘く入ったところでした」
先生  「三塁線!!」
コーチ 「まさに火の出るような当たり」
先生  「あぁ、これやったか。ってオレもその時ようやく分かったし、阪神ベンチもこのとき分かったんやと思う」
コーチ 「何が分かったんですか?」
先生  「何で番長が、そんなにも長いこと無失点を続けてこれたかという理由や」
コーチ 「なるほど」
先生  「番長は、内角外角のコントロールが抜群や、でもって高目低目のコントロールも抜群で、さらにスローカーブと切れのいいまっすぐで緩急も物凄いつけてくるピッチャーなんは、みんな知ってるわけやけど」
コーチ 「はい」
先生  「その時に、その『投球術』というフィールドに入って、『打撃術』を模索していくことはな、必然的に番長のペースにはまってることになる」
コーチ 「なるほど」
先生  「『術』で対決して勝てる相手やないねん」
コーチ 「確かに」
先生  「仮にな、オレらが若い頃に物凄い美人で頭も良くてこれまで様々な恋愛経験を積んできた女性を好きになってしまったとした時にな」
コーチ 「あ、それ、先生の奥さんのことですやん(笑)」
先生  「仮の話や、仮の!」
コーチ 「はいはい、分かりましたよ。で、そういうスペシャルな女性を好きになってしまったときに、どうしたらいいんですか?」
先生  「恋愛のテクニックで勝負したって、勝ち目あらへんねや。ライバルいっぱいおるし、でも好きになってしまったんや。この気持ちは抑えられへんねや!!」
コーチ 「そら、そうです」
先生  「そしたら、自分のええとこ120%出し切るしかないやろ? 恋愛経験もそないにない、オレらみたいな男がその女性や、その女性の周りに群がる男のフィールドで勝負したって勝ち目ないんや」
コーチ 「夜景が綺麗な高級レストランに、高級外車とかで行く世界に入っていっても、いいとこ出ませんもんね」
先生  「せやねん。だからオレは、植物園にサイクリングで行く計画を立てたんや」
コーチ 「やっぱり、先生の話ですやんか(笑)」
先生  「あ!!」
コーチ 「あ!!ってなんですの(笑)」
先生  「それと同じことや」
コーチ 「よう理解できます」
先生  「番長は桜井に対して、いつものように『術』で勝負しようとしてきた」
コーチ 「百戦錬磨の術師番長VS今年から一軍の桜井」
先生  「せや」
コーチ 「初球、ひとまずスローカーブ」
先生  「これを見逃すことが、要するに『術中にはまる』ことなんやな」
コーチ 「それを桜井は見事に弾き返しました」
先生  「桜井の本能が振りに行かせたんやと思う。『植物園サイクリング打法』や」
コーチ 「ハハハ、ほんまそんな感じですね」
先生  「桜井は、スローカーブを待ってたわけやないと思う。でも、スローカーブは投げた瞬間にスローカーブやって判別が付くんや」
コーチ 「そうですね」
先生  「恋愛を実らすことは、即ち打つこと。桜井は番長が『術』を使おうとしている矢先に『好きです!!』って言うてもうた感じ」
コーチ 「番長、『え?』ってなりますもんね」
先生  「この『え?』が結果的に5得点に繋がったんや」
コーチ 「難攻不落の絶好調の番長から5得点」
先生  「桜井に今、しっかりアニキの姿を見ておいてほしい」
コーチ 「将来の四番ですもんね」
先生  「アニキがどんな打席を送ってるか。何を考えてどう暮らしているのか。今、アニキが戦列を離れたとしたら、タイガースは勝たれへんくなる。物凄い負ける気がする。じゃあ、それはなんでか? それを桜井が毎日肌で感じて野球をしてくれたら桜井は四番バッターになれる」
コーチ 「『四番』は、アニキ、松中クラスの『四番』ってことですよね」
先生  「せや。心技体全てでチームを牽引していく役割やからな」
コーチ 「個人的には四番を外国人選手でまかなうことにはあまり乗り気になれないですしね」
先生  「アニキや松中はまだまだ雲の上の存在やろけど、カープに新井、ベイスターズに村田、タイガースに桜井という感じに早くなってほしい」
コーチ 「昨日の活躍見てたら」
先生  「それは、そんな遠い未来の話ではない」
コーチ 「ですね」
先生  「ほな、難攻不落の番長の扉をこじあけた」
コーチ 「将来の四番バッターに」
先生  「乾杯!!」


追伸
今日は仕事が休みだったのと、
昨日の試合が素晴らしかったのでたくさん書きました。
よかったら併せて読んでもらえると嬉しいです◎

コーチ

● 一年生エース上園と三年生捕手野口
● 岡田彰布が見せた秘策
● みんなのアニキに感謝を込めて

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posted by コーチ at 06:02| Comment(4) | TrackBack(1) | □ 桜井 広大 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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