2006年02月02日

野球がやって来る

いよいよ、

いよいよ、
キャンプが始まった。

「野球がやってくる」

やっと、野球がやってくる。



今朝のサンスポのタイガース記事。
その見出し。

浜ちゃんメチャイケ発進!70メートル投げた、63発打った

井川ロケッ投スタート!いきなりブルペン32球に将も大満足

変身スペンサー快音連発!岡田監督思わず「うおっ!!」


濱中、井川、スペンサー。


チームは優勝したけど、
自分自身の一年として、決して満足ではなかったはずの3人。
キャンプ初日、その船出を飾る記事の見出しには彼らの名が並んだ。

「打ったり、抑えるだけがチームに対する貢献ではない」

ぼくはこのことをくどいほどに書いた気がする。

そしてその中で、

投げたくても投げれない濱ちゃんは、その存在感を。不安定ゆえの力を。

どうやってもうまくいかない左のエースは、その、もがき苦しみながらも必死にやっている姿を。その一生懸命を、

打てないながらも、全ての打席で何とかチームに貢献しようとしていた脇役外国人は、その「打ちやすくした」という事実を、

ぼくは何とか讃えたいと思って、
とにかく讃えることしか考えなかった。


もし、万が一、本人の目に入ったとすれば、少しでも元気になってもらえるような文章を書ければな、とそう思って書いていた。だってみんな大好きだから。

だけど当然ながら、彼らの仕事は「野球」であって、彼らは「プロ野球選手」なのであって、だからその形での「貢献」はそれは大事なことで無駄ではなかったって分かってはいるけど、
心の底から満足いくもののはずはない。


濱ちゃんはレギュラーで一年間出た上で優勝できたほうが嬉しいに決まっているし、
井川だって大事な試合で勝った上で、20勝して優勝した方が嬉しいに決まっている。
スペンサーだって「3冠王取りたいか?」って聞いたら、「取りたい」って言うに決まってるんだ。


そんな彼らが今年、
その思いを胸にね、2月1日を迎えて、
その気持ちを一気に解放したんだ、って、そう思った。
そしてぼくはそのことをとても嬉しく思ったんだ。


心に傷を負った虎たちが、
今年、
その傷を、野球に変えて、叫び、抱きしめる祭。

2006年、ペナントレース。
いよいよ始まったんだ。

楽しくて嬉しくて、
心の底から充実感で満たされるはずのお祭りが、
いよいよ、始まったんだよ。


頑張れ、濱ちゃん。
頑張れ、井川。
頑張れ、スペンサー。


連覇の鍵は、あなたたちの解放しだいだ。
あなたたちが、その気持ちをもっともっと「野球」に変えて解放することが、
どんなに凄いメジャーリーガーを呼んで来ることよりも、戦力アップなんだ。


2006年の野球は、
あんなにも素晴らしかった2005年とはまた違う、
憂鬱という大気の膜を、その打球で、その投球で突き破った人たちの、
そんな晴れやかな笑顔で満たされそうな、そんな野球。
そんな素晴らしさの予感がする。


本当にそうなってほしい。
「あんな顔」して野球をする人たちに、日本一になってほしい。


ああ、いよいよ。
いよいよ野球が、やって来たんだ。

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posted by コーチ at 09:55| Comment(4) | TrackBack(4) | □ 井川 慶 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月24日

井川慶に望みたいこと

土曜日の大相撲中継。
ぼくは実況のアナウンサーにとても好感を持ちました。

と言うのもそれは、
まだ朝青龍に少しだけ優勝のチャンスが残っている段階での残り三番。
栃東、白鳳が登場して、で、結びが朝青龍対琴欧州っていう取り組み。

ぼくももうドキドキしてテレビに釘付けでした。
そこでね、NHKのアナウンサーが言った言葉。
とても印象的だったんです。

「これからの三番、見逃せません」

ただそれだけを言ったんだ。
本当に「見逃せない」と思ったアナウンサーが「見逃せません」って言った言葉。
何の扇動もない誇張もない言葉。
その言葉にこそぼくはグッと来たんだ。
「そうだよ、見逃せないんだよ」って改めて、画面に集中したんだよ。

それでいいと思うんだ。
派手じゃなくても、煽らなくても、作為的に盛り上げなくても、
感じたことを、感じたままの大きさで、その形のまま表現すればいい。

去年の夏以降かな、
彼の登板日の翌日はかなりの確率でこの言葉が見出しだった。

「背信」

この言葉で、「彼」を「井川」と特定できるほど頻繁に使われていた言葉でした。

自分だったらね、どんな気持ちになるかっていつも思うんです。
繰り返し繰り返し「背信行為だ」「裏切り者だ」って言われたらね。

そんなつもりでやってるわけじゃないのに、
でも、プロだから結果が全てだって当然のことだし、
期待されているからこそ、そう言われるわけで、
それも分かるけど、
辛い。

今年の井川の「変わった井川」の報道を目にして、
とにもかくにも自分の向かうベクトルを「元気」に向けてくれて本当に良かったと思った。

人がリスタートの誓いを立てる際、
向かいやすい方向は大きく二つ。
今年井川が示した「元気に明るく」そしてもう一つが「ストイック」。

出発点が同じなので、
井川の場合は今年の「元気で明るく」と去年までの「ストイック」が、
全く逆方向かというとそうではない。

向かっている方向は「現状を打破したい」という同じ場所であって、
その方法に違いが出ているだけだと思う。

昨年、あれだけ傷を負った井川は、
当然ながら不安定にシーズンを過ごすことになる。
(投球内容ということではなく、メンタリティということ)

「去年と同じだったらどうしよう、もしかしたら自分の全盛期は本当に終わってしまったのか?」
開幕はどうしても拭いきれないであろうこの不安からのスタート。
「いや、終わったはずない。まだまだこれからに決まってるさ」
そう信じようとすることからのスタート。

結果が出てほしいと願う。
楽しく元気に頑張ることが、結果に繋がって、安定を獲得してほしいと本当に思う。
「やっぱりこれで良かったんだ」ってそう思ってほしい。
だってそれでいい。

「楽しく元気に」の揺り戻しで、よりストイックの方向に足を踏み入れないでほしい。
ましてや、
「楽しく元気に」を貫くために「楽しく元気」を「ストイックに完遂する」みたいな、
矛盾を抱えながらの投球ならば、本当に心配だ。

井川はタイガースの選手で言えば今岡に似ていると思う。

その今岡を、昨年、圧倒的にアニキと監督が守って、
今岡はアニキに打点王を取らせてもらった。
その様を見て、ぼくはアニキをより好きになったし、
岡田タイガースのことをより好きになった。

井川に望みたいことは一つ。
矢野に甘えてほしい。
下柳に甘えてほしい。
監督に甘えてほしい。

「甘えれる自分で戦ってほしい」


「今日は打たれちゃいました。ごめんなさい。でも悔しいから次は絶対打たれたくないです」

そう言えるようになってほしい。

ぼくは今年、全ての井川を許したい。
「精一杯戦っている姿」それだけで十分。

スポーツ紙も、もう「背信」なんて書かないでほしい。
そんなつもりで投げてるわけじゃないってみんな知ってるから。

そのままの形で、そのままの大きさで、
それを言葉で、表現しよう。
打たれて負け投手になる日だって絶対にある。
それは開幕戦かも知れないし、去年と同様優勝争いの中の大事な試合かも知れない。

でもその時も、

「一生懸命に投げたけど、打たれた井川が悔しそう」

これで十分。

ぼくは今年、一年中、井川を許したいって思うんだ。
だって頑張る人のことが、ぼくは大好きだから。


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posted by コーチ at 09:05| Comment(2) | TrackBack(1) | □ 井川 慶 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月21日

井川慶、今、野球人生の岐路に立たされる

先生  「苦しい〜、胸が苦しい〜」
コーチ 「苦しいのは分かりますけど、苦しみながら、“29”って書くのやめてください」
先生  「にじゅう、きゅうぅぅぅ」
コーチ 「まぁ、分からんでもないですけど」
先生  「にじゅう、きゅうぅぅぅ」
コーチ 「気持ちは分かりますけど先生、指でぼくの体に“29”書くのやめてください」
先生  「にじゅうぅぅ」
コーチ 「先生!!」
先生  「キュー!!」
コーチ 「う」
先生  「ここ乳首やろ?」
コーチ 「先生、ほんま勘弁してください。世間に誤解されます」


先生  「せやけどな、コーチ」
コーチ 「はい」
先生  「オレ、もう気持ちのやり場に困ってしまって、しんどい」
コーチ 「確かにね、気持ちは分かります」
先生  「オレ試合見ながらな」
コーチ 「はい」
先生  「いっそのこと、“井川遥が投げてるって思おう”って、そんなことも考えたんや」
コーチ 「そんなこと考えたんですか!?」
先生  「せやねん。だって井川遥が投げて、ドラゴンズ打線を4点に抑えてたら、もの凄いやろ?」
コーチ 「そら、確かにもの凄いですけど、投げてるのは井川遥じゃないですから」
先生  「どっちも唇、分厚いで」
コーチ 「分厚さの種類が違います」

先生  「なんかなぁ、日本シリーズの伊良部を思い出してんなぁ・・・」
コーチ 「あのときの伊良部。。似てますね」
先生  「ダイエーのスコアラーに完全に丸裸にされてもうてたやん」
コーチ 「分かってな、そこまで振られへんやろ、ってそんなスイングでしたもんね」
先生  「井川はクセを見抜かれてる、ってちょっと前そんな報道あったやろ?」
コーチ 「ありましたね」
先生  「あれ、どうにも修正できひんかってんな、たぶん」
コーチ 「分かってな、あそこまで完璧なホームラン打てないですよね」
先生  「森野のホームランも、福留のホームランも、あまりにも完璧すぎた」
コーチ 「前回の甲子園で福留に打たれたホームランもそうでしたね」
先生  「対策は打ったんやろうけど」
コーチ 「まだ、ドラゴンズが一枚、大きな情報を握っている感じがします」
先生  「それを踏まえての、矢野のリードは良かったけどな」
コーチ 「球種が分かってても、打てない球を投げて来い。打てないコースに投げて来い」
先生  「井川のポテンシャルを信用しての、メジャーリーグ配球」
コーチ 「でも、打たれてしまいました」
先生  「それも、あまりにも完璧にや」
コーチ 「伊良部は、日本シリーズ以降、まったくどうしようもない状態に陥って、引退に追い込まれてしまいました」
先生  「一つ大きく歯車が狂うと、どうしようもなくなってしまうんやでな」
コーチ 「“どうしていいのかほんまに分からない状態”になってしまうんですよね、きっと」
先生  「ほんで、今までできていたことすら、自分からできなくしていってしまう」
コーチ 「常にピンチを招いているかのような精神状態で投球を続けなければならない感じやと思います」
先生  「そら、ふつう難しいよなぁ」
コーチ 「ぼくもブログで、“コーチやったらどうせこんな感じで書くんでしょ”とか、先に予想されて、それがあまりにビンゴやって、しかもそれがちょっと自信のある感じのことやったのに、あまりにズバリ見抜かれてしまったら、その先ちょっと書けないですよね。書けてたはずのことが書けなくなっていくと思います。いつでも、見抜かれてないか、気になってしまう感じで、あれもあかんのちゃうか、これもあかんのちゃうか、自分からつぶれてしまいそうで、怖いです」
先生  「井川はどうなるんやろか?何とかポテンシャルだけで、4点に抑えたって感じやったけど」
コーチ 「相当、苦しい状態ってことには違いないでしょうね」
先生  「バレてるって分かってても、それに完全な対策を打ちきれてないって分かってても」
コーチ 「井川は投げさせるしかないですもんね」
先生  「せやねん。一度ビッグネームになってしまった選手は、もう後戻りできひん」
コーチ 「そうですよね。清原も江藤も、ああいう状態になってから蘇生することはなかったです」
先生  「だから、井川はどんだけ苦しい状況でも、投げ続けなあかんねん」
コーチ 「苦しいです」
先生  「苦しいけど、そこにしか活路は見出せへん」
コーチ 「走り続ける中で、カムバックを果たす」
先生  「それ以外では、カムバックできひん」
コーチ 「球史に名を刻む左腕になるか」
先生  「志半ばのまま、早くもフェードアウトしてしまうのか」
コーチ 「日本シリーズを含めた、残り数試合」
先生  「ほんまに瀬戸際や」
コーチ 「ただ、ぼくたちの願いは一つです」
先生  「球史に名を刻む左腕になってほしい」
コーチ 「日本でもアメリカでも、場所はどこでもいいですからね」
先生  「オレたちが忘れられへん井川のあの姿を、もう一度観てみたいし、できれば長く観ていたい」
コーチ 「そのための残り数試合」
先生  「岡田さんは使ってくれる人やでな」
コーチ 「そう、信じてます」
先生  「人、一人の人生がかかってるわけやから」
コーチ 「球史に名を刻む人生にもう一度戻ってほしい」
先生  「次回はジャイアンツ戦」
コーチ 「おそらくは、ほんまに佳境です」
先生  「井川慶、人生をかけたマウンド」
コーチ 「祈るだけです」


コーチです。

井川に対しては、多くの方が様々な感情を抱いていると思います。
そのうちの一人。
ぼくの思いは
「終わってほしくない」
終わってほしくないから、応援します。

初回、荒木と井端を簡単に打ち取ったときの、監督の笑顔。
とても印象的でした。
ぼくもあんな顔になりました。

「頑張れ井川」
「這い上がれ井川」

その気持ちしか、ありません。

井川、頑張れ!!


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posted by コーチ at 08:04| Comment(7) | TrackBack(6) | □ 井川 慶 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月20日

事実上、マジック1

かすかではあるが、まだプレーオフの望みがある現在。

1年間、必死で戦ってきたことは、ドラゴンズの選手とて同じことである。
「絶対、勝つ」
必然的に、気持ちは強く、そしてその気持ちは強く表に溢れ出てくる。

対して、杉山。
こたつでみかんを食べている時と、マウンドでピッチングをしている時の差が、
一般レベルに比べて極端に少ないと思われる杉山。

「何がなんでも負けるわけにはいかない」

半ば喧嘩腰の目をした戦闘集団に、
少したじろいでしまったか。

家でリラックスしている時に喧嘩を売られたら、誰だって困る。
だいたいいつも家でリラックスしている状態に近い杉山。
そしてそのメンタリティの中から活路を見出し、ローテーションをしっかり守ってきた今年。

ノックアウトされてしまったが、売られた喧嘩を買うよりは良かったと思う。
せっかく熟成しかけている、マウンドでの気持ちの持ちよう。
相手にあわせて変えることはいいことではない。
打たれたときは、「自分に腹を立ててイライラする」のではなく、
「シュンとなって落ち込む」それが、杉山が活路を見出してきたことの結果である。
「シュンとなって落ち込む状態」で投げているからこそ、
ピンチになっても、丁寧に丁寧にリズムを崩さずに投げることができるのだ。
ここ一番という場面で、矢野が構えるミットに気持ちよくすいこまれたストレート。
何球も見た。

昨日は、ドラゴンズの「必死」に飲み込まれた。
そういう結果を、受け入れて、
「どうすれば必死に飲み込まれなくてすむか」
そのことを考えて、今年一年培ってきたことを土台に、また次に頑張ればいい。


アツのことが気になる。
やはり「3番」に困っているように見える。
とにかく、なんとかチームに貢献したい。
でも、気持ちを入れて一生懸命やろうとすればするほど、
体がぎこちなく動き出してしまう。
「決めてきた人」が「繋ぐ人」へ。
やはり、そう簡単にいくものではないのだろう。
ドラゴンズは、おそらく中田が投げてくるだろうから、
そのままいけば今日もスタメンはアツだ。
スタメンで出た2試合をふまえて、今日、何かきっかけを掴んでもらえたらと思う。
2試合は両方とも大差で負けてしまっているので、
アツにとっても酷なゲームだったと思う。
「赤星と金本の間を打つというのは、こういうことか」
そのきっかけを今日、掴んでほしい。


ドラゴンズはとにかく戦闘モードである。
失うものはもう何もない。そういう玉砕戦でやってきている。

戦に赴く武士のごとく。

そして、そんな気持ちで攻め込んでいる時に、
目の前に、どう足掻いても太刀打ちできない大きな障壁があったなら、
馬にまたがり剣を抜き、決死の覚悟で乗り込んだ相手軍が、
驚くほど高い壁をこしらえて、待ち構えていたなら、
その時、武士ははどう思うか?

無論、攻め入りながらも、諦めるのである。
「わぁぁぁ!!!」と雄叫びを上げながら、相手軍に攻め入るも、
家族のこと、
これまでの人生のことを思い、
自分自身の総まとめを始めるのだ。


さぁ全員で、その壁を完成させよう。
よいしょよいしょと、大きな壁を。
どうしても上りきれない、その大きな壁を。
守って打って。走って投げて。
その大きな壁を完成させよう。


そして、息巻く竜軍が、これまでいとも簡単に突破してきた、
虎軍大将井川。

突破できるはずの相手の大将。
それが最後の砦になったとすれば、
間違いなく戦は終わる。

終戦。

数々の「今年」を背負った井川が、戦を終わらせてほしい。

井川が投げる今日の試合。
ドラゴンズは負ければ終戦である。
他のどの投手でもない、井川だからこそ、
今日で全てが終わってしまうのである。

今日、井川がドラゴンズを封じた上で勝利したならば、
今日、胴上げしてもいいくらいだ。

事実上のマジック1。
数々の傷を背負ったエースが投げる試合だからこそ、
事実上マジックは1となる。

優勝決定戦の大一番。

甲子園のマウンドは、
エースの帰りを静かに待っているところだ。


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posted by コーチ at 07:22| Comment(3) | TrackBack(3) | □ 井川 慶 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月13日

二度目の送りバント

できて当たり前だということが、どうしてもできない。
できていたはずのことが、
普段なら何も問題なくできるはずのことが、
どうしてもできない。

期待されているのは、
分かっている。
何とかしようと、
必死でやっている。

井川の内面でうるさい自己批評。
必死に戦った、悩めるエースの姿だったと思う。


一度失敗して、
二度目の送りバント。

打席に入るか入らないか、
もうそのタイミングで送りバントの構えをしていた井川。

「早過ぎる構え」

決めなければならない。
なんとしても、決めなければならない。
気持ちが溢れていた。

決めて当たり前だろ?
この試合、ラクに勝って当たり前だろ?
もう、逆転されたくない。

あんな思い二度としたくないだろ!!
なぁオレ、ちゃんと決めろよ!!
なぁオレ、ここで決めたら、もう逆転されないだろ!!

その思いが、また筋肉を硬直させる。

一球目、見逃し、ストライク。
二球目、ファール、ツーストライク。

何やってんだ、オレ。何やってんだ、オレ。
うるさい自己批評と戦う姿、
早過ぎる構えの井川。

三球目。
バントした打球は・・・
阿部の前に。


送りバント成功。

送りバント成功!!




簡単なことほど難しい。
うるさい自己批評の呪縛から、ほんの少し解放された井川。

そして、ワンアウト、2塁3塁。

赤星。

悩めるエースの気持ちを、無駄にはしない。

センター前、タイムリーヒット。
11点目。

「井川、勝とうな」

逆転されることは、なくなった。


調子が上がらない井川。
ノックアウトされた中日戦よりも、
今日のほうが遥かに悪かった井川。

球児や杉山と違って、狙われれば打たれる程度のまっすぐしかいかない。
でも、とにかくマウンドは守った悩めるエース。

ダブルプレーに助けられた形に見えるかも知れないが、
当然のことだが、誰も併殺打を打とうとするわけない。

併殺を狙ったコースに、その球を投げれていたから。

調子が上がらない中、よく粘って投げた。
大差なんだから、完投しろよ、なんて思わない。
7回1失点。
ドラゴンズを3たてしてきた、ジャイアンツ相手。
十分な結果だろう。

生みの苦しみ。

スランプだった打者が、
一つのポテンヒット、
一つの内野安打から甦るケースはよくあること。

今日のピッチングは、そのポテンヒット。

体内から溢れたアドレナリンが、
大きな体を突き動かし、
彼が、雄叫びを上げる姿を、
ぼくたちは、忘れられないでいる。

今日が、あの姿へのきっかけのなってくれれば、
ラッキーな内野安打になってくれれば。

井川がまた、エースという名にふさわしい躍動を、
甲子園のマウンドで見せてくれそうな気がする。

次回、最終天王山。
井川よ、吠えてくれないか!!

ぼくたちが忘れられないでいる、あなたのあの姿を。
愛ゆえに苦言を呈した、
その5万人が見守る、
甲子園のマウンドで。
その姿を見せてほしい。

「早過ぎる構え」

大差の中で、
悩めるエースは。
必死だったんだ。



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posted by コーチ at 21:32| Comment(2) | TrackBack(5) | □ 井川 慶 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月07日

世界一の2番井端弘和と対峙する

コーチです。

昨日、仕事前に大急ぎで書いた内容を、少し、丁寧に。

タイガースとドラゴンズの選手を並べて、一人だけずば抜けて格上の選手がいます。

無論、ドラゴンズの井端。

くどいほど、彼の凄さを語ってきましたが、
それでも足りないほどに彼は凄いです。
「世界一の2番」って冗談じゃないですよ、ほんまに思ってます。

対するは、国内の、一チームの、エースと言われ続けて、それが怪しくなってきた投手。
でも、必死。だから、好き。

井端vs井川。

完全に井端が格上です。残念ながら。悔しいけど素晴らしい。
現状の井川では100点満点の完璧なピッチングをしたことを前提にして、
打たれるか打たれないかというラインでしょう。
完璧に投げても打たれるかも知れない。

たとえば、
チャンピオンにまで上り詰めたボクサーの彼。
何も考える必要なく、ただただ次々と向かってくる敵を倒し続けた。
しかし、そんな彼、ある時恋に落ち、家族ができる。子どもができ、彼はとても家族を愛するようになった。
彼の職業、殴り合い。
家族を守るために、敵を倒さなければならない。

でも

彼に一瞬の逡巡。

「もし自分が大怪我をしてしまったら・・・」

愛する家族ができたゆえ、うまれた臆病。
一瞬の臆病によって、彼は殴られ、殴られ、殴られ、そして大怪我を負った。

そんな彼を、責められまい。
彼は、愛を手にして、瞬間的に弱くなってしまう。
でも、愛を手にしたことによって、以前とは違った強さを身につけようと必死にもがいている。

その先に見えてくる強さこそ、本物だと信じて。

井川は、

井川はまさに、この途上だと思います。
井川が手にした愛は「チーム」。
彼は本当にチームが好きになったんだろうと思います。
マウンドでの表情を見ていて、とてもそれを感じる。

自分に自信が持ちきれない今、
対するは、世界一の2番井端以下ドラゴンズ打線。

初回。荒木には全てストレートで、なんとか凌ぐ。
井端用にチェンジアップを残しておきたかったのだろう。

打席に完成された世界一の2番を迎える、新しい自分を見つける途中の井川。
初球、裏をかいたストレートで、ストライク。
2球目、おそらく待たれてないスライダーが外れる。
3球目、待ってても打ちにくいと信じてチェンジアップ。ボール。
4球目、またチェンジアップ。ボール。ワンスリー。
5球目、この球しかないから、チェンジアップ。ストライクでツースリー。
6球目、こうなったらとにかくチェンジアップだろうと思われた場面、裏をかいてストレート。

ライト前ヒット。

どうしても抑えたかった初回の井端。
矢野のリード、井川の投球。
凄く気持ちが現れていると思う。

でも、井端が格上だった。

世界一の2番を必死に抑えにいったあとの立浪。
スライダーをレフト前に。

そしてランナー井端、立浪。
ダブルスチール。

ウッズには必死にインコースを攻めるも四球。

守りたいものができた人。
ピンチに立たされる。
臆病になる。筋肉が緊張する。硬直する。

福留に押し出し。

でも、井川。
なんとか持ち直して、アレックスのインコース攻めきる。
この打席以降が抑えやすくなる、矢野のナイスリード。
そして森野はふつうに打ち取る。
現状でも森野は井川が格上。

2回。
ようやくチェンジアップが決まる。
谷繁、中田、
そして荒木もストレートとチェンジアップのコンビネーションで抑えきる。
明るい兆し。

3回。
明るい兆しも、井端から。
いきなりピンチ。

初球、インコースに外れるストレート。変化球待ちの雰囲気。0−1
2球目、真ん中ストレート、見逃し。1−1
3球目、外にストレート、見逃し。2−1。やはりチェンジアップ狙いか。
4球目、真ん中にチェンジアップ。ファール。2−1
5球目、膝元にスライダー。ボール。2−2
6球目、もう一球膝元にスライダー。いいコース。裏をかくも。ファール。2−2
7球目、低めにストレート。決めに行くも、ファール。2−2
8球目、井端の目が低めにいきやすくなったところで、外の高めにストレート。でも、ファール。2−2
9球目、外にチェンジアップ。

サードライナー!!
世界一の2番をアウトにする!!

本当によくアウトにした。

直後。

立浪のホームラン。
2球目、甘く入ったチェンジアップ。

得点は、打った人だけでしたものではない。
おおむね、打ちやすくした人がいる。
象徴的なシーンだった。
もちろん打った立浪は凄いが、
この場面に限っては、それだけ消耗させた井端が物凄い。

2点取られる。

守りたいものができた人。
動揺している場面。
優勝したくなっている、ウッズ。
初球をレフト前に。1アウトランナー1塁。

福留。
投げたいボールは対角線のストレート。
しかし、それがうまく決まったり決まらなかったり。
結果、四球。1アウト1、2塁。

アレックス。
デッドボールになるのを怖がってしまったか。
ストレートが甘く入る、レフト前。満塁。

もうここで、どうしようもなく大変なことになると思った。
全ては回の先頭井端がなかなかアウトになってくれなかったこと。
追加点も取られ、体が思うように動かない。

しかしここから、
森野、谷繁をしっかり打ち取る。
よくぞ、踏ん張った。まだ2点。ここから抑えればなんとかなる点差。

4回。
9番、中田をしっかり打ち取る。
なんとしても、荒木をアウトにしてツーアウトランナーなしで井端を迎えたかった場面。
しかし、荒木を出塁させてしまう。

批判すべきポイントがあるとすればここ一点。
荒木は決して格上ではない。
100点の投球をすれば抑えられる相手。甘く入ってしまったストレート。
もう一粘り、もう一粘りできる精神力を。新しい強さを。
身につけてくれたとき、ぼくは泣く。

1アウトランナー1塁で井端。

1球目から7球目まで、全てストレート。
小細工しても打たれる。
もう、何もない。とにかく思いっきり投げろ。
矢野のメッセージだったか。
しかし井端。
7球目のストレートをものの見事にレフト線2塁打。
1塁から荒木、一気に生還。

ずばぬけて格上の打者。
井端一人にやられてしまった。

ワンアウト2塁で立浪。ライトフライで、井端進塁。

ツーアウト3塁でウッズ。ストレートをセンターに運ばれるも、少し詰まらせ、アウト。
なんとか1点で凌ぐ。

5回。
福留。二打席連続で四球を与えていた福留。
前回完璧なホームランを打たれていることもあり、投げにくかったことだろう。
しかし、真っ向勝負。ストレートで3球3振。

アレックス。チェンジアップが甘く入り、2塁打。
思っていたところに投げていれば抑えれていた配球。
ここは悔いの残る場面。

森野をセカンドゴロ。でアレックス3塁進塁。

2アウト3塁で、谷繁。敬遠。定石どおり。

で、中田を抑えて、無失点。

これが井川の全投球。

井川が悪いのではなくて、井端が凄い。
井川を責めるポイントはあまりない。
どうしたって抑えれない2番がいるチームと対戦しているんだ。
どうにもならないこともある。

井川の次の登板に光明を見た登板。
よくぞ3点に抑えた、と言いたい。

井川のドラゴンズ戦の課題。
無論、井端。
右打ちしようとしてくるタイミングで、インコースにストレート。
キレイにライト前と思ったあたりがシーツのところに飛べば、
井川は完封できる。
井端がヒットにできない球はウッズには打てない。

自信を持って、最高のストレートを投げることができる準備を。
井川のストレートが井端の描いたそれを上回れば、必然的に勝てる。
もう、背信なんて言われない。

世界一の2番。

ご存知のように、
昨日は結局、桟原の代わったイニングに、
ダメ押し点となるホームランまで打っている。

当然、今日の鍵も、2番をどう抑えるかが握っている。
対策はない。
以前も書いたけど、
「う!」って思わせられるかどうかだ。
井端の想定の範囲外の投球ができるかいなか。
下柳先輩。
もっとも適任なんだ。
なんとか、球児につないでほしい。

なぜなら球児、世界一のセットアッパー。

井端vs球児。
この対決は5分。

もしくは、むちゃくちゃ打ったら勝てるけど(笑)


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posted by コーチ at 11:27| Comment(3) | TrackBack(0) | □ 井川 慶 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月01日

井川慶の心

先生  「ちょっと待って!!ちょっと待って!!」
コーチ 「先生!!どうしたんですか!?」
先生  「いやいや、ちょっと待って!!」
コーチ 「何を待つんですか!誰を待つんですか!」
先生  「ほら、スポーツ新聞・・・」
コーチ 「はい」
先生  「ポカーンやわ」
コーチ 「確かに」
先生  「昨日の試合、井川悪ないで!!絶対悪ないで!!なのになんやこれ?」
コーチ 「“背信”って言葉、好きですねぇ」
先生  「ちょっと抗議する!!」
コーチ 「え?」
先生  「まずは104で電話番号聞いて・・・」
コーチ 「ほんまにするんですか?」

先生、ほんまに抗議する

先生  「ちょっとなぁ、井川、背信ってどういうことやねん!!あんなもん、打たれよ思って打たれてるわけないやろが!!お?分かるか?井川はなぁ、心が成熟してる最中なんや!!確かに昔はちょっとぼんやりしてて、よう分からん部分もあったし、自分のことばっかり考えるように見えた時もあったわ。でもな!!今はちゃうやろ?ずっと見てる人やったらわかるやろ!!鈍かった井川がな、いろんなことに気づき始めてるんや!!だからそんな自分に戸惑ってるんや!!“打たれるんが怖い”って思ったことのなかった人が、不意にそんなことを感じるんや。どや?あんたやったら対処できるか?突如、現れてきた仕事に対する新しい種類の情熱。それは今まで自分が知らんかった感覚や。急に守りたいと思うもんができた“守りたい””守らなければならない”そう強く思うことができてしまったあなたは、その時どうそれと向き合う?わからんやろ!!え?何や?当たり前やろ“チーム”や!!井川にとって“チーム”こそ“守りたい”と思うもんや!!だからこそ、あんなに臆病になってしまうんや。どっちでもいいことじゃなくなったんや。人の気持ちが凄く分かるようになってしまったんや。自分が打たれたら・・・もし自分が打たれたら・・・だからこそ、突然、体が動かへんくなってしまうんや!!分かるやろがそんなもん。そんなもん簡単に克服できひんで。簡単に克服してるやつは、大きな代償を背負ってる。オレはそんな奴に魅力を感じひん!!井川の心は今、成長している真っ只中なんや。そんな自分をドライブしていく術を身につけてる、大事な大事な時期なんや。みんなで守ってやろうや!!ほんまのエースにみんなで育ててあげようや!!それでも前を向いて一生懸命進んでいる井川をみんなで応援してあげようや!!」

コーチ 「先生・・・」
先生  「あーしんど」
コーチ 「ぼくもそない思います」
先生  「当たり前や、コーチまで井川が悪いとか言ったら、オレかて自信なくすわ」
コーチ 「先生・・・」
先生  「なんや?」
コーチ 「今日は勝てますよね」
先生  「せや。勝てる」
コーチ 「下柳先輩が前回前々回の自分とね」
先生  「昨日の井川を全部引き受けた、魂の投球をしてくれるはずや」
コーチ 「今日こそ6回を2失点」
先生  「あんなにも悔しい思いを続けてさせるほど神様は意地悪じゃないで」
コーチ 「そして7回から・・・」
先生  「球児の復活祭や!!」
コーチ 「甲子園という大きなやぐらで」
先生  「舞い踊れ、球児!!」
コーチ 「さぁ、第二戦!!」
先生  「また、しんどい試合になると思う」
コーチ 「でも」
先生  「勝とうじゃないか!!」
コーチ 「勝とうじゃないか!!」
先生  「勝とうじゃないか!!」
コーチ 「勝とうじゃないか!!」
先生  「嗚呼!!嗚呼!!嗚呼!!」
コーチ 「乾杯!!!!」
先生  「井川、次は任せたでー!!」


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posted by コーチ at 07:56| Comment(3) | TrackBack(8) | □ 井川 慶 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月24日

井川慶がエースなんだ

先生  「コーチ、体調大丈夫か?」
コーチ 「あ、なんとか」
先生  「お盆、だいぶ忙しかったもんなぁ」
コーチ 「ちょっと疲れがたまってたんやと思います」
先生  「コーチ!!ギュッてしたる!!」
コーチ 「え!?」
先生  「コーチ、よく頑張ってるから、ギュッってしたる!!」
コーチ 「やめてください!!いろんな誤解を招きます!!」
先生  「ギュッ!!」
コーチ 「やめてー!!」

(先生、コーチを10秒ほど抱きしめて、耳元でささやく)

先生  「井川、ナイスピッチングやったな」
コーチ (先生から離れて)「ふつうにしましょ、ほんまふつうにしましょ!!」
先生  「毎回、ふつうに話し始めてもおもろないやろ?」
コーチ 「大丈夫です。ふつうでいいです」
先生  「井川はほんまに良かったなぁ。井川はほんまに良かった」
コーチ 「まぁ、そうですね」
先生  「何が良かったって、藤本敬遠で満塁になった後のな」
コーチ 「タイムリー内野安打」
先生  「初球を打ちにいって」
コーチ 「ピッチャーの後方に高くバウンドした打球」
先生  「必死の形相でファーストベースに走る井川」
コーチ 「なんか普段は言うこと聞かない小学生が、友達のために一生懸命走ってるみたいなね、そんな顔でした」
先生  「分かるなぁ。なんか走る姿に“一心不乱”を感じたよな」
コーチ 「子どもを守るために、お母さんが全力疾走してるとか」
先生  「お母さんの全力疾走かぁ・・・確かに」
コーチ 「井川からそういう凄いレベルでの“必死”が伝わってきた試合でしたね」
先生  「ピッチャーライナーがふくらはぎにあたったときもな」
コーチ 「当たった後にボールを探す姿」
先生  「で、見つけた後、ボールを拾いに行く姿」
コーチ 「造作はブサイクやねんけど、物凄く訴えかけてくるもんがありましたよね」
先生  「震災のとき、家族を守った父親の姿みたいなな」
コーチ 「普段、体動かしたりしないお父さんが、凄い形相で瓦礫を掻き分けて助け出してくれた」
先生  「井川にそのレベルでの必死を感じたんよなぁ」
コーチ 「とにもかくにも凄かったです」
先生  「投球数も100球くらいやろ?」
コーチ 「そうですね、井川らしくないですけど」
先生  「まぁ、いい当たりが正面飛んでダブルプレーとかラッキーもあったけども、カープの大竹とはほんまに対照的やったな」
コーチ 「三振かフォアボールの大竹」
先生  「ほとんどのバッターにスリーボール」
コーチ 「スペンサーのピッチャー版みたいですね」
先生  「ハハハ、せやけどピッチャーでこれやられるとたまったもんやないからな」
コーチ 「ほんま、調子悪いときの福原と安藤と井川を全部足したみたいなそんなピッチングでした」
先生  「球は速い。変化球もすごいけど」
コーチ 「アウトが取れない」
先生  「安藤や福原の調子悪いときの相手チームってあんな感じやったんやろなぁ」
コーチ 「そうですね。打たれへんけど、点が入っていく。何でや!みたいな」
先生  「でもな、そう考えると、大竹も一つ何か掴めば、簡単に10勝くらいできるピッチャーってことやろ」 
コーチ 「そうですね、今年のカープの成績ですでに7勝してますからね。ボール自体はほんまに凄いんですよ」
先生  「井川もそんな雰囲気あってんけどな」
コーチ 「昨日は“アウトを取るのが得意なタイプ”のピッチャーでしたからね」
先生  「ヒーローインタビューのぶっきらぼうなセリフな」
コーチ 「勝てばいい」
先生  「それを体現しきれたらあんなピッチングになるんやろな」
コーチ 「ほんま、見事でした」
先生  「次回登板はいよいよ甲子園でのドラゴンズ戦」
コーチ 「チームを守るために、必死の形相でマウンドに立つエースの姿が見れるはずです」
先生  「もっとラクにやったらええのにって思うときもあるけど」
コーチ 「井川はあの顔の方が、力が発揮できるのかも分からないですね」
先生  「ほな改めて」
コーチ 「はい」
先生  「エースの久しぶりの完投勝利と」
コーチ 「エースの気持ちに」
先生  「乾杯!!!!」

igawa823.jpg
耳を澄ませば聞こえてくる
エースの雄叫び
「勝ちたいんだっぺー!!!」


いっしょに乾杯してください◎クリックよろしくす◎ランキングへ◎

posted by コーチ at 07:08| Comment(2) | TrackBack(6) | □ 井川 慶 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月09日

エースエースエース

コーチ 「ちょっと先生!先生!」
先生  「・・・・・・」
コーチ 「先生、井川の下敷きに向かって、何ヒソヒソ話かけてるんですか?」
先生  「あなたの、髪型に対するこだわりは、世間に受け入れられないかもしれない」
コーチ 「ちょっと、先生!?」
先生  「でも見てごらん。大地に根を生やす木々は、こんなにも様々だ」
コーチ 「先生、なんのつもりですか?」
先生  「みつお」
コーチ 「先生!?」
先生  「アンダーシャツのアルファベットと数字。K29」
コーチ 「もう、ええ加減にせんと帰りますよ」
先生  「三振を示す“K”と井川“慶”」
コーチ 「そんなもん、誰かて知ってます」
先生  「駄洒落が人を幸せにする。こんなにも幸せにする」
コーチ 「嘘でしょ!!先生、嘘はダメです!!」
先生  「みつお」
コーチ 「先生!!」
先生  「ツッタカター、ツッタカター」
コーチ 「え?」
先生  「のりお」
コーチ 「先生!何がしたいんですか!!」
先生  「誰が何と言おうと」
コーチ 「もう、勝手にしてください!」
先生  「あなたがエースだから」
コーチ 「え?」
先生  「抑えても、打たれても、エースはあなただけだから」
コーチ 「先生・・・」
先生  「あなたの左腕は、夢を見たでしょう」
コーチ 「はい」
先生  「エースしか見ることができない。エースだけの夢を」
コーチ 「先生…」
先生  「みつお」
コーチ 「ハハハみつおちゃうでしょ。あいだみつおは井川の詩なんか書きません」
先生  「326」
コーチ 「その人も違います!!」
先生  「恥ずかしいんや」
コーチ 「分かってますよ」
先生  「井川任せたで!井川任せたで!井川任せたで!」
コーチ 「はい!!」
先生  「だって、エースはあなたしかおらへんねやから!!」
コーチ 「関西で待ってるぼくらに、エースのマウンドを!!」

先生  「あなたの心は、いつもマウンドを覆って、大きな心になっているんだよ」
コーチ 「せんせいより」

igawa.jpg
まぎれもない
あなたが、エースです


ランキング!!
posted by コーチ at 08:19| Comment(2) | TrackBack(6) | □ 井川 慶 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月08日

嗚呼、粘土様!!

(今岡粘土様などをセッティング。ピアノの上に)

パン!パン!

先生  「拝啓、今岡粘土様!!」
コーチ 「粘土様!!」
先生  「今こそ、我らがタイガースにチカラを!!」
コーチ 「チカラを授け給え!!」
先生  「今岡粘土様!!」
コーチ 「粘土様!!」
先生  「今岡誠の病を、治していただけないか!!」

コーチ 「そして!!」

先生  「赤星チョロQ様!」
コーチ 「チョロQ様!」
先生  「今こそ、レッドに、ここぞという場面で走れる、さらなる勇気を!」
コーチ 「勇気を授け給え!!」
先生  「ホームスチールだってかまわない!!」
コーチ 「更なる自信と決断力を、レッドスターに!!」
先生  「授け給え!!」
コーチ 「赤星、右中間をライナーで破る三塁打!!」
先生  「直後、ホームスチール!!」

コーチ 「2番、ショート!」

先生  「鳥谷五月人形様!!」
コーチ 「五月人形様!!」
先生  「今こそ、鳥谷の中に隠された、ホームランを打つ能力を!!」
コーチ 「呼び覚ましてはくれないか!!」
先生  「3試合のうち1本でかまわない!!」
コーチ 「谷繁捕手に“しまった”と思わせる本塁打を」
先生  「打たせてやってはくれないか!!」
コーチ 「赤星、3塁打!!ホームスチール!!」
先生  「直後鳥谷が、ライトスタンドへ!!」

コーチ 「3番、ファースト!!」

先生  「シーツかけ布団(薄手)様!!」
コーチ 「薄手のシーツかけ布団様!!」
先生  「年に一度でいい!!次の三連戦で、意表をついたバントを!!」
コーチ 「あまりに成功しないので、封印したセーフティバントを!!」
先生  「成功させてやってもらえないか!!」
コーチ 「鳥谷、まさかのホームランの直後」
先生  「シーツのセーフティバントに立浪、反応できず!!」

コーチ 「4番、レフト!!」

先生  「金本超合金様!!」
コーチ 「超合金様!!」
先生  「アニキが、必死になって、常に全力でプレーしていることは本当に、本当によく分かります!!だから!!」
コーチ 「アニキの思いを、勝利という形で!!」
先生  「優勝という形で報いさせてやりたい!!」
コーチ 「シーツ、まさかのセーフティバントの後」
先生  「アニキ、警戒されて、フォアボール!!」

コーチ 「5番、サード!!」

先生  「今岡粘土様、は、後回し!!」
コーチ 「後回し!!」

コーチ 「6番、ライト!!」

先生  「6番ライトは、二人!!」
コーチ 「6番ライトは、二人!!」

先生  「桧山竹とんぼ様!!」
コーチ 「竹とんぼ様!!」
先生  「今こそ、2003年の優勝を支えた4番打者としての自信を!!」
コーチ 「初球から打ちにいける勇気を!!」
先生  「桧山進次郎に、与え給え!!」
コーチ 「桧山、山本昌の初球アウトローのストレート」
先生  「レフト前にクリーンヒット!!」

コーチ 「6番、ライト!!」

先生  「スペンサー印の敷布団(厚手)様!!」
コーチ 「厚手のスペンサー羽毛布団様!!」
先生  「今こそ、シェーンに!!」
コーチ 「試合の流れや、イニングの空気を読みすぎない、いい意味でのわがままを!!」
先生  「そんなに気を遣わなくてもいいから!!」
コーチ 「でも、スペンサー!!」
先生  「ファールで粘って野口に10球投げさせて、フォアボール!!チャンス拡大!!」

コーチ 「7番、キャッチャー!!」

先生  「矢野ッキーマウス様!!」
コーチ 「矢野ッキーマウス様!!」
先生  「矢野の笑顔がどれだけ素晴らしいかを!」
コーチ 「全国の皆さんに!!」
先生  「高校球児に負けない笑顔を、全国に!!」
コーチ 「ランナー一塁で、矢野!!」
先生  「見事なライト打ちで、一塁三塁!!」

コーチ 「8番、セカンド!!」

先生  「藤本アップリケ様!!」
コーチ 「かわいいアップリケ様!!」
先生  「今こそ藤本に詰まった当たりが全部野手のいないところに飛ぶ幸運を!!」
コーチ 「内野安打を!!詰まりながらもセンター前を!!」
先生  「一生懸命やってるんだから!!お願い、アップリケ様!!」
コーチ 「一・三塁で藤本」
先生  「全進守備の井端の頭上をしぶとく越えて行くレフト前タイムリー!!」

コーチ 「9番、代打!!」

先生  「濱中水風船様!!」
コーチ 「濱中水風船様!!」
先生  「濱中にレフトスタンドへのホームランを!!」
コーチ 「そして!!」
先生  「片岡紙風船様!!」
コーチ 「片岡紙風船様!!」
先生  「アツ片岡にライトスタンドへのホームランを!!」

コーチ 「この回打者一巡!!9得点!!」

先生  「後は、抑えるだけだー!!」

コーチ 「初戦、先発!!」

先生  「井川版画様!!」
コーチ 「図工の時間に隣の席の生徒が“井川くん”というタイトルで彫った版画を想像してください!!」
先生  「版画様!!」
コーチ 「今こそ、井川におととしの球のキレを!!」
先生  「呼び戻し給え!!」
コーチ 「やや投げそこなったアウトコース高めのストレートで!!」
先生  「ウッズ、空振り三振!!」

コーチ 「2戦目、先発!!」

先生  「福原アイスキャンデー様!!」
コーチ 「アイスキャンデー様!!」
先生  「今こそ、その棒に“当たり”の文字を書かせてはくれませんか!!」
コーチ 「福原に幸運を!!」
先生  「何でもいいから勝たせてやってくれませんか!!」

コーチ 「3戦目、先発!!」

先生  「安藤バームクーヘン様!!」
コーチ 「バームクーヘン様!!」
先生  「横浜で佐伯に打たれたあの表情を!!」
コーチ 「ぼくたちは忘れません!!」
先生  「だからバームクーヘン様、もう二度と、安藤にあんな顔を!!」
コーチ 「させないで下さい!!」

コーチ 「最終回!!」

先生  「久保田まくら様!!」
コーチ 「久保田まくら様!!」
先生  「今までどおり、愛の溢れるボールを久保田に!!」
コーチ 「かわいい久保田の笑顔が見たいんです!!」

先生  「ということで、今岡粘土様を」
コーチ 「スペンサー布団に寝かせて」
先生  「シーツかけ布団をのせて」
コーチ 「頭は久保田まくらに」

先生  「粘土様!!」
コーチ 「粘土様!!」
先生  「今日はゆっくりお休みになって下さい!!」
コーチ 「そして、明日、万全の体調で!!」

先生  「嗚呼!!粘土様が!!」
コーチ 「お光りになられた!!」

先生  「嗚呼!!嗚呼!!嗚呼!!」
コーチ 「井川版画様が!!」
先生  「笑っておられる!!」
コーチ 「笑っておられる!!!!」

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posted by コーチ at 06:46| Comment(4) | TrackBack(5) | □ 井川 慶 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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